2006.01.08 23:55
野良(--)
くすんだ音が響いた先を、慌てて縁(ふち)から見下ろすと、まず浮いているライがいた。
「ちょっと、無事っ?」
「いでぇぇぇ! は、はやく上げろ。いや、降ろせっ!」
「う~、重いよ~。放してい~い?」
「放すな!」
意味のないやりとりの先、三階分ほど下にある地面の上には、砦から現れた黒衣の者達が動いていた。石牢を破壊した者の仲間だろう。推測と様子からして、やはり当面の敵ではなさそうだ。
その中心には仰向けに落ちたフォルドがいる。広げた四肢に力はなく、いまやピクリとも動かない。
「死んだかな、あれは?」
「これぐらいの高さなら着地できるだろ?」
「半獣基準で言わないでよ」
「油断はできないわ。気を抜かないで」
「……その通りだ。あの程度でくたばるような奴ではない」
会話の中に突然、聞き覚えのない声が入ってきた。振り返れば、黒衣の長髪が立っている。彼らの目の前で屋上を抜けて落ちていったはずだが。
驚く一同を意にも介さず、そのまま一歩踏み出すと、下のフォルドを見下ろした。肩に担いだ両手剣で空を斬り。
「あ、貴方、生きてたの?」
「……宝玉は奴が持っているのだな。早急に奪還しっ?」
飛び降りようとしたその矢先、眼下に闇の球洞が広がった。緊張と混乱の声が、その内から聞こえてくる。
戸惑っているのは上も同じだ。
「なっ、ライ!? なにやってるのよっ」
「俺じゃないぞっ。下の奴だっ」
「……っ!」
舌打ち一つをその場に残し、長髪は闇へと飛び降りた。闇の中で慌しく動く気配が、統制をもって散っていく。
だが、きっともう遅いだろう。
諦めと、奇妙な安堵の気持ちを抱き、ラファルは大きく息を吐いた。
野良(--)
今回も短い。ぼちぼちエンディングに入るので。01/09 00:04
凩 時雨
楽しみにしてますー。01/09 16:25
野良(--)
つか、読み直すと最後の方の情景が伝わっているかどうか。
もう少し文量を重ねるべきだったな。01/09 20:08
しぐれもん
アバウトには分かりますよ。01/12 16:47
最終更新:2010年03月17日 03:17