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使い魔は引き籠り-5 - (2007/11/16 (金) 17:44:17) の最新版との変更点

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「頼みがあるの・・・・あのね・・・・判っちゃってると思うけど」 「『使い魔』」 「そう。」 もう私が声をかけた時点で推して計れるほど、『ルイズの使い魔行方不明事件』は広まってるって訳。 ああ、頼んでて恥ずかしくなってくる・・・・ 自分でも探した。先生方にも探していただいた。それでも見つからないから、もうこれしかないの。 そう、だから『人海戦術』。 知り合いだろうがそうでなかろうが、片っ端から協力を頼んで(例外はある) 極端に言えば、大人数で『全ての部屋を同時に探す』・・・・これなら見つからないはずは無い。 まあ実際には、『見かけたら教えてね』程度のことなんだけど。 「力になれる?」 「十分、十分過ぎるわタバサ。ありがとう!」 「いい。友達の、友達。」 「・・・・っき、キュルケは友達じゃないわッ!」 ななな何を言い出すやら!確かにね、今は一人でも多くの協力者が欲しいけど・・・・でも! キュルケになんか絶対に頼まない!マリコルヌやギーシュに頼んでも、キュルケにだけは! 「頼むべき」 「い、嫌よ。何てバカにされるかわかったもんじゃないもの。」 「口だけ。協力する」 「タバサは絶対にキュルケを買いかぶり過ぎ・・・・ごめん。友達に、そんな事言うものじゃないわよね」 タバサは何も言わない。 ああ、唯でさえ恥ずかしいお願いしてるのに。私ったらこれ以上、自分を貶めるの?私って奴は何処までバカなのよ! 沈みこんだ気分が更に沈んだところで、タバサの手がとんと肩に置かれる。 「大丈夫。見つかる、きっと。」 ・・・・慰められた。せめてしゃきっとするの!頑張るのよルイズ、メイジなんだから。 『鏡から出ない』と決めてから更に十数時間。日はとっぷりと暮れ、食堂からぞろぞろと出てきたガキどもはとっくにベッドの中で丸くなっている。 そしてオレは、早くも根負けしそうだった。 畜生・・・・腹が減ったし、喉も渇いた!さっきはハッキリと『耐えられない事じゃない!』と思ったのに! 『空腹』と『命の危険』じゃあ重みが違う。生きるのに必要な食事を、『生きる事』と比べるのは馬鹿らしいじゃないか。 しかし、甘かったッ。空腹と渇きでさっぱり眠れないし、気のせいか体温まで下がってきた。(飢えはまだしも、渇きはヤバいんだ。) 生きる為の『三大欲求』の二つが完璧にまいっている。あれ?三つか?女の子は好きだが、今はそんな場合じゃないもんな。 こ・・・・これは。死ぬんじゃないか?オレは。『ルイズに見つからなくても』・・・・鏡の中で『あの女』に怯えてブルブル震えながら、餓死するッ! それだけは嫌だ、嫌だ惨め過ぎるだろおおおォォォォォ!そんな事は!許されない『暗殺者として』ェッ! しっかりしろ、しっかりするんだイルーゾォ。そうだぜ、お前は暗殺者なんだ。 最良と自負するスタンド『マン・イン・ザ・ミラー』を持って、何故こんなにもブルってる?おかしいだろう。 『殺されるくらいなら、殺っちまえ』・・・・これが暗殺者ってもんだろう!違うか?!『そういう風に考えるべき』じゃないのかッ!! 二度と忘れるな!『マン・イン・ザ・ミラー』は最良のスタンドッ!このイルーゾォが決断すれば、『マン・イン・ザ・ミラー』はそれに応える! オレが失敗する事があろうとも、『マン・イン・ザ・ミラー』は失敗しない。だから、オレの気の持ちようなんだ! 怯えるは、止めだッ!オレは逃げる。オレは隠れる。だがオレは怯えはしない! 