2006.02.05 02:46
abendrot
1、ディスクロードという街にどのような雰囲気を感じましたか?
題名どおり、「騒がしい街」だと思いました。
ただ、舞台で演じている街を見るような印象もあります。そこで、私なりにそう感じた理由を探しました。それは、登場人物の多さと場面展開の速さ、後は作者から与えられた情報の多さ(結局は展開の速さにつながることですが)にあるのではないかと思います。
作中に入ろうとするたびに、今までのキャラが消えて新しい登場人物が現れ、場面が変わって街の新たな一面を示され、新たなカタカナ語(ユージスとか、ブレイズとか)を理解するのに説明を読む。この繰り返しにより、中々場の雰囲気を感じる暇がなかったように思います。
確かに、「騒がしい」という雰囲気は伝わりましたが、同時に私は「一歩引いている。舞台を見ている」という立場に終始居たように思います。
2、多数のキャラクターがでてきましたが、気に入った、印象に残っているキャラはいましたか?
1に書いたとおり、多すぎてどのキャラも大して印象に残っていないように思います。
あえて言うなら、全員が同じ程度の「重み」を与えられているのかなぁと。
私が感じたのは、一つの大きな話の中で、それに別々の角度からそれに関わった複数の人物を、リレーのように転々と描き分けている小説、というものです。なので、全員が同じ程度の重み。
そう感じてしまってからは、登場人物が個々の者ではなく、大きな流れの一部、パズルの一部のように見えて、「それぞれ魅力的なキャラなのに、印象だけは薄い」というよく分からない状態に陥りました。
ただ、そう考えるとやっぱり、野良さんのキャラって、どれも完成されているよなぁと思いました。(どのキャラも、主役をはれる程の印象を受けました)
3、印象に残っている場面をひとつあげてください。
四章が印象に残っている……というか、いまいち理解できなかったです。彼ら、一体何の話をしているのか、分かるような気もするし、何か理解できていない気もするし、どうも釈然としないものを感じました。(「例年よりも偉いさんに関する~」からはじまるシーンです)なにかの画策をしているようにも見えるんですけど、ただの祭りに関する人事手配の話ですよね? どうも、言葉に「裏」があるような空気を感じました。
4、一本の計画だった事件が含まれていますが、流れは理解できましたか? わからなかった場合、どのへんでわからなくなったでしょうか?
流れに関しては、理解できたと思います。
ただ、事件の落ちは、どうも計画的でないように思いました。誰が何のために、要人の虐殺という「反乱」のようなまねをしたのか。それは感じ取れなかったです。
そのせいなのかもしれませんが、事件に関しては、本当にただ「流れていく」ようなイメージを持ちました。何か残るようなものが(この一連の事件に関することで)あってもいいかな、と思います。
5、文章的におかしい点などがありましたらご指摘ください。表現としてよくわからないなどでもかまいません。
(内容は、大体第一章から順番に書いています)
倒置法、多くないですか? 私が気になったのは、戦闘のテンポを掴むのに、ほぼ毎回倒置法が使用されている点です。一度目や、倒置法と倒置法の間に間隔があいていれば、確かに効果的なのなのでしょうが、二文連続倒置法とかになると、読んでいて躓いてしまいます。
勿論、戦闘シーン以外でも、地の文での倒置法が多いなぁと感じました。
「が」の使い方で気になった箇所が何度かありました。第一章の「ディスクロードの都が南西」とか。(他にも、同じような助詞の使い方は何度かありました)この助詞の使い方って、古典文法ですよね? 前後の文は特に改まった表現でもないのに、この「が」だけ古典文法――どちらかと言うと改まった表現を使用すると、どうしてもここだけが浮いているような、違和感を感じました。
同じように、第二章の一番最初の一文、ここも他とは文体が違っていて、どうも違和感を感じました。後、この箇所、いまいち理解できませんでした。「四の国が一」って、四つに分かれた国のうちの一つ、という理解で正しいでしょうか?
