35 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2008/01/15(火) 16:51:46 ???
―――あんたバカね。
―――あたしが殴るもの。
あの時、アスカはそう言った。
女の子に殴られるなんて少し恥ずかしいと思ったけど、女王様だから仕方がなかった。
…アスカは、僕を罵ってくれた。
文字通り、女王様の…僕はしもべとなって。
泣いている僕を見て、大いに高笑っていたのだろうか。
「…罵倒してくれたら…いいと思うよ」
僕の言葉に、彼女は笑った。その冷淡な笑に、僕はしばらく硬直してしまった。
今度は僕が殴る。そう決めた。
―――アスカは、死んだ。
ウナギみたいな使徒から自分を守るために、弐号機と共に自滅した。
なんでだ。
僕はまだ、君を殴っていないじゃないか。
殴られてばかりだ。
…もう、君を殴ることはできない。
ごめん…俺…。
―――あんたバカね。
―――私が殴るもの。
終
最終更新:2008年01月18日 09:40