虎視眈々と『勝利』を狙う、そのために潜むのだ・・・・『マン・イン・ザ・ミラー』はそういうスタンドなのだッ! 実際にはそう『決断』したのはもう一時間も前のことで、今のオレはルイズの部屋のベッドの上(ホームポジションだ)でへばっている。 一時間前、空きっ腹抱えて何をしたかって言うと、こうだ。 まず普通なら「なんだよ、覚悟したんならルイズを鏡の中に引き込めよ、さっさと殺れよ」って思うかも知れないが、オレは違う。 これは言わばマン・イン・ザ・ミラーの能力の『癖』の部分で、今まで相手をビビらせられるって事にしか考えが行かなかったが マン・イン・ザ・ミラーで相手を引き込む時、『相手には鏡の中のオレが見える』んだ。 (ただ外を覗くだけなら安全なんだけどな。何故かは判らない・・・・引き込む瞬間、相手とオレは何かを共有するのかもしれない) ルイズのスタンドは、オレを見るだけで『爆発』させる可能性がある。 「あっ!イルーゾォだ。手間取らせやがって、死ねッ!」・・・・そしてドカン。オレの姿が見えたなら、オレはもうお終いだ! オレはこれが凄ェこわ・・・・・・・・・・凄く警戒している。『ああ、やっぱり爆発した』じゃ遅いんだ。 だからルイズを引き込むなら『寝込み』だ。卑怯とかそんな事は言ってられないんだ。命のやり取りだからな! そう思ってルイズの部屋でベッドが動くのを待って――――ルイズが帰ってこない――――ちょっと考えれば判る事だった。アイツ、オレを探してるんだから。 気を取り直して。 今回ばかりは持久戦はマズいから、オレは方針を変える。相手が目を瞑らないなら、『完全な死角からの攻撃』を。 そのためには、まず一つの鏡は、『覗く』ためだけに使う。そしてルイズが完全にそっぽを向いた時、『もう一つの鏡で、引き込み』そして! 「はっ!ルイズめ。手間取らせやがって、死ねッ!」・・・・スタンドと引き離しちまえばただのメスガキ、負ける気はしない! で、繰り返すが『マン・イン・ザ・ミラー』には鏡が必需品だ・・・・調達しないと・・・・ だが安易にその辺のを割っちまうのは良くない。ルイズがオレを探している以上、音を立てるわけには行かないんだ。 だから『手鏡を探す』ッ! オレの性格上、気分が落ち込んでる時は嫌な事にばっかり気がつく。 まず行動を起こしてはじめに、ルイズの部屋でオレのナイフを見つけた。(何で無いんだろうと思ってたんだ!いつの間に奪われた?)いつも使ってた奴だ。 幸運にも箪笥の隣の鏡に映る位置だったんですぐさま許可する。・・・・が、此処でまず一つ嫌な事だ。 『一緒に持っていた』筈の鏡がねえ・・・・どう言うことだ?普通に考えて、ナイフより鏡を隠す理由が見つからない。 そうだ。オレのスタンドが『鏡に関連する能力』だって気づかれたんだ!オレは洗面所で『消えた』し、鏡鏡って喋っちまっていた。 (まさかイルーゾォは、ルイズが魔法の練習に使って消し飛ばしたとは思わない。 「『万が一』失敗した時に、無くなっても困らないものを使おう。無くなっても私は困らない、って物を――――」) もう一つの『頭の痛くなる事』は、せっかく『覚悟』で剣のように硬く鋭くなっていたオレの気持ちを、どっかのウイルスよろしくグズグズにしてくれた。 『この学校、手鏡なんてもんは存在しないんじゃないのか?』――――こうだ。 探して探して見つからないから泣き言を言ってるんじゃあないぜ。理由がある。 オレは何度目か適当なガキの部屋に入り(『マン・イン・ザ・ミラー』、ドアを開けてくれ・・・・ありがとう、頼りにしてるぜ。)手鏡を探し、 そいつが偶然にも外へ出て行った折、水だけでも飲もうと洗面台の鏡を潜った。 だが、さあ喉を潤そうって時にそのガキは返ってきやがった。(早すぎるだろ)どうにか鉢合わせはしない、入り口でまごまごやっていやがる―――― 「貴族様、寝巻きのボタンを掛け違えてございます。」 