2008.05.10 05:01
水上 える
「頼む!死なせて!死なせてくれ!」
「だめですよおじさん!危ないから!そここえちゃだめ!」
ビルの屋上でもじゃもじゃにひげのはえた浮浪者みたいな中年に抱きついて彼は叫んでいた。
たまたま柵をこえようとしていたのを見てしまったのだから、とめないわけにもいかなかった。
きっと衝動的に死にたくなったのだろう、盲目的な人間はそういうものだ。
「死にたいんだー!」
「そうだおじさん、角砂糖あげるから落ち着いて、ほら、ね」
彼は数日前に喫茶店で、使わなかったのでこっそりポケットに入れていたパック入りの角砂糖を
パックを裂いてその中年の口に突っ込んだ。
「甘いもの食べると落ち着くから、ほら」
「こ、こんなもので俺は、死にたいのに、だって」
「はいはい、食べた食べた」
と、中年は唇をむにゅむにゅさせて、顔をしかめた。
「うわっうわっ甘っ!甘ーーっ!殺す気か!」
彼に向かって盛大に唾を吐きながら叫んで、そして自分で矛盾に気づいたようだった。
「で?おじさん、死にたいの、死にたくないの、どっちなの」
「……わかんない。もいっかい考えてくるわ」
「あとおじさんね、このビルの高さじゃ、落ちても相当打ち所が悪くなければ死ねないから。
痛いだけで損するよ。ちゃんと調べてから死ぬように」
「そうか。わかった。忠告ありがとうな、坊主。助かったよ」
そんな楽しい日常。
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もじゃ。。。
野良(--)
やりたいことはわかるが、角砂糖で殺す気か、は無理があるな。05/11 20:21
水上 える
甘いものが苦手なひとには、角砂糖まんま食べはけっこう殺人的な甘さだと思うんですが。。05/14 01:41
最終更新:2009年10月23日 03:01