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使い魔は手に入れたい-18 - (2007/08/04 (土) 07:38:39) の1つ前との変更点
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鳥肉を子猫の頭上で見せ付けるかのように振る。
猫はそれをじっと眺めている。と思ったら二本足で立ち上がり前足を伸ばしてくる。
あと少しで届きそうなところまで鳥肉を子猫に近づけてみる。
すると子猫は必死になって二本足を維持して前足を伸ばしてくる。
必死だな。このまま鳥肉を上にぶら下げておいたら何度もこんな風に挑戦するかもしれない。
しかしこう必死に二本足で立っているところを見るとこかしたくなるな。いや、そういうことはしたらいけない。したらいけないんだが……
……いいや、限界だ。こかすね。今だ!
子猫の後ろ足を空いている左手で払う。予想通り子猫は面白いようにひっくり返った。
やはりこういったことは面白い。
そんなことを思いながら呆然といった感じでひっくり返っている子猫の口に鳥肉を突っ込む。
子猫は最初こそ暴れはしたがすぐに鳥肉だとわかったようで体勢を整え鳥肉を食べ始めた。
私はそれを見ながらサンドイッチを口へ運んだ。
何故こんなことをしているかといえば、暇だからとしか言いようが無い。
この学院は貴族の子供を将来立派な貴族にするためにある。
立派な貴族というものは魔法が使えるだけではダメだ。礼儀作法や貴族としてのたしなみ、心構えなど、そういったものもこの学院で習わされる。
つまり授業は魔法の授業だけではないということだ。
テーブルマナーや乗馬といった授業も存在する。そしてそういった授業をする際に私はいる意味が無い。
テーブルマナーや乗馬なんて私が受けられるわけではない。魔法の授業と違って私には必要ないし退屈なだけだしな。
だからこうやって食事をとりながら暇を潰しているわけだ。
なぜこの場に子猫がいるのかと聞かれれば、ここで食べようとしたら猫がいたからとしか言いようが無い。
人目を避け人気がなく景観もいい場所を見つけ食事(例のごとくサンドイッチだ)をしようとしたのだが、目の前に猫がいたのだ。
しかも昨日の子猫が、昨日と同じようにこちらを見ていたのだ。
それを見た私の感想としては、
「またか」
といった感じだった。別に邪険する理由もないからな。
それでこの前のように鳥肉を子猫のほうへ向けて小刻みに揺らしてみた。
昨日とは違い子猫はあっさりと私のほうへと近寄ってきた。
ただし、走ってこなかった。様子を見ながら慎重に慎重に近寄ってきた。きっと昨日のようになるのを警戒していたのだろう。
学習能力はちゃんとあったようだ。
それで現在に至る。
そしてそんなことを思っていた間に猫にサンドイッチを全部食われてしまった。この大食漢め!
そんなに腹がすいてなかったからよかったけどな。
そういえばこいつオスか?それともメス?
「ミャ?」
子猫を持ち上げ股を見る。……メスか。
それを確認し地面に下ろす。サンドイッチも食い終わったし、すること無いし暇だな。
ふと、思いつきで子猫を撫でてみる。結構気持ちいい。フワフワしてる毛がなかなかいい感じだ。
猫は私にされるがままになっていた。いやそうなそぶりは見せていない。もしかすると私がわからないだけでいやそうなそぶりはしているかもしれないが。
しかしこのまま何時までも撫でているわけにもいかないな。いずれ飽きる。
特に仕事も何もないしな。何か暇を潰すもの、潰すもの……
そういえば前に図書館から盗った本があったな。文字が読めないからシエスタあたりにでも教えてもらおうと思っていたんだった。
ルイズの部屋に隠してあるからな。取ってきてシエスタに文字を教えてもらうか。
文字を覚えれば暇つぶしが格段に楽になる。
立ち上がりルイズの部屋に向かう。ふと後ろを向くと子猫がひょこひょことついてくる。
前に向き直り暫らく歩く。そして後ろ振り返る。子猫はまだひょこひょことついてきていた。
「どうしてついて来るんだお前は?」
そんな言葉を投げても猫如きに理解できようはずもないのだがついつい話しかけてしまう。やがて猫は私の足元に来るとごろんと寝転んで腹をさらけ出す。
意味がわからない。何がしたいんだ?餌でも欲しいのだろうか?
しかしそんな様子は見受けられない。
ただごろんと横になって私を見上げている。
「一緒に来たいのか?」
猫は答えない。当たり前だ。そう思い苦笑する。
私は人間で、こいつは猫だ。こっちの言葉がわかるわけ無いし、私に猫語が理解できるわけが無い。
苦笑しながらまた、ルイズの部屋へと向かった。
しかし気になって後ろを向くと猫はまた起き上がってついてきていた
「……一緒に来たいならそう言えよ」
無理なことだと思い、苦笑しながら呟く。
子猫を抱き上げると肩に乗せる。このくらいの猫なら簡単に乗るな。猫は抵抗もせずすんなり肩にしがみついていた。
子猫を肩に乗せながら私はルイズの部屋へ本を取りに行った。
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鳥肉を子猫の頭上で見せ付けるかのように振る。
猫はそれをじっと眺めている。と思ったら二本足で立ち上がり前足を伸ばしてくる。
あと少しで届きそうなところまで鳥肉を子猫に近づけてみる。
すると子猫は必死になって二本足を維持して前足を伸ばしてくる。
必死だな。このまま鳥肉を上にぶら下げておいたら何度もこんな風に挑戦するかもしれない。
しかしこう必死に二本足で立っているところを見るとこかしたくなるな。いや、そういうことはしたらいけない。したらいけないんだが……
……いいや、限界だ。こかすね。今だ!