ディスクロードって、国名であるのと同時に、首都名でもありますよね。時々、どっちを指しているのか分からない箇所がありました。第三章の真ん中くらいの、「ディスクロードでは全市に渡り」からの部分が、国としてのディスクロードなのか、街のことなのか、一瞬首をひねりました。
たまに、文章の「誰が」「誰を」が分かりにくいと感じました。例えば、第三章の「ただ、いつもとは少しだけ異なる雰囲気を孕んだまま」では、「誰が」が示されていないので、続きを読まないとその文の主語が分からなかったです。
第四章の後半あたり、「『国誕祭(デュクロス)』の最中だからこそ減らすわけにもいかない」→「最中だからこそ、減らすわけにはいかない」? 「こそ~にもいかない」という表現に違和感を感じました。
第六章、ルイーダの説明にある「佇まい」という単語が気になりました。佇まいという単語は、無機質のものに対する表現っぽくないですか?(建物とか)人に対して使うなら、その人の雰囲気示すよりも、生き方?とか、もっと大きな意味を含んでいるように思います。
第七章後半、地の文で三人称が「プリンセス」というのは、前後の雰囲気とあわない気がしました。
細かい箇所ばかりでスミマセン。
6、この都市に参加させてみたいキャラクターなどあれば考えてみてください。
現状のキャラの活躍をもっと見たいので、これ以上増えるのはいかがなものかと^^;
7、第二段の話を続けるならどのような話がよいですか?
6と同様、現状のキャラが個々で主役を張る話が読みたいです。誰という指定は特にありません。むしろ、全員のを読みたいかも。
8、他、苦情批判罵詈雑言なんでもご進言ください。
ちょっとした気になった点を、各章ごとにあげていきます。
第二章
- 中ほど、「渾身の力に顔を赤らめた」。「赤らめる」と言うのは、照れたり緊張する時の状態を想像します。別に照れてもないし、緊張してもないですよね。イメージなので、私だけが感じるのかもしれませんが。
第四章
- 「茂る若草」亭の描写で、「あえて古い木材を使っ」て作った建物の「構えが真新し」くみえるでしょうか?
- 「昼日中だというのに三割ほどが人で埋まっている」って、別に多くはないですよね。斡旋所をかねた酒場兼宿屋なら、寧ろ少ないくらいではないでしょうか。
- 勇猛祭の説明で、「常日頃人外を目にしている者が見ても、珍しくも恐ろしい」とありますが、常日頃から見ているのであれば、勇猛祭の真剣勝負はけっして珍しくないのではないでしょうか。
第五章
- 花火の代わりに有色の煙蓋弾を使うとありますが、普段、無色無音のものしか打ち上げないのにいつ花火を揚げるのでしょうか。この表現では、デュクロスでは使っていないのですよね?
第六章
- 「勇猛祭」が「戦いのテキスト」になるでしょうか? 皆ただ楽しんでいるだけのように思いました。エドガーの台詞の中にも、「実践では一対一という状況はあまり考えられません」とありますし。
第七章
- 「肉の壁」という表現、デブが隙間なくびっしり並んでいる様子が浮かびました。「肉」という単語のせいだと思います。変な偏見もあると思います。加えて、私がつい先日まで京極夏彦の「どすこい」を読んでいたからかもしれません。(個人的な話ですが)場面を想像した時、ちょっとだけ笑ってしまいました。
「肉」という単語を使わなくても、「人間の壁」、とかでも良くないですか? ちょっとだけ、言葉が浮いているように思いました。
- ガードが飛び込んでくる時の台詞、「こ、これは……」といってますが、コレだけの騒ぎがあったのに、何を今更驚いているんだ、という感じがしました。「これは」の後の「……」で、彼がどんなことを言おうとしたのか、ちょっと想像がつきません。
- シーマの台詞「姫、問題ありません」とありますが、第七章前半では蟷螂におされ気味でかなり問題があったし、その直後の姫の台詞「体を動かせるいい機会」は、同じく蟷螂に襲われている時点で、十分機会があったように思います。
