■窓
第四十九話で、駿河湾沼津の窓は閉じられている。
■根拠ログ
”窓”があった。あれを使えばいい。それで空を飛んで慌てて”窓”のあった通りに出た。
もう何年も雨がない坂道は土埃が酷かったが、”窓”のあった一角だけは綺麗になっていた。
街の見栄のために、スルガさんが絶技で掃除したのである。動く箒がまだ数本あって、それですぐに場所を判別できた。
降り立ち、”窓”のあったあたりを見る。
”窓”が、ない。
驚愕していると、坂道を登って見知った半巨人が近づいてきた。石材を抱えたヌマヅさんだった。
■駿河湾沼津
■根拠ログ
”窓”があった。あれを使えばいい。それで空を飛んで慌てて”窓”のあった通りに出た。
もう何年も雨がない坂道は土埃が酷かったが、”窓”のあった一角だけは綺麗になっていた。
街の見栄のために、スルガさんが絶技で掃除したのである。動く箒がまだ数本あって、それですぐに場所を判別できた。
降り立ち、”窓”のあったあたりを見る。
”窓”が、ない。
驚愕していると、坂道を登って見知った半巨人が近づいてきた。石材を抱えたヌマヅさんだった。
■動く箒
■根拠ログ
街の見栄のために、スルガさんが絶技で掃除したのである。動く箒がまだ数本あって、それですぐに場所を判別できた。
降り立ち、”窓”のあったあたりを見る。
■大妖精
窓を開いた猫の歌は、大妖精も知らないという。
トヨタさんくらいだろうか。
大妖精であるスルガさんは生まれる時に、なにかしら焼き付きと呼ばれるものを受けているようだ。
記憶に関係するものだろうか。
■根拠ログ
でもそんな絶技を使えば領主であるスルガさんにすぐ分かるはず。
それに、そもそも”扉”はさておき”窓”なんて中途半端な絶技は大妖精も知らない。
スルガさんも生まれる時に焼き付きを受けていなかった。
■リューン
■根拠ログ
そして”扉”を開くには、この地のリューン量は絶対的に足りない。
ニホンが閉じたのか。いや、ニホンに絶技はない。
■第47話から半日後
「別れを告げて行ったの。半日前くらいに」
「あー、アタシの前からいなくなる時は挨拶もなかったから、少しは成長したのかね」
■スルガさん
■根拠ログ
「とにかく、絶対に、許しません」
「恋ってやつ?」
「違います。私は……領主なんだから」
以前に逃げ出した部下を追わなかったことは、この際無視した。
もっとも、恋愛の感情があるかというと、それも微妙だった。
恋愛という概念がスルガさんには育ってない。
彼女が恋という概念を理解する、腑に落ちるのは何年もあとの話だった。
今はただ、悔しいだけである。あとは、寂しい。
■大地巨人
■根拠ログ
抱き着かれるのは慣れておらずヌマヅさんは赤くなった。が、すぐに持ち直した。
もとよりヌマヅさん、大地巨人は漢気溢れる巨人だったのである。
「よし分かった! まかせな!」
■ヌマヅさん
■根拠ログ
抱き着かれるのは慣れておらずヌマヅさんは赤くなった。が、すぐに持ち直した。
もとよりヌマヅさん、大地巨人は漢気溢れる巨人だったのである。
「よし分かった! まかせな!」
ヌマヅさんは立ち上がった。
「ま、手伝うって言った手前もある。使者になってやろうじゃないか」
■第47話から一月
■根拠ログ
誰か、こちら側の誰かに頼んで窓を閉じて貰った、というのが妥当だろう。それなら分かる。
その誰かに窓をまた開いて貰えばいい。
この結論に至るまで、ひと月程掛かった。その誰かがこの街の者でないのは確かである。
ではどこか、 NEFCOからもたらされた情報によれば、西にオカザキという場所があって
そこは人間が治めていて、大きな街があるという。
■エビナ
■根拠ログ
一方で東にはエビナという街があり、こちらは大妖精が治めているとのこと。
人間は絶技を使えないので”窓”を開くとすればエビナであろう。
使者を立てて問い合わせしようと思ったのがさらにその半月後だった。
エビナまでは危険な旅になる、人間の使者を送るのは難しい。
ヌマヅさんに頼もうと思っていたら、そのヌマヅさんから推定を否定する言葉が出た。
■第47話から一ヶ月と半月後
■根拠ログ
一方で東にはエビナという街があり、こちらは大妖精が治めているとのこと。
人間は絶技を使えないので”窓”を開くとすればエビナであろう。
使者を立てて問い合わせしようと思ったのがさらにその半月後だった。
エビナまでは危険な旅になる、人間の使者を送るのは難しい。
ヌマヅさんに頼もうと思っていたら、そのヌマヅさんから推定を否定する言葉が出た
■大妖精
■根拠ログ
「大妖精としては、戦争はしないし、他都市にちょっかいを出すこともないでしょうね」「なんでそう言い切れるんだい」
「今生き残っている大妖精たちは戦争に勝った者たちじゃないもの。
戦争に参加しなかったから生き残ったというべきかな。
戦争をしようとせずに領地を守って逼塞して、さらに戦略的価値がなかったところが生き残っているの。
戦争をしないことで利益を得た者が、そんなに簡単に自分の成功体験を捨てようとはしないと思うけど」
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