「あれっ?本当?」 「只今直して差し上げますから――――はい――――それではおやすみなさいませ。」 おい、ありえるか?『貴族様』だ。こんな会話って、マジに存在したのか? そういえばルイズがそんな事を言ってた気がする。オレは全然取り合わなかったが・・・・だってありえないだろ・・・・? それでだ。  『この学校、手鏡なんてもんは存在しないんじゃないか?』 手鏡ってのは普通身だしなみのチェックに使うものだ。(オレはこの認識がだいぶ甘くなっているが) それが旧時代の遺産のメイドだの貴族だのだと話は全然別で、 身だしなみのチェックってのはメイドがやって、自分じゃあやらない。自分を見る必要がなければ、手鏡は要らない・・・・ も、勿論ゼロって訳じゃないだろう。『手鏡』って概念が無いわけじゃない(はずだ)から、ある事にはあるかも知れない。 でも、『いらない物』を持つ奴は少ないぞ。ぐっと減る・・・・見つけられるか?そいつを直ぐに。この空きっ腹で。 (出ちゃおう、かな・・・・) (ルイズは部屋に帰ってない・・・・鉢合わせなければ、大丈夫かもな?) (いや、こういう諦めの上での行動は『よくない』ぞイルーゾォ。) (でも、何か食わなけりゃ死んじまうよ) (直ぐには死なねえさ。大丈夫。三日は持つ) (我慢しろよオレ。我慢しろよイルーゾォ。お前は暗殺者だぜ?) (水分もったいないから泣くなよ。) (暗殺者だろ・・・・しゃきっとしろよ!頑張るんだイルーゾォ、暗殺者なんだから・・・・・・) (暗殺者なんだから、闇にまぎれて足音を立てずに歩くくらい。出来るよな!) オレは外へ出た。 こんなに外の世界に希望を持つのは初めてだ!大丈夫、気配を殺す。ちょっとやそっとじゃ見つからない。 さし当たって何か食い物。食い物。食い物。そんで鏡・・・・・・ 「きゃあっ!」 気配を殺していたがゆえに、ぼーっと歩いていたオレに思いっきり女がぶつかった。・・・・オレって奴は何処までバカなんだ!
「頼みがあるの・・・・あのね・・・・判っちゃってると思うけど」 「『使い魔』」 「そう。」 もう私が声をかけた時点で推して計れるほど、『ルイズの使い魔行方不明事件』は広まってるって訳。 ああ、頼んでて恥ずかしくなってくる・・・・ 自分でも探した。先生方にも探していただいた。それでも見つからないから、もうこれしかないの。 そう、だから『人海戦術』。 知り合いだろうがそうでなかろうが、片っ端から協力を頼んで(例外はある) 極端に言えば、大人数で『全ての部屋を同時に探す』・・・・これなら見つからないはずは無い。 まあ実際には、『見かけたら教えてね』程度のことなんだけど。 「力になれる?」 「十分、十分過ぎるわタバサ。ありがとう!」 「いい。友達の、友達。」 「・・・・っき、キュルケは友達じゃないわッ!」 ななな何を言い出すやら!確かにね、今は一人でも多くの協力者が欲しいけど・・・・でも! キュルケになんか絶対に頼まない!マリコルヌやギーシュに頼んでも、キュルケにだけは! 「頼むべき」 「い、嫌よ。何てバカにされるかわかったもんじゃないもの。」 「口だけ。協力する」 「タバサは絶対にキュルケを買いかぶり過ぎ・・・・ごめん。友達に、そんな事言うものじゃないわよね」 タバサは何も言わない。 ああ、唯でさえ恥ずかしいお願いしてるのに。私ったらこれ以上、自分を貶めるの?私って奴は何処までバカなのよ! 沈みこんだ気分が更に沈んだところで、タバサの手がとんと肩に置かれる。 「大丈夫。見つかる、きっと。」  ・・・・慰められた。せめてしゃきっとするの!頑張るのよルイズ、メイジなんだから。 『鏡から出ない』と決めてから更に十数時間。日はとっぷりと暮れ、食堂からぞろぞろと出てきたガキどもはとっくにベッドの中で丸くなっている。 