2008.03.29 01:16
水上 える
「あなたを、断罪します」
そうしてその夢ははじまるのだった。
僕は罰を与えられるのだ。
黒い布をかぶった何者かに囲まれ、僕は黒い台の上に置かれた。
時に、爪をはがされた。
時に、耳を、鼻を、切り落とされた。
時に、指を切断された。
時に、腕を、足を、首を切断された。
時に、腹を開かれ内臓を取り出された。
時に、縦にまっぷたつに体を切り離された。
時に、体中に無数の穴をあけられた。
時に、血肉は花びらのように舞った。
意識を失うことも許されぬまま、僕は自分の体が蹂躙されていくのを黙って見ていた。
物心ついた頃からその夢を見続けてきた。
罪状はいつも明かされない。
しかし、僕はそれをしょうがないことだと思い、受け入れる。
常に罪の意識を抱いて生きている。
それがこの世界に僕が存在することの意味なのだとさえ思っていた。
制御不能の罪悪感にさいなまれ、僕は現実の世界でも自傷癖を持つようになった。
小学校からの帰り道。僕はいつもひとりだった。
内向的で自罰的な性格に加えて、
睡眠不足でもないのに、いつも目の下にクマをつくっていたため
「あ くま」とあだ名をつけられ、なんとなく避けられてきた。
だが大人の前では聞き分けがよく、成績も悪くなかったので別段問題視もされることはなかった。
「君、君、そこの君」
はじめは自分に声がかけられているのだと気がつかなかった。
何度か呼びかけられ、周囲に他人がいないことを確認してから
僕はゆっくりと、声のするほうに顔を向けた。
僕より頭3つほど高い――人間?いや……
そいつはこの春の日差しから身を隠すような、漆黒のローブを身にまとっていた。
ファンタジーの本で読んだ、魔法使いのような格好だった。
それより奇妙なのはその顔だった。
ウサギ。長い耳、小さな鼻、少し出た前歯、黒い毛並みに白い髭。
ウサギにしか見えなかった。その顔が、首から下は人間の形の体の上についている。
「君、夢魔に取り憑かれているね」
そいつは僕にそう言った。
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…こっからどう展開するんだろ…
あえてまた黒ウサギを出してきました。
野良(--)
最初の文章を俺ならもっとグロくしてしまうな(笑
ネタ自体はベタな気がしなくもないが、ウサギにこだわったところはよい気がする。
獣人がこんなんだったら怖ぇだろうなぁ。03/29 16:40
水上 える
うわあ、グログロなのをぜひ書いてください。
まあ、ここは一人称だったので、あえて淡々と痛そうなことを書く感じにしてみました。04/02 01:13
最終更新:2009年10月26日 23:52