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幽水晶 「大変迷惑な特典つき」

2008.03.24 18:22

幽水晶


「当選オメデトウゴザまい~ス!!」

 片言と甲高い声の不協和音に少年の意識は覚醒した。
 それは、夢の中で夢と自覚する瞬間。ぼんやりとした浮遊感から眼を覚まして、少年はぱちりと瞬いた。真っ暗。そう表すのが相応しい空間に少年は座り込んでいた。今までどんな夢だったかなど覚えていないが、こんな空間に座り込んでいるという事実から言っていい夢とは言い難いものだったようだ。夢の中だというのに、きっちりと目覚めながら少年はまだ上手く動かない頭のまま、辺りを見回した。

「……なに?」

 誰、と口について出なかったのはある意味正解だったのかもしれない。それは非常に奇妙なものだった。

 だって、ピンク色の、ひらひらした、妙に布の少ない服をつけた生き物が、踊り回っているところに、誰なんて声をかけたくない。

 ああそうだ、アラビアンナイトだっけ。そんなのに似ている。少年は漠然と思った。同時にすぐ夢から目覚めたくなった。夢は無意識の願望の表れというが、あんなものを望んだ覚えはない。むしろ望んだ段階で憤死したい。
 この夢からはすぐに覚めるべきである。少年が断定したときだった。
 ひらひらが話しかけてきた。

「オメデトウござマイス!!お客様は当夢の13994番目の来訪者となりシマタ~!!」

 なんだその中途半端な数!!そして語尾の順番を間違えている。突っ込みたいところがいくつも出てきた。無視だ無視。少年は心に誓う。先刻自分は口なんてきいていない。夢なんだ。喋る必要なんてないんだ。
「あ、申し遅れシマタ。私、夢教会の夢魔・No.107号でござマイス。どうぞお見知りキオヲ」
 夢魔と名乗った少女――少女なのだろうか――はにっこりと笑って白い紙を差し出した。
 もちろん少年には受け取るつもりはない。しかし、少女は気にする様子もなく、ぺらぺらと続ける。
「ここは漆黒悪夢13番地でござマイス。最近制御不能になりシマて立ち入り禁止になっていたスンが……」
 少女の眼がキロンと光った。気がした。
「本来なら、ノーウェルカムなのですが、お客様がアレというならアレで通スマシ。どうしスマカ?」
 語尾の間違いには少しは慣れたが、のーうぇるかむにまで対応をしなければならないのだろうか。少年は少しだけ情けなくなった。早く目覚めよう。これは夢だ。しかも悪夢。
「お返事がないのでしたらイエスということでアレにスマシよ?どうしたらよろしいべ」
 べ!?べって何!!??
 少年は決心した。アレなんてものは何か分からないし、もうどうでもいいし。ここは一刻も早く目覚めるべきだ。てゆーか、神様、どうか目覚めさせてください。一生のお願いです。
 こんなところに一生のお願いを使うのは何かとっても哀しいものがある。だが、少なくとも、この夢から逃れられるならそれ以上の幸福はない。
 そんなことを考えている目の前で夢魔は彼の手を引っ張ろうとしていて、しかし少年の意識はどんどんその場から遠ざかっていって……。

 目覚めたときは既に朝だった。
 少年は一人、安堵の溜め息をついた。何故だろう。どんな悪夢を見たときよりも心臓がばくばくして汗をかいているのは。
 ――気持ち悪かったからだよな。うん、きっとそうだ。

 しかし。

「お客様~?どちらへ行くのスデカ~?」
 あの間の抜けた声と、ピンク色のひらひらが少年の瞼の裏側に迫ってきていた。

                                *

 はい。ギャグにしてみようと思って見事に失敗しました。不完全燃焼……。
とりあえず、夢魔から逃げられないお話です。夢魔の喋り口調とか、ちょっと無理がありました;;
夕さんに便乗してみたんですが……シリアスに行ったほうがよかったかなぁ?



野良(--)
なるほど、こういう方向にもっていけるんだ。俺にはできない発想だなぁ。
内容的には展開のさせ方次第ではよいギャグになると思う。
ただ、文章の方が気になった。
どうも読んでいると意味的に重複していたり、逆に足りないものがあるように感じられる。
夢魔の描写とかね。最初の文章で少女ではなく、もっと奇妙な生き物かと思った。
ミステリでミスディレクションのためならともかく、一発目の印象はわかりやすく書いたほうがよいと思うわ。03/25 19:36

幽水晶
はう……痛いところをつかれてしまった;;
これは完全に私の語彙不足です。文章を書く人間としてボキャ貧はいただけないですね……自分。
勉強します。ここらへんは書くよりも勉強します。
そして、なんか最初に書こうと思っていた部分からだいぶそれていたことに今更ながら気がつきました。ずーん
もう一個くらいは書きたいので、その時はきちんとした文章で臨みたいです。うう……

あ、ちなみに皆さんは一度考えた文章を忘れないようにするために何かしてますか?
私は頭が弱いのですぐ忘れてしまって……やっぱり紙に書き留めておくべきかなあ?03/25 21:14

水上 える
やばい、この語尾ツボにきた( ̄∀ ̄)シマタ~
ひらひらが少女になってるのはたしかによくわからないですね。

文章、忘れますねーー。私は紙に書く派ですが
芸人さんや作詞家でボイスレコーダー使ってる話を聞いたことがあります。
最近はケータイでも録音できるし、使ってみると便利かもしれないですね。03/26 17:42

abendrot
忘れたものについては、忘れたことすら忘れることにしています。だからいつも、何か忘れたような感覚に苛まれてます。今日も会社にペットボトル忘れてきました(阿呆

「長文やっちゃう?」の会が徐々に浸透^^;
んと、ギャグといえばギャグだと思いますけど、この後の展開の持っていき方によっては、シリアスにもなりそうですよね。03/28 23:26
最終更新:2009年10月26日 23:30
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