そしてオレは、早くも根負けしそうだった。 畜生・・・・腹が減ったし、喉も渇いた!さっきはハッキリと『耐えられない事じゃない!』と思ったのに! 『空腹』と『命の危険』じゃあ重みが違う。生きるのに必要な食事を、『生きる事』と比べるのは馬鹿らしいじゃないか。 しかし、甘かったッ。空腹と渇きでさっぱり眠れないし、気のせいか体温まで下がってきた。(飢えはまだしも、渇きはヤバいんだ。) 生きる為の『三大欲求』の二つが完璧にまいっている。あれ?三つか?女の子は好きだが、今はそんな場合じゃないもんな。 こ・・・・これは。死ぬんじゃないか?オレは。『ルイズに見つからなくても』・・・・鏡の中で『あの女』に怯えてブルブル震えながら、餓死するッ! それだけは嫌だ、嫌だ惨め過ぎるだろおおおォォォォォ!そんな事は!許されない『暗殺者として』ェッ! しっかりしろ、しっかりするんだイルーゾォ。そうだぜ、お前は暗殺者なんだ。 最良と自負するスタンド『マン・イン・ザ・ミラー』を持って、何故こんなにもブルってる?おかしいだろう。 『殺されるくらいなら、殺っちまえ』・・・・これが暗殺者ってもんだろう!違うか?!『そういう風に考えるべき』じゃないのかッ!! 二度と忘れるな!『マン・イン・ザ・ミラー』は最良のスタンドッ!このイルーゾォが決断すれば、『マン・イン・ザ・ミラー』はそれに応える! オレが失敗する事があろうとも、『マン・イン・ザ・ミラー』は失敗しない。だから、オレの気の持ちようなんだ! 怯えるは、止めだッ!オレは逃げる。オレは隠れる。だがオレは怯えはしない! 虎視眈々と『勝利』を狙う、そのために潜むのだ・・・・『マン・イン・ザ・ミラー』はそういうスタンドなのだッ! 実際にはそう『決断』したのはもう一時間も前のことで、今のオレはルイズの部屋のベッドの上(ホームポジションだ)でへばっている。 一時間前、空きっ腹抱えて何をしたかって言うと、こうだ。 まず普通なら「なんだよ、覚悟したんならルイズを鏡の中に引き込めよ、さっさと殺れよ」って思うかも知れないが、オレは違う。 これは言わばマン・イン・ザ・ミラーの能力の『癖』の部分で、今まで相手をビビらせられるって事にしか考えが行かなかったが マン・イン・ザ・ミラーで相手を引き込む時、『相手には鏡の中のオレが見える』んだ。 (ただ外を覗くだけなら安全なんだけどな。何故かは判らない・・・・引き込む瞬間、相手とオレは何かを共有するのかもしれない) ルイズのスタンドは、オレを見るだけで『爆発』させる可能性がある。 「あっ!イルーゾォだ。手間取らせやがって、死ねッ!」・・・・そしてドカン。オレの姿が見えたなら、オレはもうお終いだ! オレはこれが凄ェこわ・・・・・・・・・・凄く警戒している。『ああ、やっぱり爆発した』じゃ遅いんだ。 だからルイズを引き込むなら『寝込み』だ。卑怯とかそんな事は言ってられないんだ。命のやり取りだからな! そう思ってルイズの部屋でベッドが動くのを待って――――ルイズが帰ってこない――――ちょっと考えれば判る事だった。アイツ、オレを探してるんだから。 気を取り直して。 今回ばかりは持久戦はマズいから、オレは方針を変える。相手が目を瞑らないなら、『完全な死角からの攻撃』を。 そのためには、まず一つの鏡は、『覗く』ためだけに使う。そしてルイズが完全にそっぽを向いた時、『もう一つの鏡で、引き込み』そして! 「はっ!ルイズめ。手間取らせやがって、死ねッ!」・・・・スタンドと引き離しちまえばただのメスガキ、負ける気はしない! で、繰り返すが『マン・イン・ザ・ミラー』には鏡が必需品だ・・・・調達しないと・・・・ だが安易にその辺のを割っちまうのは良くない。ルイズがオレを探している以上、音を立てるわけには行かないんだ。 