■エビナの領主
エビナの領主は、大妖精らしい。
エビナの領主は、使者の往来では時間がかかり過ぎると判断し、エンシュウのラコー姉妹の片割れ
使者としてラコを送った。
エビナでも駿河湾沼津と同じように、幻想交流ニホンとの接続が途切れているようだ。
エビナは、ニホンに戦闘騎が出てきている事については、知らなかったらしく
NEFCOの誰かと仲が良いのか。 動揺しているらしい。
スルガ編 第五十話で、スルガさんと共に、オカザキへ向けての道を作る為協力する。
■根拠ログ
「エビナからの使者だよ。使者の往来では時間が掛かり過ぎるだろうってさ」
「こちらでも同様です。今から二か月前に突然連絡が途絶えました」
「 NEFCO ネフコ と、ニホンとの連絡が取れなくなったの。そちらでは、どうかしら」
「こちらでも同様です。今から二か月前に突然連絡が途絶えました」
ヌマヅさんは庭に寝転がって顔の位置を合わせている。あなたはしっかりしなさいと
ヌマヅさんに言いたいが、正直それどころではなかった。
「こちらでは別れの挨拶がありました。慌ただしいものでしたが」
スルガさんはそう言って、小妖精の反応を見た。小妖精はびっくりしている。演技にも見えないから
エビナはそういう情報を持っていなかったのだろう。
外れたかなと思いつつ、スルガさんは内心の落胆を隠して口を開いた。
「ニホンで戦闘騎が出たと」「えー」
小妖精のラコはそう言ったあと、何度も頭を下げた。
「失礼しました。今のは姉の言葉でした。でも、私の主様もだいたい同じような反応をしています。
ニホンにはそういう生き物がおらず、作る絶技もないとおっしゃっています」
スルガさんは頷いた。
「私もそう思います。でも、今の事は事実です。絶技を使って証言しても構いません」
ラコはスルガさんを見上げた後、小さく羽根を震わせた。
「作ったのではないとすれば、送ったのでしょうか。
二ホンに何かを送るだけのリューンを持つ領地があるのなら、我々の脅威ですと主様はおっしゃっています」
ラコの向こうにいる何者かも、激しく動揺している様子が見える。
「そ、そうですね。我が主も俄かに大慌てで大変デス! あいた。あ、今姉が小突かれました」
案外エビナさんの方にも同じような事があるのかもしれない。NEFCOの誰かと仲がいいとか。
いや、それはいい。今は考えても意味はない。
「エビナも全面的に協力します。道づくり、やりましょう。そして一刻も早く、NEFCOに連絡を!」
「ええ」
顔も合わせてないのに友達になれそうだと、スルガさんは苦笑の中でそう思った。
道を作らねばならぬ。何年掛かるか、分からないけれど。
(スルガ編 第五十話)