2008.06.09 22:45
野良(--)
さなぎの中に私はいる。
わかるのはそれだけだ。
目が溶けているから見ることはできないし、
耳も溶けているから聞くこともできない。
鼻もないから匂いもわからないし、
体がないから動くこともできない。
あるのはただ意識だけ。
高速で流れるどろどろの液体が「私」を形作っていくのを、
私はただ静かに待っている。
膨らんでいく、楽しい夢。
いろんなものを見て、いろんな音を聞いて、
いろんな香りを楽しんで、いろんな場所に行く。
ああ、なんて楽しそうなんだろう。
眩暈がしてくる。どうやら、目ができたみたいだ。
流れる音も聞こえてきた。肉の匂いも、ぬめる感触も。
ああ、もうすぐだ。
私の思いに答えるように、さなぎの殻が割れていった。
大量のぬめりと共に、私は下へと落ちていく。
ああ、楽しみだ。最初に見るのはどんな人だろう。
どさりと落ちる、小さな痛み。
肌に感じる、冷たい風。
開いた目に映る、男の人。
ああ、よかった。ちゃんといた。
私、とっても楽しみにしていたの。
だって、できたばかりなんだもの。
だから、はじめて見た人が、
「おはよう、おにいちゃん」
おいしそうで、とっても嬉しかった。
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ブームに乗り損ねたなぁ。
ミカヅキX
早産のため、どろっと溶けて欲しいです。
巨神兵みたいに。06/10 00:33
最終更新:2009年10月07日 19:57