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「おっほん。今日の授業はすべて中止であります!」 コルベールが重々しい口調で宣言する。 ギトーは授業が邪魔されたのが不愉快なのか眉を顰めている。 しかし教室は授業が中止された喜びに包まれていた。教室中が歓声を上げている。そんなにギトーの授業が嫌だったのか?ためにはなると思うがな。 「えー、皆さんにお知らせですぞ」 コルベールが仰け反り、もったいぶった調子で言葉を続ける。 しかしのせていたのが悪かったのか仰け反った拍子にカツラが頭から落ちてしまった。 教室中が笑いを堪えているのが手に取るようにわかる。 一番前に座っていたタバサがコルベール(の頭だな)を指差す。どうしたんだ。 「滑りやすい」 教室はまるで爆発したかのような笑いに包まれる。五月蠅いな。しかしタバサがそういったことを言う奴だったとは思わなかったな。 コルベールには同情する……滑稽だが。 「黙りなさい!ええい!黙りなさいこわっぱどもが!」 コルベールは切れたのか顔を紅潮させ怒鳴る。 さらに怒鳴りながら貴族がこういった場合どういう態度を取るべきかを説教する。 その剣幕に押されて教室は静まり返った。普段ゆるい奴ほど怒ると効果が上がるもんだな。 コルベールは落ち着いたのか一つ咳払いをする。仕切りなおしということだろう。 どうやらこの国のお姫様がゲルマニアからの帰りにここに来るらしい。なので粗相の無いよう歓迎式典をすることになったらしい。 そのため今日の授業はすべて中止し、正装して門に整列しなければいけないとのことだ。 それを聞いた生徒たちは緊張した面持ちになる。そりゃ自国の姫が来るんだから当然か。自分たちより上の存在だしな。 「諸君が立派な貴族に成長したことを、姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ!御覚えがよろしくなるように、しっかりと杖を磨いておきなさい!よろしいですかな!」 コルベールが檄を飛ばしながら怒鳴る。私には関係無いがな。 向こうのほうから歓声が聞こえてくる。やれやれ五月蠅いことだ。ばっくれといて本当に良かった。 さて部屋にでも戻っておくか。 部屋に入るとふとデルフリンガーが目に入った。最近全く手にかけていないので薄っすらとだが埃が積もっている。 たまには掃除したほうがいいな。そう思いデルフリンガーを手に取り抜き放つ。 「相棒、さすがに全く手につけないってのはひどくねーか?」 抜いて早々にデルフリンガーが文句をたれる。声はなんとなく悲しそうだ。 「あんな見た目だけの鈍らより俺を使えばいいじゃねぇか」 デルフリンガーが悲しそうに訴えてくる。 「鈍ら?あの剣がか?」 そう言ってキュルケから貰った剣を見る。立派な剣だ。鈍らには見えない。 「あんなの見た目だけの張りぼてだぜ。実戦で使ったらすぐに折れちまう」 「根拠はなんだ?」 私には自分が使って欲しいがためにそんなことを言っているようにしか見えない。 「相棒は素人だからわからねえだろうけど見る奴が見ればわかるもんさ。伊達に長いこといるわけじゃねえんだぜ」 もしかした本当かもしれないな。私が素人だということも見抜いているし。長く意識があるから鑑定眼でも身につけているのかもしれない。 もしかしたらそういった機能があるのかもしれない。嘘かもしれないが何故か信じられる気がした。 「わかった。信じよう」 「ホントか相棒!」 私が信じたことが意外だったのかデルフリンガーが大声を出して驚く。 「さすが相棒話しがわk……」 何か言おうとしていたがそれを聞かずに鞘に収める。 キュルケから貰った剣を見ると何故かうそ臭い感じがした。デルフリンガーの言葉で見る目が変ったのか。 これからは見た目を重視するときに使ってやるさ。 さて、デルフリンガーの錆でも落とすか。これから使うんだからな。錆がないほうが切れるだろう。 ----
