315 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/01/10(木) 22:25:42 ???
笑っていた。
いつだって、彼女は笑っていた。
暗い過去を感じさせない、周りを呆れさせるほどに、彼女は笑っていた。
思えば、その笑顔に惹かれたのだろうか?
二人、どちらからという訳でもなく。
気付いたら恋人という関係だった。
彼女の過去を知ったのはそれからだった。笑い話のように、あっけらかんと笑いながら彼女は語った。
でもその瞳の奥には、深い哀しみが満ちていて。
俺も自分の過去を話した。彼女はしばらくこちらを見つめて、哀しく微笑んだ。
『私たち、似たもの同士だね』と。何故だろう、俺も笑った。
それからは幸せな日々だった。幸せすぎて、怖いほどに。
彼女は笑顔をたやさなかった。俺もそれに応えるように、できるだけ笑っていた。
……別れは突然だった。理由を彼女から聞いたが、俺は瞬時に嘘だと分かった。
長い間、本当の理由は分からなかったけれど。あの日、真実を聞けてよかった。
今、君はどんな顔をしてる?
…予定では、君の胸の中で…だったんだがなぁ。
「よぅ、遅かったじゃないか」
終
最終更新:2008年01月17日 23:58