2008.06.05 03:20
水上 える
「もしもし、あ、山田? ちょっと風邪引いたみたいなんだわ、今日休むって言っといてくれる?」
「おう、水野。てかこんな時期に風邪なんて引くかあ? 絶対ズル休みだって疑われんぜー」
「え? 昨日あんな冷たい風の中おまえと原チャリで走り回ったせいだと思うんだが」
「は? 昨日? 昨日はおまえと駅前の喫茶店でどの胸が最強かをヌルい討論してたじゃんか」
「いや……あれ?」
「おい大丈夫かおまえ。もう6月だぞ、5月病も治る頃だろうが」
38.7度の体温計をぼんやり見ていると、何かが頭の隅で高速で駆け抜けていった気がした。
「あ……昨日、そうか。そうだよな。喫茶店で……いや、熱でぼけてたみたいだ」
「ふーん。じゃあほんとに風邪くさいな。まあしっかり寝て養生しろや。教授には言っとくよ」
「ああ、うん、頼む」
記憶が――
「おい、水野、しっかりしろ。んだよ、風邪どころの騒ぎじゃねーぞ」
水野の後頭部には縦に1本亀裂が走っていた。
なんだかわからない、白い粘液がそこからどろりと出ている。
「救急車呼んだからな、意識あるか? おい」
「さなぎが――食べられたんだ、寄生虫に。僕はもういない――」
部屋の窓が開いていて、揺れるカーテンの向こうに鳥とも蝶ともつかない黒い何かが、
ゆっくりと羽を開いて、夕方の赤い空に飛び立っていった。
モモと
完全変態ですか。本当に完全変態じゃないですか。
もう変態とかそんなもの問題じゃない!06/05 20:52
野良(--)
冷たい風って繋がりが文章的にはけっこう厄介なんだよな。
風が冷たい、とできれば自然になるのに、ってときがけっこうある。06/05 22:29
ミカヅキX
宿主が生き残っているのが、味があっていいですね。06/06 00:21
最終更新:2009年10月05日 00:41