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ラファル=ベゼリゼの受難・7

2005.12.13 16:58

野良(--)


 羽ばたく鷹をあしらった真新しい杖。
 敬虔なラグリーズ信者(リーズ)の証たるその杖も、任務の印として神務省の小男から拝領されたものでは喜びの欠片もありはしない。
 街門を抜け、道から外れた緩やかな坂を、ラファルは苦痛に耐えるような表情で下っていた。
「あの猫女が首にかけてた宝玉を取り返せば恩赦が頂ける。それはいいのだけれど……」
 後ろに、緊張感の欠片も持ち合わせていない三人と三匹を引き連れて。
「いやー、森に許可つきで入れるなんてついてるよなー」
「マヨがなくなる前に~、帰ってこようね~」
「あなた達は気楽な身分だからいいけど、私には仕事があるのよ。巻きこまないでほしいわね」
「貴方達、もう少し現状を把握しなさいよ! だいたいっ」
 耐えかねたようにラファルは振り返り、内の一人に指をつきつけた。酒場の給仕娘、マッチへと。
「なぜ貴女までいるわけ?」
 向けられた手を払いのけ、酒場の娘も半眼の眼差しを返した。
「わたしだって好きでついてきてるわけじゃないわ。協力しないと店を潰すって脅されたのよ」
 マッチの元にも神務省の一員が訪れていた。混血である彼女を動かすのは、ラファル達に対するよりもはるかに簡単な手段がとれる。
 まさに、今前にしている態度とともに。
「混血なんかと一緒にいられないわ。いい機会じゃない。あのみすぼらしい店と一緒に廃棄されれば」
「なんですってっ!」
「おい、ラフィっ」
「なによっ」
 険悪な空気を阻むように割って入ったライであったが、ラファルの一睨みで勢いを止められてしまう。後はもう、しどろもどろに応じるばかり。
「あ、いや……ほ、ほら、もう森に入るし、静かにしようぜ」
「わかってるわよっ。ナツメっ、一人で先に行かないっ」
 それでも、気勢を逸らす目的は果たせたらしい。ラファルは一足先に森へと分け入ったナツメを追い、緑の道を進んでいった。
 僅かな間をあけ、ライの横を酒場の娘が通り行く。後に続く。
「あー、マッチ?」
「いくわよ」
 憮然とした表情のまま、先行く二人に続くように。昼なお暗い緑の影は、瞬く間にその姿を飲み込んでいった。
「大丈夫かよ、本当に」
 ライは苦笑しながらも、人の縁の複雑さにランフリーへの祈りを捧げながら、草間の道へと歩を進めた。



しぐれもん
微妙にマッチもレギュラーメンバー?12/17 20:49

野良(--)
話の流れからすると無関係で捨て置くわけにもいかないだろう。
当然考えられる流れはなるべく自然に行うのが俺の信条なのでな。
こうやって無駄に人が増えていくのだが。12/19 18:11
最終更新:2010年03月17日 03:41
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