■踏鳴・震脚
震脚(しんきゃく)とは、中国武術の用語で、足で地面を強く踏み付ける動作のこと。
日本では踏鳴(ふみなり)と呼ばれる。
スルガさんがツッコミの練習をしている内に、武術の形になっていたという。
第三十話でスルガさんのツッコミは神速の域に到達する。
本来、この修業は、10年かかるらしいが、スルガさんは5ヶ月でやってのけた。
逆に言うと現在修行を開始して五ヶ月目らしい。
リプダ曰く、足から血が出ていて、絨毯が回転してねじ切れていたという。
悪代官らを成敗した時も、芝生が回転してねじ切れていたという。
■根拠ログ
天気のいい日。
スルガさんが今日も今日とて髪を三つ編みにして居室でツッコミの練習をしていると、不意に大きな音が出た。
踏み込みの時に体重が乗り、轟雷が落ちたかのような音でツッコミが入ったのである。
しかも、異様に速い。これだ、これだ。これなら小鳥だって落とせるかも。
反復練習してものにしようとあれこれ工夫をした。どうも中腰が重要らしい。
できる。また絶技でもないのに轟雷を起こせる。すさまじい音のツッコミにスルガさんは嬉しくなった。
問題は凄まじい音に周囲がびっくりしてしまうことだ。あと、絨毯が破れる。使いどころが中々難しい。
音が気持ちいい。意味もなく踏み鳴らしていたら、どこをさぼっていたのか小鳥の 石清水がバルコニーに止まった。
「それは 踏鳴 ふみなり ですね。 震脚 しんきゃく 、ともいいます」
「なにそれ?」
「ツッコミの脚の形。最速目指してたら偶然武術と同じ形に」
(スルガ編 第二十九話)
絶技よりもはるかに速く、スルガさんは轟雷の音とともに震脚で肘を突き立てて自分よりも
何倍も大きな大人たちを叩きのめした。
一瞬よりももっと速い神速の、周囲の人間が凝視した上に息を呑む、目の覚めるような一撃だった。
「なんでやねん」
数名が倒れたそのあとで、スルガさんはそう静かに言った。
その手には絶技の使用を阻止する円盤が手にある。周囲が震えた。
(スルガ編 第三十話)
「10年かかる事を5か月でやるのだから凄い、ということですよ」(スルガ編 第四十四話)
一度など足から血を流し絨毯がどうやったらそうなるのか回転してねじ切れていた。
そういえば元代官が攻めてきたのを打倒したときも、芝生が回転してねじ切れていた。
足首の動きになにかあるのかもしれない。絶技、というにはその技は荒々しく、スルガさんが使うと
高速過ぎて美しさもなかった。リプダ、ちょっと残念である。
(スルガ編 第四十五話)