アラもう聞いた? 誰から聞いた?
霧雨魔理沙』のあのウワサ!

箒で飛び回る至って普通の魔法使い!好きなものはやっぱりココアのバンホーテン!
泣きながらソバを食べて、何時もの話題はラ―の鏡!
イワナを抱えて右往左往!誰もが声を聞いたらこう答えるの!『霧雨魔理沙』だって!
そんな素敵な魔法使い、嫌いじゃないけど好きじゃないよ!

サラバダー!


「『悪の救世主』『歩くモナリザ』そして『殺人鬼』……やはり、我々以外にも目立つ主従が存在するようだな」

 深夜。郊外の自宅でひとりの『ちょび髭』が、週刊紙を読破した感想を述べた。
 彼の名はアドルフ・ヒトラー。無職である。
かつてベルリンで果てた筈が現代に復活を遂げ、マスターとして参戦を遂げた総統は、慣れぬ現代の日本で情報収集に努めていた。

 かつて聖杯の探索を指示したこともあったが、よもや、こうして聖杯戦争なるものに参加するとは思いもよらなかった。
 いや、そもそも聖杯戦争に参加する前にも時間移動なんて馬鹿げた事態に遭遇しているのだ。そういうオカルト方面はヒムラーの方が適任だが、居ないものを頼っても仕方ない。

「さて……キャスター。君には引き続き噂の収集と宝具の拡散を任せたい。できるかね?」

 ヒトラーは側に座っている自身のサーヴァントを一瞥する。
 童話の魔法使いを思わせる服装の少女は、外見に違わず『魔術師』のサーヴァントだ。
 彼女は貪っていたブラウニーから慌てて口を離すと自身の考えを返答する。

「やっぱりマスターの作る作戦は上手いな。指示がしっかりしていて、それでいてベタつかない。すっきりした方針だ。
 大戦での経験を使用したのかな?」 

 キャスターの珍妙な言い回しに眉を潜めることもなく、ヒトラーは答える。
 スキルによるものか、キャスターとの意思疏通はやや難儀するが、こうした素直な反応は実に好感を覚える。
 加えて、理想とするゲルマン系であるキャスターは、共に戦う同胞として相応しい。
 お世辞にも荒事には向いているとは言えないが、そういう人物を言葉で導くのがマスターである彼の仕事だ。

「それもあるが、物事に必要なのは柔軟さだ。勿論経験も大切だが、それだけでは成り立たないよお嬢さん(フロイライン)。
 大衆を導くにも、まずは情報と物資が必要だ。故にまずはそれを得る必要がある。
 君も私についてはよく知っているだろうが、一人では成せることに限度があるからな」 

 ヒトラーの最終方針は聖杯の獲得であるが、キャスターは直接戦闘には向いていない。よって、勝ち残るには同盟が必須だ。
 話術で政界を支配したと言っても過言ではないヒトラーには大きな自信があった。
 最も、ある大きな問題をクリアできればだが……

「最大の問題は……私がこの街で目立ちすぎていることか」

 アドルフ・ヒトラーのロールはまさかの『YouTuber』であった。
 マスターとして覚醒する前に、既に自身の思想や現体制への指摘を暑く語る動画をアップしてしまっていた。
 それはヒトラーそっくりのYouTuberによる物申す系動画としてかなりの再生数をあげており、見滝原市でのヒトラーの知名度は極めて高いと言える。

 また、それを抜きにしても『アドルフ・ヒトラー』の名前は余りにも有名すぎる。主に悪い意味で。
 そこまで歴史に詳しくない人間でも、彼の顔を見れば一発で名前を言い当てるだろう。教科書にもご丁寧に顔写真つきで載っている。
 必要なことだったとはいえ、あまり誇れる事ではない『作業』に関する実績も、マスターとの交渉では大いに響くことは容易に予想できる。

 さて、どうするか?

 悩むマスターを労ったのか、霊対化する直前、キャスターはマスターに敬礼する。

「さらば愛しの大統領」
「違うぞアーチャー。私は総統だ」

 訂正に関する返答は無かった。


【CLASS】キャスター
【真名】UDK姉貴@クッキー☆BB
【マスター】アドルフ・ヒトラー@帰ってきたヒトラー(映画)
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷B 魔力A 幸運A- 宝具B+

【クラススキル】

陣地作成:ー
第三宝具の代償にこのスキルは失われている。

道具作成:C
 魔術的な道具を作成するスキル。そこまでランクは高くないが、
 UDK姉貴に由来する道具は自由に作成できる(ラ―の鏡など)