だから『手鏡を探す』ッ! オレの性格上、気分が落ち込んでる時は嫌な事にばっかり気がつく。 まず行動を起こしてはじめに、ルイズの部屋でオレのナイフを見つけた。(何で無いんだろうと思ってたんだ!いつの間に奪われた?)いつも使ってた奴だ。 幸運にも箪笥の隣の鏡に映る位置だったんですぐさま許可する。・・・・が、此処でまず一つ嫌な事だ。 『一緒に持っていた』筈の鏡がねえ・・・・どう言うことだ?普通に考えて、ナイフより鏡を隠す理由が見つからない。 そうだ。オレのスタンドが『鏡に関連する能力』だって気づかれたんだ!オレは洗面所で『消えた』し、鏡鏡って喋っちまっていた。 (まさかイルーゾォは、ルイズが魔法の練習に使って消し飛ばしたとは思わない。 「『万が一』失敗した時に、無くなっても困らないものを使おう。無くなっても私は困らない、って物を――――」) もう一つの『頭の痛くなる事』は、せっかく『覚悟』で剣のように硬く鋭くなっていたオレの気持ちを、どっかのウイルスよろしくグズグズにしてくれた。 『この学校、手鏡なんてもんは存在しないんじゃないのか?』――――こうだ。 探して探して見つからないから泣き言を言ってるんじゃあないぜ。理由がある。 オレは何度目か適当なガキの部屋に入り(『マン・イン・ザ・ミラー』、ドアを開けてくれ・・・・ありがとう、頼りにしてるぜ。)手鏡を探し、 そいつが偶然にも外へ出て行った折、水だけでも飲もうと洗面台の鏡を潜った。 だが、さあ喉を潤そうって時にそのガキは返ってきやがった。(早すぎるだろ)どうにか鉢合わせはしない、入り口でまごまごやっていやがる―――― 「貴族様、寝巻きのボタンを掛け違えてございます。」 「あれっ?本当?」 「只今直して差し上げますから――――はい――――それではおやすみなさいませ。」 おい、ありえるか?『貴族様』だ。こんな会話って、マジに存在したのか? そういえばルイズがそんな事を言ってた気がする。オレは全然取り合わなかったが・・・・だってありえないだろ・・・・? それでだ。  『この学校、手鏡なんてもんは存在しないんじゃないか?』 手鏡ってのは普通身だしなみのチェックに使うものだ。(オレはこの認識がだいぶ甘くなっているが) それが旧時代の遺産のメイドだの貴族だのだと話は全然別で、 身だしなみのチェックってのはメイドがやって、自分じゃあやらない。自分を見る必要がなければ、手鏡は要らない・・・・ も、勿論ゼロって訳じゃないだろう。『手鏡』って概念が無いわけじゃない(はずだ)から、ある事にはあるかも知れない。 でも、『いらない物』を持つ奴は少ないぞ。ぐっと減る・・・・見つけられるか?そいつを直ぐに。この空きっ腹で。 (出ちゃおう、かな・・・・) (ルイズは部屋に帰ってない・・・・鉢合わせなければ、大丈夫かもな?) (いや、こういう諦めの上での行動は『よくない』ぞイルーゾォ。) (でも、何か食わなけりゃ死んじまうよ) (直ぐには死なねえさ。大丈夫。三日は持つ) (我慢しろよオレ。我慢しろよイルーゾォ。お前は暗殺者だぜ?) (水分もったいないから泣くなよ。) (暗殺者だろ・・・・しゃきっとしろよ!頑張るんだイルーゾォ、暗殺者なんだから・・・・・・) (暗殺者なんだから、闇にまぎれて足音を立てずに歩くくらい。出来るよな!) オレは外へ出た。 こんなに外の世界に希望を持つのは初めてだ!大丈夫、気配を殺す。ちょっとやそっとじゃ見つからない。 さし当たって何か食い物。食い物。食い物。そんで鏡・・・・・・ 「きゃあっ!」 気配を殺していたがゆえに、ぼーっと歩いていたオレに思いっきり女がぶつかった。・・・・オレって奴は何処までバカなんだ!

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