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英雄譚:abendrot(夕):野良→夕さん

2006.02.03 23:05

野良(--)

 では感想の例として第一弾をば。

1・読んでいる途中で飽きましたか? 飽きなかったですか?(その理由(飽きた箇所など)も出来れば教えてください)

 どこで飽きた、というより、山場はどこだったんだろう、という印象があるな。けっこう淡々と進む感じなので。もっと期待感を煽るような描写を行った方が惹きつける効果があると思う。

2・話の内容や設定に矛盾を感じた箇所はありましたか? 理解できない箇所はありましたか?

 あくまで日常のよくある出来事として書かれたのだと思うが、それにしてもジルの行動はよくわからない。過去にとらわれる事を良しとしないのはまあいいが、目の前に父親の遺言的なモノがあるのに、それに関する調査の一切もせずに去ってしまうことはないだろうに。酒場の主以外にももう少しいい情報源はありそうだ。あるいは去った後で調べるつもりだったのか。
 ジルと英雄を結びつける考え方もイマイチ納得できなかった。共通点というか、教訓めいたものの感じとり方が違うのかもしれないが。
 全体を通して、けっきょくジルはなにをしたかったのかがわからなかったな。一月も街に滞在しながら、壁を調べることもなくただ見ているだけ。軍の廃屋を見にはいっても、ただ歩いていただけにしか思えない。接近してくる人物を待っていたようでもないし。その割りに手掛かりが手に入っただけで街をでてしまうような気配。人格の主体的な意思というものが感じられなかった。ジルの長いお話の序章、みたいな印象かね。

 以下は細かい部分から。

「そんな理由で街から離れた丘の上に一ヶ月も滞在する人間などいるわけはなかったが~」←これは人間心理的な疑問なのだが、そんな不審な余所者に気軽く話しかけてくれるような一般人というのはあまり想像できないのだが。まぁちょっと俺が考えすぎなのかもしれないが、そういったディティールにこだわってしまうタチなので。

「軍の看板提げてるわりには安っぽい建物なんだよな。」←十年前に戦争があり、その最前線であったはずの町の軍施設が、そんな安っぽいとは考えにくいのだが。

「魔女部隊」←壁に対する説明はされていたが、この魔女部隊というのはまったく触れられていないんだよね。別の話と繋がっていて、そこでされているのかもしれないが、それでも多少の説明はほしかったかな。魔女を捕らえる部隊なのか、魔女を戦力として保有している部隊なのか、疑問が残ったまま終わってしまったので。

「一ヶ月も前から『属さない土地』側にずっと野宿してる人の噂なんてすぐに広がるものよ。」←その割りに一月の間、ジルが酒場で声もかけられないのは妙だ。噂話の中心ならば、視線の一つも感じていておかしくはないだろう。

「アインス王国の国境街グレンツェン。国境沿いにある街の中では、この王国で二番目の大きさを誇っている。」と言われていたが、後のほうでは「辺境の町」などと言われている。この十年で発展したのだろうか? 位置的に辺境ということかもしれないが、だとしても王国二番目の大きさになるにはそれなりの理由があると思うのだが、そういったことを思わせる描写はなかったので、疑問に感じたままだったな。

3・情景は浮かびましたか?

 表現はおもしろいものがけっこうあったな。「脆弱な光は闇を怖がる子供のように、深い夜から逃げていた。」とか「どこまで行っても同じ光景が続き、どこまで行っても同じ光景には巡りあえない。」とかけっこう好きだ。街の全体像、その向こうに道があるとことかはわかりやすい。壁の描写もよかった。ここに一番力を感じたな。
 ただ、全体ばかりで個々の詳細は読み手のイメージに寄っている感じはした。極端な話、ヨーロッパ風でもアラビア風でも好きなようにとれそうだと。一軒だけでも、例えば最初の酒場の内装とかを精密に描写するだけで、(木造か石造りか、一軒家か複数階か、など)それを基準に後のものは想像していくことができると思う。
 こういうことを自分で考えているのだが、掘り下げすぎなのだろうか、と自問することも多々ある。しかし俺の癖のようなものなのだよな。

4・好きなキャラ・場面or嫌いなキャラ・場面はありますか?

