田植え前(通常は耕起前、もしくは代掻き前)に散布する肥料です。
稲作の場合は、ここで散布する肥料が一番多く、その後の追肥は必要に応じて行います。(追肥を行わない場合もあります)
なお、農家などは元肥(もとごえ)と書きますが、農学では基肥(もとごえ|きひ)とも書き/読みます。
田植え直後の苗の活着を良くするための追肥。田植え直後に散布されます。
側条施肥とは、田植え時に、移植する苗(苗を植える条)の近くに施肥を行う方法のこと。
田植え機に専用の機械(アタッチメント)を取り付けて、粒状もしくはペースト状の肥料を散布(注入)します。
側条施肥を行うことで、稲が植わっていない部分への肥料の散布を行わなくて良いため、施肥量が少なくて済むメリットがあります。
但し、専用の田植え機(もしくはオプションのアタッチメント)が必要なため、導入にコストがかかること、また、粒状肥料を使用する場合は、雨天時に田植えをすると(肥料ケース自体はカバーがあるものの補給時などに雨が当たることで)粒状肥料が水分により固まり、肥料が詰まってしまうなどの問題もあります。(ペースト(液体)肥料の場合は、機械の導入コストはかかるが、雨天等の場合でも問題なく作業はできます)
最近は側条二段施肥と言う方法があり、この場合は、条の間近と、少し離れて、且つ少し深めの2箇所に肥料を散布(注入)することで、はじめに近くの肥料が効き、後半は遠くに撒いた肥料が効くことで通常の側条施肥よりも、肥料効果を持続させることができます。
また、有機農業(無農薬栽培)では、側条施肥にすることで、肥料成分が田んぼ全体に行き渡らないため、雑草に肥料分が届かず、雑草の成長が通常より抑えられる効果を得られるという研究成果もあるります。
全層施肥
表層施肥
弁当肥とは、田植え直前の育苗箱に肥料を散布することで、苗と共に肥料成分が田んぼに持ち込まれて活着(苗の田んぼでの根付)を良くするための肥料です。
正式には移植前追肥と呼ばれるようですが、田んぼ自体に散布するのではなく、苗と共に持ち込まれることから、弁当肥とも呼ばれます。
追肥とは、田植え後以降に散布する肥料のことです。
それぞれ追肥を行う時期により、中間追肥、穂肥、実肥と呼ばれます。
なお、田植え直後に散布する根付け肥は、田植え直後であることから元肥の一部とされることもあります。
中間追肥
穂肥
穂肥は、出穂時期の前に行う追肥です。
実肥
実肥は出穂時期から穂が出揃う頃までの間に行う追肥のことです。
実肥を行うことで、しっかりと登熟し、米の粒張りが良くなり、収量を増やすことができる。
ただ、実肥を行うことで、玄米の窒素含量(タンパク含量)が増える恐れがあり、最近では実肥は敬遠される傾向にある。
但し、出穂後の天候が良く高温が続く場合などは、それ以前の肥料が早めに効いてしまっていることがあるため、実肥も有効な施肥となることがある。