子猫の後ろ足を空いている左手で払う。予想通り子猫は面白いようにひっくり返った。
やはりこういったことは面白い。
そんなことを思いながら呆然といった感じでひっくり返っている子猫の口に鳥肉を突っ込む。
子猫は最初こそ暴れはしたがすぐに鳥肉だとわかったようで体勢を整え鳥肉を食べ始めた。
私はそれを見ながらサンドイッチを口へ運んだ。
何故こんなことをしているかといえば、暇だからとしか言いようが無い。
この学院は貴族の子供を将来立派な貴族にするためにある。
立派な貴族というものは魔法が使えるだけではダメだ。礼儀作法や貴族としてのたしなみ、心構えなど、そういったものもこの学院で習わされる。
つまり授業は魔法の授業だけではないということだ。
テーブルマナーや乗馬といった授業も存在する。そしてそういった授業をする際に私はいる意味が無い。
テーブルマナーや乗馬なんて私が受けられるわけではない。魔法の授業と違って私には必要ないし退屈なだけだしな。
だからこうやって食事をとりながら暇を潰しているわけだ。
なぜこの場に子猫がいるのかと聞かれれば、ここで食べようとしたら猫がいたからとしか言いようが無い。
人目を避け人気がなく景観もいい場所を見つけ食事(例のごとくサンドイッチだ)をしようとしたのだが、目の前に猫がいたのだ。
しかも昨日の子猫が、昨日と同じようにこちらを見ていたのだ。
それを見た私の感想としては、
「またか」
といった感じだった。別に邪険する理由もないからな。
それでこの前のように鳥肉を子猫のほうへ向けて小刻みに揺らしてみた。
昨日とは違い子猫はあっさりと私のほうへと近寄ってきた。
ただし、走ってこなかった。様子を見ながら慎重に慎重に近寄ってきた。きっと昨日のようになるのを警戒していたのだろう。
学習能力はちゃんとあったようだ。
それで現在に至る。
そしてそんなことを思っていた間に猫にサンドイッチを全部食われてしまった。この大食漢め!
そんなに腹がすいてなかったからよかったけどな。
そういえばこいつオスか?それともメス?
「ミャ?」
子猫を持ち上げ股を見る。……メスか。
それを確認し地面に下ろす。サンドイッチも食い終わったし、すること無いし暇だな。
ふと、思いつきで子猫を撫でてみる。結構気持ちいい。フワフワしてる毛がなかなかいい感じだ。
猫は私にされるがままになっていた。いやそうなそぶりは見せていない。もしかすると私がわからないだけでいやそうなそぶりはしているかもしれないが。
しかしこのまま何時までも撫でているわけにもいかないな。いずれ飽きる。
特に仕事も何もないしな。何か暇を潰すもの、潰すもの……
そういえば前に図書館から盗った本があったな。文字が読めないからシエスタあたりにでも教えてもらおうと思っていたんだった。
ルイズの部屋に隠してあるからな。取ってきてシエスタに文字を教えてもらうか。
文字を覚えれば暇つぶしが格段に楽になる。
立ち上がりルイズの部屋に向かう。ふと後ろを向くと子猫がひょこひょことついてくる。
前に向き直り暫らく歩く。そして後ろ振り返る。子猫はまだひょこひょことついてきていた。
「どうしてついて来るんだお前は?」
そんな言葉を投げても猫如きに理解できようはずもないのだがついつい話しかけてしまう。やがて猫は私の足元に来るとごろんと寝転んで腹をさらけ出す。
意味がわからない。何がしたいんだ?餌でも欲しいのだろうか?
しかしそんな様子は見受けられない。
ただごろんと横になって私を見上げている。
「一緒に来たいのか?」
猫は答えない。当たり前だ。そう思い苦笑する。
私は人間で、こいつは猫だ。こっちの言葉がわかるわけ無いし、私に猫語が理解できるわけが無い。
苦笑しながらまた、ルイズの部屋へと向かった。
しかし気になって後ろを向くと猫はまた起き上がってついてきていた
「……一緒に来たいならそう言えよ」
無理なことだと思い、苦笑しながら呟く。
子猫を抱き上げると肩に乗せる。このくらいの猫なら簡単に乗るな。猫は抵抗もせずすんなり肩にしがみついていた。
子猫を肩に乗せながら私はルイズの部屋へ本を取りに行った。
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