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使い魔は静かに暮らしたい-8 - (2007/05/24 (木) 21:49:43) の編集履歴(バックアップ)


広場に着くと多くの生徒で溢れかえっていた。噂を聞きつけたのだろう。
周りが本当に五月蠅いものだ。
「さてと、では始めるか」
ギーシュが薔薇の花を振ると花びらが一枚宙を舞う。それが甲冑を身に着けた女の形をした人形になる。あれがワルキューレなのだろう。
ギーシュを守るように立ちふさがる。しかしわかってはいたが驚くものがあるな。花びらが変わるなんて非常識すぎる。
しかしルイズの話しでは複数体出せるはずなのだが。一体ということは幾ら怒っていてもこちらを平民だと嘗めているのだろう。
そのほうがありがたいがね。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
そんなもの想定済みだ。
「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
それぐらいもう知っている。
ワルキューレがこちらに向かって突進してくる。それを間一髪で避ける。
予想より早いが修正の範囲内だ。殴りかかってくるがまた避ける。避ける。避ける。避ける。
それを何回か繰り返す。
「なんだよ。避けるばかりかい?」
ギーシュが呆れたように言ってくる。
ワルキューレの拳が顔に当たりそうになる。それを右腕で庇う。衝撃で地面を転がる。
右腕を押さえる。
「腕でも折れたかな?」
ギーシュがあざ笑う。気にしない。
「ギーシュ!」
ルイズの声がするが気にしない。
ワルキューレが近づいてくるが気にしない。
この位置だ。この位置が凄く良い!私とギーシュの間に何も無いこの位置が凄く良い!
距離なんて関係ない。懐から銃を取り出し撃つ。

「うわああああああああああ!」
ギーシュが悲鳴を上げる。当然か。手を撃ち抜かれたんだから。
「痛い痛い痛い痛い!」
悲鳴を上げながら泣き叫ぶ。立ち上がり顔を蹴り飛ばす。今度はギーシュが地面に転がる。
撃ち抜いた手を踏みつけ杖を手にとりへし折る。今度は顔を思いっきり踏みつける。どうやら気絶したみたいだ。
袖から木の板を取り出す。来る前に厨房から失敬したまな板を切って入れておいた。これでガードすればダメージは抑えられる。
避けていたのだってワルキューレをギーシュの目の前からどかせるためだ。転がったのは一気に距離を稼ぐため。右腕を
押さえたの油断させるための演技だ。ギーシュは銃を安全に、そして確実に当てるための策にまんまと引っかかったのだ。
「私の勝ちだな」
周りが騒いでいる。どうやら私が勝ったのを驚いているようだ。
しかし拍子抜けだな。もっと苦戦するかと思って他にも用意はあったんだがね。
魔法使いと言っても油断していればこの程度か。ギーシュが『ドット』だったというのもあるが。
服から全ての木を取り出す。動きにくくていけない。
このナイフも厨房に返さないといけないな。
しかしさっきの感覚は何だ?銃を持った瞬間あんなに早く動いてあんな短い間に狙いを付けられるなんて。そういえば
使い魔のルーンが光っていたような気がするな。今度確かめてみよう。
とりあえず今は静かな場所に行きたいな。
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