■ツッコミ
漫才で、ぼけに対して、主に話の筋を進める役。
石清水は、スルガさんにツッコミを教えようとしているらしい。
■根拠ログ
「今のはまあまあのツッコミです」
素直なスルガさんはそう言われてちょっと困った。
「ツッコミって何?」
「裁判なしに判決を下す魔法の言葉です。
ただし、ルールがあります。1秒です。ボケから1秒。出来れば0.5秒以内に欲しい」
(スルガ編 第二十話)
石清水はスルガさんにツッコミの極意を教えていた。
人間が考えてから体を動かすまで0.2秒かかる。
ツッコミとは、笑いとは、その0.2秒にどれだけ近づけるかだった。
それが石清水の笑いの哲学であった。
「神速を目指してください。神速こそは、ツッコミの基本、そして、極意」
低い声で朗々と石清水は言った。
「ツッコミって何?」
「それは教わるものではありません。自分で気づくものです」
バルコニーのある広い自室の床に足をつけ、右手、左手と閃光を出しながらスルガさんは首をかしげた。
一週間近くたってようやく、自分が何をやっているのか疑問に思ったようだった。
「ねえ、これ何になるの?」
「意味などありません」
スルガさんは瞬間で怒った。閃光が石清水のアバターである小鳥の横を通り抜ける。
避けられてスルガさんは衝撃を受けた顔をした。
「本気で当てたつもりだったのに……」
「今のはいいツッコミだった。だがもう少し、タイムを縮められるはず」(スルガ編 第二十二話)