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デルフリンガーを忘れたのは仕方ない!後悔している時間は無い! とにかく今は相手が攻撃してくる前に攻撃できる態勢を整えなければならない! デルフリンガーを構えようとした左手を素早く懐に忍ばせ銃を掴む。相手が完璧に視認出来ている以上杖を振る前に銃で相手を撃つのは可能なはずだ。 「貴しゃま、ぼくにょヴェルダンデににゃにをしゅりゅんだ!」 何を言っているのか全くわからん!黙ってろ! ギーシュが杖を構えようとする。しかしそれより一瞬早く杖を抜いた相手はギーシュの杖を吹き飛ばす。 やはり敵か!?射殺しようと銃を取り出そうとした瞬間、 「僕は敵じゃない」 相手のその声に一瞬動くが止まってしまう。 「姫殿下より、きみたちに同行することを命じられてね。きみたちだけではやはり心もとないらしい。しかしお忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにもいかぬ。 そこで僕が指名されたってワケだ」 相手は帽子をとり一礼しながら、 「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 そう宣言した。 王女の増援だったのか。危うく殺すところだった。初めから言っていればいいものを、しかも心もとないだと?なら初めから頼むな! しかし本当に王女の増援かどうか怪しいな。王女はギーシュの尾行に気づかなかった位に間抜けだからな。安心は出来ない。ゆえに懐から手を出すことはしない。 「すまない。婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬ振りはできなくてね」 ワルドは首を振りながらギーシュに言った。それにしてギーシュの顔を見ても顔色一つ変えないとは、なかなかだな。 しかし婚約者?誰の?モグラに襲われていた?まさか…… 「ワルドさま……」 いつの間にか立ち上がっていたルイズは震える声でワルドに声をかける。 「久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」 マジィ!?まさか婚約者ってルイズのことか!? ワルドは笑みを浮かべるとルイズに駆け寄り抱き上げる。 「お久しぶりでございます」 「相変わらず軽いなきみは!まるで羽のようだね!」 「……お恥ずかしいですわ」 マジみたいだ。何だか会話がかみ合ってない気がしたが……しかしルイズの婚約者ということはトリステインの貴族か。なら問題ないか。 銃を離し懐に忍ばしていた手を出す。 ルイズの家は結構家柄は良かったはずだ。それの婚約者ということはワルドも位が高い貴族なのだろう。 それに女王陛下の魔法衛士隊のなんとか隊長とも言ってたはずだ。よくわからないが女王直属の兵隊の隊長ということだろう。 しかも魔法って付くぐらいだから魔法が使える兵隊の隊長ということになる。 多分クラスは『スクウェア』だろう。隊長をしているくらいだから教師と同じ『トライアングル』ではないはずだ。 やばい!これじゃアルビオンでルイズ(ならびにギーシュ)を殺すっていう計画が恐ろしく困難になるじゃないか!チクショウ! どうして幸福になろうと努力すると困難が出てくるんだ! 「彼らを、紹介してくれたまえ」 ワルドはルイズを地面に下ろし帽子を深く被りながら言った。 「あ、あの……可哀想なのがギーシュ・ド・グラモンで、変な格好なのが使い魔のヨシカゲです」 へ、変な格好……そりゃこっちの人間からしたら変な格好だろうからな納得しよう。 そしてちらりとギーシュを見やる。ギーシュは倒れていた前のめりに倒れていた。倒れ付していた。そして微かな嗚咽が聞こえていた。 本当に可哀想な奴だ。さすがにショックが大きかったのだろう。 さすがのワルドもこれには引いているようだ。ルイズもしまった!という風な顔をしている。 「きき、きみがルイズの使い魔かい?ひひ、人とは思わなかったな」 嗚咽交じりの沈黙から早く逃れるためかワルドが話しかけてくる。そりゃ耐えられないだろうな、この空気は。 「ぼ、ぼくの婚約者がお世話になっているよ」 無理やり笑いながら話しかけてくるその姿はやけに頼もしく見える。ワルドはギーシュ空間を一人で打ち破ろうとしているのだ。 やはり只者ではない。 「初めまして、ヨシカゲです」 そう言って頭を下げる。すまないワルド、これが私に出来る最大限の支援だ。 しかしそこで会話が終わってしまう。また嗚咽交じりの沈黙が始まった…… ----

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