「おっほん。今日の授業はすべて中止であります!」 コルベールが重々しい口調で宣言する。 ギトーは授業が邪魔されたのが不愉快なのか眉を顰めている。 しかし教室は授業が中止された喜びに包まれていた。教室中が歓声を上げている。そんなにギトーの授業が嫌だったのか?ためにはなると思うがな。 「えー、皆さんにお知らせですぞ」 コルベールが仰け反り、もったいぶった調子で言葉を続ける。 しかしのせていたのが悪かったのか仰け反った拍子にカツラが頭から落ちてしまった。 教室中が笑いを堪えているのが手に取るようにわかる。 一番前に座っていたタバサがコルベール(の頭だな)を指差す。どうしたんだ。 「滑りやすい」 教室はまるで爆発したかのような笑いに包まれる。五月蠅いな。しかしタバサがそういったことを言う奴だったとは思わなかったな。 コルベールには同情する……滑稽だが。 「黙りなさい!ええい!黙りなさいこわっぱどもが!」 コルベールは切れたのか顔を紅潮させ怒鳴る。 さらに怒鳴りながら貴族がこういった場合どういう態度を取るべきかを説教する。 その剣幕に押されて教室は静まり返った。普段ゆるい奴ほど怒ると効果が上がるもんだな。 コルベールは落ち着いたのか一つ咳払いをする。仕切りなおしということだろう。 どうやらこの国のお姫様がゲルマニアからの帰りにここに来るらしい。なので粗相の無いよう歓迎式典をすることになったらしい。 そのため今日の授業はすべて中止し、正装して門に整列しなければいけないとのことだ。 それを聞いた生徒たちは緊張した面持ちになる。そりゃ自国の姫が来るんだから当然か。自分たちより上の存在だしな。 「諸君が立派な貴族に成長したことを、姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ!御覚えがよろしくなるように、しっかりと杖を磨いておきなさい!よろしいですかな!」 コルベールが檄を飛ばしながら怒鳴る。私には関係無いがな。 向こうのほうから歓声が聞こえてくる。やれやれ五月蠅いことだ。ばっくれといて本当に良かった。 さて部屋にでも戻っておくか。 部屋に入るとふとデルフリンガーが目に入った。最近全く手にかけていないので薄っすらとだが埃が積もっている。 たまには掃除したほうがいいな。そう思いデルフリンガーを手に取り抜き放つ。 「相棒、さすがに全く手につけないってのはひどくねーか?」 抜いて早々にデルフリンガーが文句をたれる。声はなんとなく悲しそうだ。 「あんな見た目だけの鈍らより俺を使えばいいじゃねぇか」 デルフリンガーが悲しそうに訴えてくる。 「鈍ら?あの剣がか?」 そう言ってキュルケから貰った剣を見る。立派な剣だ。鈍らには見えない。 「あんなの見た目だけの張りぼてだぜ。実戦で使ったらすぐに折れちまう」 「根拠はなんだ?」 私には自分が使って欲しいがためにそんなことを言っているようにしか見えない。 「相棒は素人だからわからねえだろうけど見る奴が見ればわかるもんさ。伊達に長いこといるわけじゃねえんだぜ」 もしかした本当かもしれないな。私が素人だということも見抜いているし。長く意識があるから鑑定眼でも身につけているのかもしれない。 もしかしたらそういった機能があるのかもしれない。嘘かもしれないが何故か信じられる気がした。 「わかった。信じよう」 「ホントか相棒!」 私が信じたことが意外だったのかデルフリンガーが大声を出して驚く。 「さすが相棒話しがわk……」 何か言おうとしていたがそれを聞かずに鞘に収める。 キュルケから貰った剣を見ると何故かうそ臭い感じがした。デルフリンガーの言葉で見る目が変ったのか。 これからは見た目を重視するときに使ってやるさ。 さて、デルフリンガーの錆でも落とすか。これから使うんだからな。錆がないほうが切れるだろう。 ---- [[23へ>http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/269.html]]

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