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L・I・A 第08話 - (2007/06/09 (土) 00:08:16) のソース

第08話 イタリア料理を作らせに行こう!⑥ 

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おかしいッ!おかし過ぎるッ!何だこの料理人はッ!?『何者』なのだッ!? 
コルベールは目の前の光景に頭がショートしそうであった。 
自慢じゃあないが自分はこれまで沢山の人間を見てきた。だがッ!誰一人として『病気を治す』料理人など見たことがないッ! 
彼は何者なのか? 
彼は平民なのか? 
彼はメイジなのか? 
彼は本当に料理人なのか? 
コルベールは自問するが一向に答えは出ない。 

「さっ、次の料理に行キマショウカ?」 
そう考えている間にもトニオは出来上がった料理を運んでくる。 
「次はプリモ・ピアット(第一主菜)デス。」 
そう言ってテーブルの上に置かれたのは、 
『キノコのリゾット――――!!』 
『五種類の野菜のソースのペンネリガーテ――――――!!』 

●キノコのリゾット 
リゾットとは米と具をブイヨン(旨味とスゴ味が一杯のダシ)で煮たもの。イメージとしては粒のはっきりしたようなお粥かおじや。 
材料(二人分) 
・米 1カップ(200cc) 
・オリーブオイル 大さじ1杯 
・ニンニク 1かけ 
・椎茸 2ヶ 
・シメジ 1/2パック 
・マイタケ 1/2パック 
・ポルチーニ(乾燥) 5g 
・玉ねぎ 1/4個 
・ベーコン 3枚 
・固形スープの素 1個(本来ナラバブイヨンを作っテ欲シイデス) 
・バター 大さじ1杯 
・パルミジャーノ 大さじ3杯 
・塩、コショウ 適量

●五種類の野菜のソースのペンネリガーテ 
ペンネとはパスタの一種。マカロニの様に管状になっている。ペンの先に形が似ている事からペンネ(ペン先の意)の名がついた。 

材料(4~5人分) 
・ペンネリガーテ 160g 
・オリーブオイル 適量 
・ニンニク 1かけ 
・トマト 小1個 
・ニンジン 中1/4本 
・ナス 1本 
・ズッキーニ 大1/2本 
・新玉ねぎ 中1/2個 
・トマトペースト 小さじ2杯 
・パルメジャーノレジャーノ 大さじ2杯 
・塩、コショウ 適量

「おおォ~~~~またも初めて見る料理じゃのォ~~」 
オスマンが感嘆の声をあげる。 
「学院長サンのはリゾットと言いマシテ、私達の住んでイル所で獲レルお米と言う主食を使ったモノデス。」 
「俺の方は何なんだ?」 
「マルトーさんのはペンネと言うモノデス。さぁ、お二人とモ召し上がッテ下サイ」 
促され、二人は料理を口に運ぶ。 
 ・・ 
 ・・・・ 
 ・・・・・・・・ 
 ・・・・・・・・・・・・ 
「「ゥンンンンンンンまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ!!!!」」 
この上無きが如く、まさに歓喜の雄叫びを上げる二人。 
「こんなッ!こんな食材がッ!この世にあるとはッ!!うますぎブヘェアッ!」 
「学院長(様)ッ!」 
言葉も言い終わらぬうちにオスマンが突如盛大に血を吐くッ!言わずもがな、パール・ジャムの効果である。 
「アヴァッ!ヴェベベベアバババババッ!」 
全身から血を噴き出し、痙攣を起こしているオスマンは、さながら頭の逝ってしまった変態だ。くぐもった声も、もはや人類とは思えない。 
ドグォッ! 
瞬間ッ!彼の胸部が花開いたッ!それはまさに観音開きッ! 
「うめェ――――――――――ゲバァッ!!」 
同時にマルトー親父も臓物を爆発させ、危険なバイオハザード状態である。 
二人の姿は、形容するならまさに『バケモノ』であったッ!! 
しかし次の瞬間には 
「空気がうまいッ!体が軽いッ!肺の調子が良くなっておるッ!」 
「下痢になったり便秘ななったりと最悪だった腹が治ったでよッ!」 
見ているコルベール達も開いた口が塞がらない。いや、正確には少女の方は刺激が強すぎたのか気絶している。 
「トニオ君ッ!君のような料理人ならメイジだろうと平民だろうと関係ないッ!是非とも雇わせて貰いたいッ!」 
「おうよッ!お前ェみてェな奴なら一緒に仕事をしてもいいんじゃあないかと思うぜッ!」 
おかしいッ!何なんだのだ!?このやってきた青年と料理人はメイジじゃあないと聞いたッ!ディテクト・マジックでも変な所は見られなかったッ! 
なのにこの料理は何なのだッ!?

コルベールが悩みに悩み、思考が渦を巻き、虚空へと旅立っている間にも、構わず話は進んでいく。 
「そこの仗助君は使い魔として不自由をかけるかもしれんが、一緒に便宜をはかる事にしよう」 
「あ、ありがとうございますッ!ご迷惑をお掛けしますがッ!よろしくお願いしまッス!」 
かくして、仗助とトニオのよるべが確保された瞬間であった。 
そして、かなり久し振りに言葉を発した様な気がする仗助であった・・・・・ 




その少女はさ迷っていた。夜の闇の中を。 
変な平民を召喚してしまい、その使い魔には契約前に逃げられ、今も学院を、森を、草原を探し回ったが未だに見つからない。 
怒りが込み上げてくる。なんなのよ、このルイズ・フランソワーズに大ッ恥をかかせたくせにッ!変な平民のくせにッ! 
いくら悪態をついても見つからないものは見つからない。服は汚れ、疲れのせいか空腹も覚えてきた。 
「帰ろ・・・・」 
もう今日は諦め、明日に掛けよう。もし、それでもダメな時は覚悟を決めよう。再召喚なりそれとも・・・・・ 
ネガティブになっていく気持ちを抑え、学院へと足を向けたときであった。 
「なんだろう?」 
なんだか学院の方から良い匂いがする。 
「いい匂い・・・・・」 
疲れきった体は欲の赴くままに匂いの源へと足を運んでいくのであった・・・・・・・・ 

To Be Continued・・・・・・
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