ハウスメイド 3 最後の秘密
題名:ハウスメイド 3 最後の秘密
原題:The Housemaid Is Watching (2024)
著者:フリーダ・マクファデン Freida McFadden
訳者:高橋知子
発行:ハヤカワ文庫HM 2026.7.25 初版
価格:¥1,400
結局『ハウスメイド』シリーズ3作は、すべて入院先の病院にて読破することになった。分厚い割にはスイスイ読める、ほぼ女子一人称の呟きみたいな、口語体に近い文章だし、全体的に残酷な犯罪を解決する作品でありながら、ユーモアたっぷりの意外と明るい殺人ミステリー、、、なのかな。
二十代はホームレスで車で寝泊まりしていたハウスメイドのヒロイン、ミリーは、『ハウスメイド2死を招く秘密』で三十代、そして三部作の掉尾を飾る本書では、四十代で二児をもうけ、マイホームを持つ主婦探偵となっている。
いや、探偵という職業ではないのだが、またもや厄介な、しかも不気味なご近所さん殺人事件にミリーの息子や娘が巻き込まれ、更にミリーの夫であるエンツォが誤認逮捕されるという窮地に陥る、いつもながらの巻き込まれドタバタ・クライムノベルとなっている。
三部作どれも分厚い作品なのだが、高橋知子さんの妙訳が極めて読みやすく、優れていて、楽しく笑ったり、慄いたりして、楽しめる。3作ともリズムよく、定番構成である明確な起承転結が心地よい。中でも3作品とも《転》の部分で作品の世界が、ガラリと転換してしまう荒技・妙技の部分が素晴らしい。
シリーズを通して構成と展開を共有させつつ、ハウスメイド・ミリーの半生を、ミステリーによって描き切った荒技は、世界でも相当に評価されているらしく映画化された第一作は、日本でも11月に全国ロードショー公開が決定している。
さて、この女流作家、ボストンで医師を勤めながら、作品を量産して、比重も作家に傾けているらしい。既に多くの作品が驚異的スピードで出版されているらしく、今後の封訳ラッシュが楽しみでたまらないね!
(2026.8.4)
最終更新:2026年08月08日 17:08