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34 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/01/15(火) 16:04:50 ???


 ―――あなたは死なないわ。

 ―――私が守るもの。

 あの時、綾波はそう言った。
 女の子に守られるなんて少し恥ずかしいと思ったけど、命令だから仕方がなかった。
 …綾波は、僕を守ってくれた。
 文字通り、初号機の…僕の盾となって。
 泣いている僕を見て、少し戸惑っていたのだろうか。

「…笑えば…いいと思うよ」

 僕の言葉に、彼女は笑った。その笑顔に、僕はしばらく見とれてしまった。
 今度は僕が守る。そう決めた。



 ―――綾波は、死んだ。
 紐みたいな使徒から僕を守るために、零号機と共に自爆した。
 なんでだ。
 僕はまだ、君を守っていないじゃないか。
 守られてばかりだ。
 …もう、君を守ることはできない。
 ごめん…綾波…。


 ―――あなたは死なないわ。

 ―――私が守るもの。

  終



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最終更新:2008年01月18日 09:39