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ディアボロの大冒険Ⅱ-1 - (2014/08/02 (土) 02:11:29) のソース

「宇宙の果てのどこかに(中略)我が導きに…答えなさいッ!!」 

ドグォン! 

大方の予想通り、すさまじい爆発が起きた。 
百m以上離れた場所に避難しているおかげで、爆発の至近距離に居たルイズ以外無事だったが。 
【『ゼロのルイズ』が魔法を使えば爆発する】それはコーラを飲んだらゲップするのと同じくらいの常識である。 
(やはりゼロなんだなあ)と、生暖かい目でルイズを見守る先生とクラスメイト達。 
当のルイズはケホケホと咳き込みながらも煙が収まるのを待っていた。 
サモン・サーヴァントで爆発はありえない。だから誰も彼も使い魔の召喚は失敗だと思っていた 
だが、煙がおさまったあと、そこに見えてきたものは違った。 

「…何? この…何?」 

当のルイズは仰け反り慄いた。 
煙から現れ出た男は――――女物と思われる下着を上半身に着ていた。 
そして髪は恐ろしい事にピンク!あり得ない色をしている。 
まあ、ルイズも人の事を言えないぐらいのピンク色だが。メルヘンやファンタジーだから問題無い。 
と言うか目の前の男の髪にはカビのような斑点が所々に付いている、こんなのはさすがにルイズの髪の毛にも存在しない。 
男を確認したのか、観衆がざわめき始める。 
「あれは……人間?」 
「それにあの格好、変態だぞ」 
「ああ、変態だ」 
「さすが『ゼロ』ね、平民の変態を召喚するなんてイカシてるわw」 
「クール」

ルイズの耳にクラスメイト達の笑い声が聞こえてくる。 
しかし、百m以上離れているのに聞こえるとはどんな耳の良さなのだろうか。 
ルイズは悪意たっぷりの嘲笑にプッツンしかけながらも、引率の教師にやり直しを願おうとした。 
だが、使い魔召喚の儀式は伝統ある神聖なもの・・・・・・頼んだとしてもやり直しが出来る確率は限りなく0に近いのはルイズも分かっている。 
でもルイズは諦めが悪かった。故に頼んだ。 

「ミスタ・コルベール!もう一度召喚「限界無く明るくなるッ!」 

目の前の男が叫んだと思ったその瞬間!強烈な光が―――。 
その場に居た全員の視界は闇に閉ざされ、一ミリ先も見えなくなった! 
(何何々よ何なのよ!?)ルイズは更に勝手に自分自身で混乱も追加!パニック状態である。 


―――――――[[ディアボロの大冒険Ⅱ]]―――――― 


その男はとあるホテルの床で目覚めた。 
まだ朦朧とする頭を振りながら、男はついさっき起こった――――自分の『死因』を思い返す。

(81Fまで行けた……が、まさかいきなりDIOの罠+ミスタのピストルズコンボをくらう羽目になるとは) 
かなり良い調子だったのだがな。と悔しがる男。 
男の名はディアボロ。 
レクイエムと言う不思議能力により死に到達する事が出来無くなった哀れな男。それが一般の総評である。 

だが、逆に考えてみてほしい 
「死んでも生き返る事が出来る」と考えれば 
終わりの無いライフも楽しめるだろう。きっと 

事実、ディアボロも奇妙なダンジョンを見付けてからは、突然訪れる理不尽な死を恐れる事が無くなった。 
(まあ、しょうがない。気分転換に一巡後の世界でも行ってくるか) 
「遊んでないでボヘミアンラプソディのDISCをとっとと持って来い」と目で訴えてくる漫画家を無視しながら 
かつて自分を裏切ったチームに渡し、今現在何時の間にか部屋の中を徘徊し出した亀の『中に入って』行った。 
半裸の中年が亀の中に吸い込まれる、割とメルヘンやファンタジーじみた光景である。 
耳を澄ましてみると、亀の中からディアボロの声が聞こえる。 

「一巡世界素潜りで死亡回数を増やすのは飽きてきたしな」 
「やはり、フル装備で俺TUEEEEEEが良いだろう」 
「おっと…予めDISCを装備するのを忘れないようにしないと」 

……数分後、亀から出て来たディアボロ。 
これまた、何時の間にか部屋のベッドを占領していたホモ二人に向かって歩き出す。 
その途中――――― 
「鏡?」 
それは唐突だった。 
突如ディアボロの目の前に、楕円形の物体―――鏡のような物が現れたのだ。 
理不尽な事には慣れているディアボロでもさすがにちょっと驚く。 
「ふん?」 
が、一瞬で気を取り直すと、そのまま何の躊躇も無しに『鏡の中へ入っていく』ディアボロ

(新しいダンジョンだろうか?まあ、入ってみれば分かる事だ……) 
ディアボロが消えた部屋の中で、漫画家とホモ二人による『ディアボロが何時死んで戻ってくるか』の賭けが行われたのは割と関係無い話である 

全身を呑み込まれたディアボロ。目の前には果てしない暗黒空間が広がっている 
何も見えない。どっちが上か下かも分からない。 
「フフフフフフフ」 
かなり危機的な状況とは裏腹にディアボロの顔には笑みが浮かんでいた。 
何故笑うのか?それはディアボロが何百回、何千回、何万回も死の経験を積んでいるからだ。 
肉片まで細切れ、体中カビだらけ、体を裏返し等など、それなんて拷問?な死に方をした事もたくさんある。 
(地味な所では飢え死が苦しかったな) 
今のディアボロは一回や二回の死亡を恐れる事は無かった。むしろドンと来いと思っているかもしれない。 

しかし、目の前の光景が変わらないとさすがのディアボロも飽きてくる。 
彼が自殺を考え始めたその時――――光が見えた。 
その光はドンドン広がっていき…… 
ドン! 
背中から地面に落っこちた。

「いたたた……」 
かなり高所から落下したのに、痛い程度ですませるディアボロ。 
まあ、彼はホテルの部屋で何回も落下と激突を繰り返しているから慣れているのだろう。 
周りには煙が立ち込めている。が、それも次第に晴れてくる。 
煙の向こう――――広い野原、近距離に少女、遠距離にローブを纏った数十人の子供とU字禿の中年―――その周りに居るドラゴン等のモンスターが見えた。 
(いきなりモンスターハウスか!?) 
見た事の無い集団に驚くディアボロ。 
囲まれたまま、無為に時間を消費しては不味いと即座に判断。 
(全体攻撃をしても一撃で倒せるかどうか分からん!?ならばッ!) 
すぐさま、懐の「紙」から一枚の円盤……彼や部屋の中の住人がDISCと呼んでいる物を取り出し――― 
(チリペッパーのDISC!電力放出!)「限界無く明るくなるッ!」 
ディアボロの体から強烈な閃光が放たれて、その場に居た全員の目を一時的な盲目状態にしたッ! 
「何か分からんがくらえッ!」 
そのまま流れるような動作で、手始めに目の前の少女を『撲殺』しようとするディアボロ。 
見知らぬ少女を殺す――その行為に、ディアボロは途惑いや躊躇を感じない。 
無抵抗の老人を執拗に追い掛けて撲殺したり日常茶飯事であり、人の道を外れた行為をする事に良心の呵責は一切無い。 
レクイエムをくらう前も実の娘を殺そうとする等、人の道を外れていたが、レクイエムをくらってからはその外道さに益々磨きがかかったようだ。 
何故か盲目+混乱状態の少女を殴り殺そうと近付いた時、ディアボロは何かに気付いた。

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