- ローズとリナのやりとりは、それほど「胃が痛くなりそうな雰囲気」を感じませんでした。
これも、細かい点ばかりで申し訳ないです。
全体を通してみていると、この小説の中で、一番のメインは「街を描く」ことにあるのかなと思いました。そのせいか、事件が起こる背景、そのあたりはあまり感じ取れませんでした。
ディスクロードの日常を描くのであれば、この事件は起こる必要があったのだろうか? それとも、こんな大それた事件も、この街では日常の一部なのだろうか? そういう疑問も残りました。
どちらにせよ、読んでいて印象に残ることがあまりなかったように思います。おそらく、事件の背景が見えなかった点と、数多くのキャラがそれぞれに個性を発揮していたので、「全てが地ならしされている」という印象があったからでしょう。
何か、突出したものが一つでもあれば、それに目が行ったのではないかなと思います。
以上です。
野良(--)
1、
騒がしい、というのは想定していた条件でした。特徴を示すために祭の最中にしたけど、騒がしいのは祭のためだとも思われそうだなと投稿してから思ってみたり。
2、
1の回答とまとめて、このお話は確かに街の方を提示するのが目的です。人物の方なおざりに扱われている感じがしたのなら、それは正しいですな。街の設定と同時に、人物の性格をある程度固め、それらを流れの中で活用したのが本作です。正確には一章分だけの中で人物像を明確に提示するのも目的でしたが、やっぱ難しいなぁ。書いてる本人は愛着があるだけに理解しているだけなのかもしれん。なかなか客観的にはみれないよな。こういう機会はやはり必要だ。
3、
感想にいただいた通り、彼らは仕事の人事的な話をしています。裏がありそうに感じるのは、その内容をすべて説明していないからですな。今回の話には無関係だと書かなかったとこですわ。なにしろ全体を説明しようとすると、それだけで一本分ぐらいになってしまう。説明文はこの辺のバランスが難しい。
4、
この事件の方も人物同様、街をアピールするための要素のひとつとしてしか意味がないんでねぇ。事件の背景の方は、作品内の時間経過から考えて全部明らかにするのは無理があったので、あえて展開しませんでした。どうもこういうのを無理やり解き明かしてしまうやり方は嫌いなのだよな。ネタとしては別の話の導入にでも使えそうだとは考えていたけど。
02/05 22:53
野良(--)
5、
倒置法はどうやら俺の癖みたいなもののようだ。戦闘シーンとかの緊張感を出したいと思って使っているようなのだが、多用のきらいは確かにあるな。もう少し効果的な使い方を意識してみよう
四の国が一、みたいな表現は古語なのか。なんか普通に文章で使っていた。確かに四つの国のうちの一つ、という意味で使っています。こう書いてもよかったんだが、なんかやぼったかったのですっきりまとめてみたかったようだ。
この手の表現の不可解さって、作者の知識の偏りから生じるところだな。自分では当たり前のように通じると思っている文章でも、読み手にとってはそうでないことは多々ありそうだ。
国と都市名の区別は確かにつけられるようにしておくべきだったな。これも作者にとってはわかっていることだから省略してしまった感じの箇所だ。
主語を省略するのも俺の癖だな。確かに前後の文章を読まなければ対象がわからないと思うが、逆に言えば前後の文章とあわせればわかるようにはなっているはず。どうも主語が続きものの文章の中で何度もでてくるのが野暮ったく感じてしょうがないんだよね。この辺は好みの問題にもなると思う。前後の文章からも主語が推察できない箇所は明らかに間違いだけど。
佇む、という言葉があるから佇まいを人間に使ってもよいとは思うのだが、確かに一般的には建物とか町全体とかを対象に使う気はするな。立ち居振る舞い、とかでもよかったかもしれない。
プリンセスに限らず、俺の地の文はどうもカタカナ語が馴染まないんだよな。ローブとかマントとかも、無理して日本語と同時に使っているし。ただここの場合は、それより先にリナがローズのことを「プリンセス」と呼びかけているために使っている。明確に説明できる理由はないのだが、その方がなんかいい感じがしたので。