 メインキャラはジルとレーテの二人なわけだが、どちらも自己陶酔の傾向を感じてあまり好きではないな。もっと実際に生活してそうな人格の方が好みだ。場面に関しては昼間の街中かな。個人的にはもっと個々の店の詳細な描写をいれて、よりリアリティを醸したいところでもあった。

5・日本語面での問題に関して。

 細かいところをいくつか。場所はどう示せばよいんかわからんので、「」内の元文をCtrl+Fで検索してくれい。

「夜の酒場に必ずいる者たちがそこにいた。」←この文章の「そこ」はなんか妙な気がする。夜の酒場以外のものを示しているような。

「その隣で肩を寄せ合い頬を寄せ合う男女。」←寄せ合う、が重なっているのがなんかバランス悪い感じがした。「その隣で肩を寄せ合う男女。」だけでよさそうだ。

「注意して見ていれば彼が一ヶ月前からしばしばこの店を訪れ同じ場所で飲んでいることに気がついただろう」←注意して見ていれば、という割りに一月はいなければいけないというのは条件として奇妙な気がする。この表現は一見してわかる場合にのみ使うのではないかな。

「小さなステージに上がる女性」←これは文章的なというより俺の主観だが、ステージや伴奏者がいることは酒場の最初の描写で描いておいた方が効果的だと思う。この世界の酒場には標準装備なのかもしれないが、普通はないものとして考えるんじゃないかな、読み手は。

「何歳なのだろうか、年齢を感じさせないその雰囲気は、他の誰よりもこの場に馴染んでいるように見えた。もっとも、この雰囲気を作り上げたのは彼女なのだから、当然と言えば当然のことだ。」←雰囲気という言葉が二回でてくるが、それぞれが別のものを示しているように思える。「この雰囲気」が「この場」を示しているような。というか、当然のことであるならわざわざ書く必要はないだろう。意味のない繰り返しだと思う。

「不思議なことに、彼女の歌が始まると彼は今までしていたこと全てをやめて彼女の歌に聞き入ってしまう。」←「今までしていたこと全てをやめて」だと人物の特定にはあまり役に立たないと思う。酒を飲む動作、とはっきりさせた方が、前段でちゃんとその動作を記述している男のことだと直結しやすい。「彼」ではなく、「青い目の剣士」とかにした方が、誰の事を示しているのかわかりやすいだろう。ここまでほったらかしだったので、「彼」だけだと瞬間に誰だかわからないし。

「何故、彼女はその歌詞に涙を流すのか。」←涙を流す描写を先にしておかないと、イマイチ即座に理解できない。すぐ後にその描写がでてくるわけだが、それを終えてからでもよかったのではないかな、この疑問を提示するのは。

「彼はそんな歌姫を避けるかのように」←避ける、だと言葉の意味的にはじめから近づかないような感じを受ける。逃げるかのように、の方が適切かと。

「声が空間を埋め尽くす。」←個人的な印象だが、街とか道とかの日常風景の中で、空間、みたいな言葉はなんとなくだが違和感を感じる。まぁ人によるんだろうが。

「月の本来の姿がまだ想像もつかない」←これは新月ということなのかな? なにを示しているのかイマイチわからなかった。

「語気が多少強いと感じたのは、彼の気のせいではないだろう」←これだとジルがレーテの言葉を聞いての感想のように思えるが、この場合語気が強かったのはジルだと思うのだが、本人が自分の声を聞いて気のせいだと思うというのはなんか妙だ。

「一人の人間と出会う確立」←誤字。確率だな。

6・正直な感想をお願いします。率直な罵詈雑言、腑に落ちなかった小さな疑問、ナイフのように鋭い指摘、その他なんでも。

 大体言い尽くした気がする。世界観的にもっと広い感じはしたな。ジルは主役にしては特徴がなさすぎるという気も。こういうキャラは得てして個性の強い脇役に存在を食われてしまいがちだ。続き物であるなら気をつけて書いた方がよいだろう。

番外・「ジル」って、やっぱり女性の名前だと思いますか?

 今「風の谷のナウシカ」を見ているが、その親父がジルだった。濁音を含む名前は基本的には男性っぽいんじゃないかね。まぁこれも世界観次第で、その雰囲気が伝えられていれば問題はないだろう。

 こんなところで。合評会を待たずに、直接コメントで返してくれてもよいので。もう少し掲示板を活性化させたいよな。

p.s.
 本文の「レス」ってやつでこの感想を書きこんだが、これってマネージャーのみの機能じゃなくてみんなできるよな?


abendrot
早速の感想、ありがとうございます。
まずはP.S.に関してですが(殴 マネージャーでなくても出来るようです。
ところで、野良さんのレスと私のコメントって、まだ作品を読んでいない人には変に作品のイメージ(偏見?)をあたえてしまう気がします。
出来れば他の人にはその人の感想を一度書いてもらってから、他の人の感想を読んでもらいたいように思います。これ、我侭ですか?



