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希望世界への介入者

■希望世界への介入者

希望世界では、放火の仕方や敵の動き方が遅れている。
放火という方法からして、NEFCOのある世界と希望世界ではだいぶ違い、朴訥なやり方だった。

魔法というか絶技があるせいで深く考えることを放棄したのかどうかは不明だが、良くも悪くも希望世界は
直接的に暴力を使う。 そこに放火を用いての政治不安や領主の統治能力に揺さぶりをかけるような真似は
希望世界の住人では思いもつかない。

しかし彼らはそれを行っている。

当然、NEFCOはそういう事を行っていたりはせず、
岡崎の領主と揉めている以上、高速道路建設が出来そうな力を持つ領主スルガさんのいる駿河湾沼津は生命線だった。
会社としてもNEFCOは、希望世界のためにあり、それはちっぽけな善意だが、だからこそ本気でやっている。
それは上の方も同じだという。

であるならば、NEFCO以外に窓を通じて、希望世界に介入している介入者がいることになる。

そう木林は推理し、それを荒木に伝えた。



■根拠ログ
「ああ。放火の仕方や敵の動き方が、遅れている……というか、放火という方法からして、朴訥な向こうのやり方と
大分違った。魔法というか絶技ってやつのせいで深く考えることを放棄したのか、良くも悪くも希望世界の住人は
直接的に暴力を使うもんだ。放火で政治不安や領主の統治能力に揺さぶりをかけてくるような事はしない、
いや思いつきもしないだろう」
あれ、まさか俺黒幕と見られている? と荒木は慌てた。
「NEFCOは放火をけしかけるようなことはしてませんよ。
というよりも、NEFCOにとって駿河湾沼津は生命線です。岡崎の領主と揉めている今、高速道路を建設できそうな力を
持つ領主はどれだけ問題抱えていてもあそこのあの領主しかいない。
むしろNEFCOは存続のために若手社員の一人や二人喜んで差し出しますよ」
そもそも、荒木は今もたまにあのお立ち台に登って猫を身体にぶらさげた巨人と話をすることがある。
触れ合うこともできない間柄なれど、友人のつもりだった。とはいえ、それを正直に言える荒木でもない。本音は隠すのである。

「ん? あの 石清水くんという人物なら、いや、そっちは心配してない。あれは希望世界の味方だろう」
「会社としてですよ。NEFCOは希望世界のためにある。ちっぽけな善意だが、だからこそ本気で我々はやっている。
それがNEFCOです。いや、今となっては僕は部署移動してますけどね。いや、それでも」

「信じていいか。あのお嬢さんたちの不幸な顛末を見世物にするようなことはないか」
「ありませんよ。もちろんこれは上の方も同じです」
木林は腕を組んだ。
「だとすれば、誰かが我々とは別に窓を開けてやり取りをしている」
虚を突かれて荒木は顔をしかめた。木林は頷いた。
「もう一ついるんだよ。希望世界に介入している連中が」
(スルガ編 第三十八話)

最終更新:2017年02月05日 00:18