表現の細かい指摘ではあったが、こういうところこそ書いているときには気づかないからむしろ歓迎。互いの知識のためにもなると思うし、こういうことこそ合評会の意義ではないだろうか。
02/05 22:53
野良(--)
6、7、
この街と人物達は生活基盤ができているので、あとは事件を放りこんでやればそれぞれのキャラクターなりに勝手に話を展開できる。
問題は、それが読み物として面白いかどうかなんだよな。
8、
「顔を赤らめた」→これは表現の伝わり方だな。俺としては単純に顔が赤くなったという意味だったのだが、確かに「赤らめた」と書くと違う捉え方をされることはあるか。
「あえて古い木材を使っ」て作った建物の「構えが真新し」い→例えば日本家屋を解体し、その木材を流用して現代建築を作った、みたいな感じ。
「昼日中だというのに三割ほどが人で埋まっている」→ようするに普通の酒場ではない、ということを伝えたかったんだな。なんとなく酒場と言うのはこの手のやばげな連中の仕事斡旋所というのがファンタジーのスタンダードになっているが。
「常日頃人外を目にしている者が見ても、珍しくも恐ろしい」→例えるなら、虎狩りをしている人からみても、ホワイトタイガーは珍しい、という感覚です。カルビと和牛特上カルビの差、でもよし。
花火→普通の街では祭の時には花火を使うが、ディスクロードでは日常的に煙蓋弾を打ち上げるので、花火は使わない、という意味で書いています。わざわざ花火と出す必要はなかったかな。
02/05 22:54
野良(--)
「勇猛祭」が「戦いのテキスト」になるでしょうか?→ボクサーが他者の試合を見る程度には参考になるでしょう。もっとも、そういう風に見ている者はほとんどおらず、皆楽しんでいるというのもその通りで、そういう風に描きました。
「肉の壁」→これは京極に文句言ってもしゃあないもんなぁ(笑)俺の「肉」のイメージは「血と肉と骨」という感じなので、さほど違和感ないんだよね。「人間の壁」よりも「肉の壁」の方が、よりモノ扱いという感じがするだろうし。
「こ、これは……」→闘技場の構造を説明できてなかったからなぁ。貴賓室に至るまでの通路は、建物の中を通っていて、外で見ていたときに貴賓室に剣を撃ちこまれた時点でガード連中は移動を開始していました。ゆえにその間になにが起きたかは知らなかったわけで、入ってみたらでっかい蟷螂の群が人を喰っているような場面に驚いた、というところです。ややこしいな。
「姫、問題ありません」→シーマにとってはこの程度の状況は「問題ない」レベルだという意味をこめています。そして彼がそういうのならば、ローズが体を動かす必要はないと。さすがにこの背景をこの会話だけから読み取ってもらうのは無理か。普段の彼らの様子があれば少しは納得してもらえるんだろうけど。
ローズとリナのやりとり→うーん、もう少し緊張感を演出した方がよかったかな。異常な状況での平然とした会話をもう少し強調した方がよかったかもしれない。
全体的な印象は概ね意図通りに伝わったようです。この程度の事件が常時起きている街、が主題の話でした。事件の終わり方はもう少しなんとかした方が読後の爽快感はあったかもしれないなぁ。ちょっとリアルさを演出しすぎたか。
今さらながら、感想ありがとうございました。
このコメントに対しても、またさらに追加で言いたいことなどでてきましたらまたお書きくださいませ。
02/05 22:55
野良(--)
追加(というか入っていなかった)
「『国誕祭(デュクロス)』の最中だからこそ減らすわけにもいかない」→確かになんか妙な感じはするな。これより前に「~わけにはいかない」に近い意味の言葉があるべきなのかな。でも日常会話だとこういう表現ってときおりするような気もする。そういう流れのつもりで書いたような。
02/06 19:58
最終更新:2009年12月13日 03:16