1・山場に関しては、その通りであると思います。
これに関しては、作品全体を通してはじめの「酒場」の雰囲気を貫こうとしたということもありますが、私の中でそれが「=淡々とした雰囲気」という書き方になってしまい、結果、本来私が「山場」として描いた場面まで淡々としたものになったのでしょう。
緩急つけられなかったのは、やはり痛いですね。精進します。

2・野良さんの仰るとおり、この話はこれだけで終わりの話ではないです。続きに長編作品があります(そっちも完成しています)が、この話はこれだけで独立したものとして成立させたつもりで書いたものです。
あくまで、向こうの話があってのこっちなので、謎も多いですし、活かしきれていない設定も多いように思います。思わせぶりにふっておいて、そのままスルーな箇所(「壁」とか)もあります。
それのせいで、余計にジルの行動が意味不明になった節もあったと思います。もちろん、彼の心情や行動の理由について、書き込み不足であったと思います。伝わらない表現を使ったのかもしれません。
感想を読ませてもらい、私はどうも「主体的な意思」を書くのが下手なのだと思いました。

細かい点に関しては、まあ、「続きがあるからなぁ」と思うものもあるのですが、「そういう風に捉えられるのか」というものがほとんどですので、書き方を工夫したいと思います。
個人的には、「なぜ一ヶ月も野宿するの? 宿とればいいのに」と突っ込まれるかと思っていました--;02/05 00:09

abendrot
3・私は、特に場面を詳しく描写しない癖があるようで、おかげで雰囲気を伝えられない感があります。改めて見てみると街を見下ろすところ以外は、ほとんど描写がないです。
そういわれてみれば、アラビア風にも思えますね。気づかなかったです。

4・今更ですが、登場人物ほとんどいないのに、好きも何もあったものじゃないですね。
1でも語った通り、「酒場」小説なので、確かに彼らは「陶酔」の気があったのだと思います。生活臭のない場面がほとんどですし。
リアリティについては、3の「描写極少」にも関係してくるのだと思います。
薄いなぁ、私--;

5・指摘、ありがとうございます。誤字は散々見直しまくったのに、まだありましたね_| ̄|○

6・長編になると、今度はもう完全脇役扱いになってました。「話の視点が彼で、周りでごたごた騒動がある」ような感じ。そもそもそれを書きたかったんですけど、読み返してみるとなんとも貧相な主人公になってしまいました。やっぱり、主人公は読者をひきつけるような魅力にあふれる人物であるべきだと。
分かっているならはじめからそんなもの書くなよ、と、書いてから思いました。

番外・実は、「Jill」のジルだと、女子の名なんです。後、「少女、若い女性、恋人 」という意味もあるようです。このことを知っている人から見ると、どうも女性名にしか見えないそうで。
設定では彼の名は「Sill」なんですよね。ドイツ語の「Silber:ジルベル」からとった名前なんで。
指摘されて、「Jill」の存在に気づいたんです。

言い訳がましい気がしますけど、とりあえず、私の意見です。
野良さんの小説に感想を書く前に感想いただいた上、ずうずうしい言い訳コメント申し訳ないですorn
本当に、ありがとうございます。02/05 00:09

野良(--)
 感想の手順はまぁ、各人にまかせちゃっていいんじゃないかなぁ。こちらでどうせいといっても、どうなるものでもないし。感想より先に本文は読んだ方がいいと思うけど。

1、
 設定があらかじめ決定しているほど、物語に起承転結をはっきりさせるのは難しくなるような気がするな。なにも決まっていなければ好きなように変化させられるところが、あらかじめ決まっているが故にできなくなることは多々あるし。
 逆に、設定によってぴたりとはまって話ができることもあるから面白いのだが。

2、
 背景に深さを感じたので、わからないことはまぁそのうち明らかになるんだろう、と保留するのもファンタジーの読み方の心得のようなものだろうと思う。ファンタジーに限らないかな。
 宿に関してはそういえば疑問に思わなかったな。金がなかったんだろう、とでも思ったのか(笑)勝手な推測なら、追手でもついているのかなとかも考えつく。その割りに普通に街で買い物とかしていたけど。
02/05 22:52

野良(--)
3、
 まぁ雰囲気に関しては、ファンタジーといえばゲーム的なものを勝手に想像してしまう気がするな。今の世代だとなんか機械的なイメージすらありそうだが、俺ぐらいだと昔のドラクエ的なものだ。ある意味背景というのは漫画と同じような処理なのだろう。

6、
 視点をジルからに限定するのであれば、三人称ではなく一人称で書く方がやりやすいのかもしれないな。
 思うに、主人公をよく書こう、と思う心理が逆に印象を薄くしてしまう原因なのかもしれない。あれだ、美女美男は平均の集まりでしかないってやつ。魅力のある人間というのは、どこか際立ったかっこ悪さをもっているんじゃないかな。最初にそこから書いてみればキャラがたつかもしれん。

 人の名前については、それはもう世界観次第、ということにしかならんと思うけどな。現実でJillが女を意味する言葉だとしても、この世界では違う、と言い張ってしまえばいいんだし。言語的な問題と持ち出すと、日本語の慣用句もほとんど使えなくなると思うんだよな。考えすぎか?

 やはりこうやって感想を出し合うのはいろいろ考えさせられてよい。
 もっと活性化させていきたいなぁ。
02/05 22:52
最終更新:2009年12月13日 02:23
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