町の悪魔をつかまえろ
題名:町の悪魔をつかまえろ
原題:Fortune Hunter (2016)
著者:ジャナ・デリオン Jana Deleon
訳者:島村浩子
発行:創元推理文庫 2024.10.11 初版
価格:¥1,140
「ワニ町」シリーズの第8作。途中『嵐にも負けず』のレビューが抜けているが(読んではいるのだけど)、その後このシリーズとお別れをしていた。というか、新作確認を怠り、そのままシリーズに続編があることの確認を怠ってもいた。(←それなりに自己嫌悪。70歳を過ぎ記憶力が徐々に弱まっているのかもしれないが、対抗しなくては!)
自分の目に留まらないことで、このシリーズももう翻訳打ち切られなのかと思いきや、とんでもない! ほぼ一年毎に(二年に一作だったことが一度だけある)同じ島村浩子訳で刊行されているではないか。というわけで本シリーズの読書再開に当たって、今年3月に発刊されている次作『アリゲーターには手を出すな』もチェック済み。
それにしてもこの小さなシンフルの町、シリーズ名通り町を流れるバイユーにはワニのいる町。そして毎作のように誰かが殺されたり狙われたりする、文字通り罪の絶えない町(シンフルとは「罪深い」の意)。今回も、隠れ暗殺者フォーチュンと、元特殊部隊兵士のおばあちゃんズ(ガーティとアイダ・ベル)のトリオが、殺人事件に浮き立つ、じゃない、真向向き合う! それも、かなり積極的に。
毎回いろいろな人物が新たに登場しては死んでゆくようなシリーズなのだが、今回もその展開はいつも通り。但し、通常のミステリー・テクニックを当たり前に使っているにも関わらず、ヒロインズ・トリオの個性が強烈過ぎて、つい関心をそちらに持って行かれる。
読み終えてみると、通常のミステリーの構造を成しており、フーダニットであるのだが、読みどころはそこではなくて、捜査する側のトリオの行動、バカ受けするセリフの数々、そして、それらを構成する各自の独立した個性、というところにある。
ここのところピンチを迎えているカーター保安官とフォーチュンのラブ・
ロマンスも、微妙なタッチでさわられていて、今後の展開に興味、と言ったところか。久々に読んだ本シリーズ、やはり面白さは図抜けているので、今後も太く短く、あるいは細く長くででも良いです、翻訳が継続されることを祈るばかり。
(2026.08.11)
最終更新:2026年08月16日 20:12