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える『お似合いのカップル』

2008.06.05 04:44

水上 える

「おはよう、幹都くん」
「おはよう、香流ちゃん」
朝の通学路を仲睦まじく歩く。クラスでもお似合いのカップルだと言われている2人。
「宿題やってきた?」
「うん、もちろん」
「私、1問だけわからない問題があったの。始業前に教えてくれる?」
「ああ、いいよ」

萩原幹都。16歳。男。
細身の長身に二枚目のルックス。遠視のため読書時は眼鏡を着用。
成績はほぼ学年10位以内をキープ。
バドミントン部所属、運動神経良し。長身を活かした高速のスマッシュには定評あり。
趣味はプログラミング、少々オタクぎみ。

仲河香流。16歳。女。
一般的な美少女とはいえないが、瞳が大きく印象的な顔立ち。スタイル普通。
成績は中の上程度だが、頭の回転が速く、おそらく口げんかをすればクラス一。
だが攻撃的な性格ではないためその回転のよさは仲裁に役立つことが多く、クラスメイトの信頼は厚い。
趣味はパンダグッズ収集。

「あ、そうだ、こないだワロス通りのメッサ洋品店に、パンダ柄のパジャマが売ってたよ」
「え、ほんと? じゃあ今日の放課後一緒に行こう?」
「うん。あーでも、ちょっと年上向けのデザインだったかも。
 もっと女の子は、ふりふりひらひらの方がいいよね?」
「そう? でも私、あんまり女の子っぽい服似合わないんだよね」
「そんなことないと思うけど?」
「えー?」
「じゃあ今度の誕生日、僕が君に一番似合いそうな服をプレゼントしてあげる」
「プ。なにそれ。あー、それでウェディングドレスとか贈ってくれたら笑える」

いつも通り普通に談笑し、放課後には2人でその店に行って、散々迷ったあげく香流は買わずに店を出た。
「あーもうちょっとふかふかっとしたパンダだったら絶対買いだったんだけどなー」
「ちょっと性格悪そうなパンダだったね」
「そーなのよ!デザイン会社に抗議したいわ」
幹都は香流を家まで送り、そしてお互い手を振った。
「また明日ね」
「うん、また明日」


「幹都。まだ何もつかめないのか」
「そんなに早くは無理だよ、父さん」
萩原家の居間。険しい顔の父親と、投げやりな顔の幹都。
暖かいはずの室内だが、冷たい風の吹いているような空気。
「理由をつけて家に入ってしまえばいい。そのくらいおまえなら簡単だろう」
「レディにそんな無粋な真似はできないね」
「何のためにおまえを養子にもらってやったと思っているんだ」
「だから、時間さえくれればちゃんとやるよ。仲河の家から例のデータと証拠品を持ち出す」
「そう何年も待つ気はないからな」
「わかってるよ。僕の命にかかわる問題だからね」


「香流さん、首尾はいかが?」
「お姉さま。ごめんなさい、まだ時間がかかりそうです」
仲河家の香流の部屋。姉が仁王立ちして、香流を見下ろしている。
「そう。お母さまはもうさなぎになってしまわれたわ。中であなたのことをあきれているでしょうね」
「必ず、必ず手に入れてきますから」
「時間がないのよ、この役立たず」
「ごめんなさい」
「あの忌々しい萩原の、違法な子供の血液がなければ、お母さまは羽化できないのよ」
「わかっています。でもガードが固くて」
「言い訳など聞きたくないわ」


「おはよう、幹都くん」
「おはよう、香流ちゃん」
2人は今日も笑顔であいさつを交わす。
その背後にあるさまざまな感情を自分たちでも理解できずに、押し殺したまま。

――――――――――――――――――――
ラブコメを書こうとしていたはずなんだが……


モモと
青春かと思った瞬間にこういう落とし方をするんですか…
えるさんのどS-!06/05 20:53

野良(--)
互いは互いを認識していないのかな?
それともわかっていて仲良くしている?
ちと判断が難しいな。06/05 22:34

ミカヅキX
少年少女向けには、分かっててっていうのがいいかな。で、二人の青春ラブラブパワーで世界を救うみたいな。個人的には、ばれた後も知らぬそぶりで騙しあう二人がいいですね。06/06 00:20

水上 える
相手の裏を本人たちがわかってるかどうかは、とりあえずわからないように書きました。。自分でも決めかねていたので。。。
騙しあいは書いてみたいですねえ。青春ラブラブパワーは…私じゃ書けないなあ( ̄∀ ̄06/06 02:56
最終更新:2009年10月07日 19:05
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