15スレ目607-LAS2

607 名前:帰らざる彼[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16:36:35 ID:???
人生で始めて書いてみました。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。

「帰らざる彼」


「ごめん、アスカ。3ヶ月はかからないと思うから。」
散々抵抗したが、あのバカはこう言い残して行ってしまった。
今回の任務は極秘で、連絡もしばらく取れないらしい。
ネルフの任務なので仕方ないのは分かってはいたが、
それでも、バカシンジがアタシよりも仕事を選んだ事が頭にきた。

アタシたちは、高校に入ってミサトの家を出て、二人で暮らし始めている。
日本に来てからずっとシンジと一緒だったから、本当に久々のシンジがいない生活。
ケンカ別れしたこともあり、最初のうちは一人でも平気と強がっていたが、
二週間も経ったころ、アタシの孤独は限界を迎えた。

誰でもよかった。ただ、一人でいるのが嫌だった。
こうして、シンジ以外のやつを、自ら部屋に招き入れた。

シンジが行ってしまったその日に、街角で偶然出会った彼。
いつも、付きまとわれていて困っていたが、気がつくとアタシは彼に話しかけていた。
「アンタも一人なのね。ウチに来る?」
罪悪感がないわけではない。
いけないということは分かっていたが、それでも誰かの温もりが欲しかった。

608 名前:帰らざる彼[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16:37:35 ID:???
それから、彼はそのまま居座り約一ヶ月がたった。
今日は休日ということもあり、アタシと彼は昼過ぎになってもベッドでウトウトしていて
呼び鈴が数回鳴らされたことにも気付かなかった。
予定より5日ほど早く帰ってきたアイツが、
「アスカ、まだ寝てるの?」
と言いながら、寝室のドアをそっと開ける。
そして、今、まさにアタシの隣で気持ち良さそうに眠っている彼に気付いたようだ。

「アスカ!?これは一体どういうこと?」
思わず、訊ねるバカシンジ。
「見れば分かるでしょ!」
アタシはここぞとばかりに強気に言い放った。
「あんたのいない間、彼とずっと一緒だったの。
ぜんぜん寂しくなんかなかったわ。
もう、彼なしでの生活は考えられないわね。」
「そんな・・・」
途方にくれるシンジ。一方で満足げなアタシ。
この張り詰めた空気の中、アタシの腕から抜け出した彼がついに口を開いた。

609 名前:帰らざる彼[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16:40:53 ID:???
「みゃー」
お気楽そうな彼。どうやら、お腹がすいたようだ。
「はぁー。ウチがペット禁止なの知ってるだろ?あきらめてよ。」
「やーよ。アンタがもうどこにも行かないってんなら、話は別だけど。」
そう言ってむくれた顔をしてやった。
一刻も早くシンジに、抱きつきたかったが、そこまでアタシは素直ではない。

すると、シンジもシンジで考えていることが合ったようで、
最近めっきり減った、おどおどした顔をしている。
それが30秒か、1分ほど続いたころ、シンジは、アタシが予想もしなかったことを口にした。
「えっと、僕もアスカがいないとダメなんだって事が、今回のことでよく分かったんだ。
いつもそばにいて欲しい。
その・・・幸せにしますなんていえないけど、一緒に苦労して欲しい。
結婚しよう。」
真っ赤な顔のシンジ。
フリーズするアタシ。

こうして、2人と1匹の新たな生活が始まった。
後にミサトから聞いた話によると、シンジもあちらでは任務など上の空で、
予定を繰り上げて帰ってきたらしい。
その話を聞いて、当時のシンジを想像すると思わず笑みがこぼれた。
「ホント、バカなんだから。」

**********
以上です。
ベタな展開ですいません。
やっぱり書くって大変ですね。

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最終更新:2011年01月26日 19:45
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