360 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/01/11(金) 22:19:41 ???
私は鍵。
私は鍵でしかない。補完計画の要、鍵となるもの。
あの人のために作り出された鍵、ただそれだけの存在。
鍵は鍵を開けるその瞬間まで、まったく意味を為さない物。
その瞬間までは、土塊ほどの価値もない――
そう、価値など有ってはならない。
なのに何故?私を彼と共に戦わせるの?
何故?彼は私を「お母さん」みたいなどというの?
私はなんの価値もない。価値など有ってはならない。
生きる価値など、有ったところで……
「知らないの。」
「え?」
「多分、私は三人目だと思うから。」
そう、知らない。私は知らない。以前の私はもう居ないの。
あなたのことなんか、私は知らない。
だから、もう私に近づかないで。お願いだから。
気が付くと、私はねじ切っていた。大切にしていたあの人のメガネを。
その時、手に怪我をしたことも気付かずに。
痛い……怪我をした手のひらが、痛い……
最終更新:2008年01月18日 00:16