【保有スキル】

カリスマ(偽):C
 個人としての魅力、人々を惹きつけるキャラクター性。
 軍団を率いることはできないが、一部の人間を魅了する。

芸術審美:E++
 芸術作品、美術品への執着心。芸能面における逸話を持つ宝具を目にした場合、低い確率で真名を看破することができる。
 美大落ちのためランクは低いが、ドラクエに由来する宝具は高確率で看破できる。

仕切り直し:B-
 サラダバー!
 戦場から逃走する能力。
 某ヴォイスドラマ企画の騒動から一時的に逃れられた逸話から獲得。
 ただし、ターンの巻き戻しは出来ない

無辜の声優:A
 UDK姉貴。
 某ヴォイスドラマ企画とそれを素材としたBB劇場のイメージにより、
 能力・容姿・その他諸々が変質している。
 スキルとしては狂化に近く、UDK姉貴の語録そのものか、それに沿った形でしか話せない。容姿もMMDだったりイラストだったりとコロコロ変貌する。
 このスキルは外せない。 

霧雨魔理沙(偽):EX
 無辜の声優の発生スキル。
 自演によるもののため(偽)となっているが、『霧雨魔理沙』がサーヴァントとして
保持するスキル・宝具をそのまま使用できる。
 また、『霧雨魔理沙』を知る人物から誤認される確率を上昇させる。

【宝具】

『恋符・マスタースパーク』
ランク:A- 種別:対城宝具 レンジ: 最大補足:
 キャスターの演じたキャラ、霧雨魔理沙を象徴する宝具。
 魔理沙としての知名度に引きずられる形で宝具となった。
 八卦炉より放たれるその破壊力は対城宝具に匹敵する。 
 原典と異なり、イワナカッターと呼ばれる光球か、もしくは岩魚そのものを弾幕として発射する事もできる。
 また、下記の宝具で姉妹が揃っている場合はさらに高火力の「トリプルマスタースパーク」を放つことができる。

『UDK姉妹と愉快な仲間たち(マリナーズ・クッキーズ)』
ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:ー 最大補足:ー
 キャスターと同じく霧雨魔理沙を演じた声優たちを疑似サーヴァントとして召喚する。
 彼女らは全員が単独行動と『無辜の声優』を所持し、キャラクターに沿った固有のスキルを保持する。
 宝具としてマスパを持つものも居たり居なかったりする。
 大抵は長女であるキャスターの指示を聞くが、キャラクターによっては暴走する可能性もある。
 召喚の魔力負担は下記の宝具の発動具合によって減少していき、最終的には姉妹のみならずキャスターに縁のあるキャラクターも召喚できるようになる。

『東方合同動画企画(魔理沙とアリスのクッキーKiss)』
ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1000 最大補足:1000
 言うなれば現在進行形で形成される無辜の怪物の強化版。
 聖杯戦争で流布された『霧雨魔理沙=UDK姉貴』のキャラクターの知名度に比例して、聖杯戦争を自身を主人公としたBB劇場として再定義し、侵食させる。
 侵食が高まれば、主人公であるキャスターはあらゆる判定に有利なボーナスを得ることができる。
 ただし、一人歩きするキャラクターの宿命か、侵食度に応じて本家の『霧雨魔理沙』とはイメージが分離していく。
 また、キャスターにとって不利益な設定も自身に取り入れられてしまうため、例えば霧雨魔理沙の死亡説が流布されれば、それに引きずられて消滅する可能性すらある。

【weapon】
『恋符・マスタースパーク』

『無銘・箒』
道具作成で作り出せる。これに乗って飛行できるがライダー時ほど出力は高くない

【サーヴァントとしての願い】
 無辜の声優の削除。現状、そのイメージを拡散しなければ戦えない現状にジレンマを感じている。

【人物背景】
 東方Projectの二次創作動画、「【東方合同動画企画】魔理沙とアリスのクッキーKiss」(通称クッキー☆)にて霧雨魔理沙役を演じた女性である。アカ名は「宇月幸成」。
 淫夢の笛にしてイワナ民の玩具と化した声優であり、美大落ちの縁とアドルフ・ヒトラーと同一視された新説が一定の知名度を得ているため召喚された。

【マスター】
アドルフ・ヒトラー@帰ってきたヒトラー

【ロール】
無職。ヒトラーそっくりのYouTuberとして活動しており、初回から知名度が高い。

【weapon】
『銃』

【能力・技能】
『話術・カリスマ』
演説の天才にしてカリスマ。
アドルフ・ヒトラーの所業を知っている人物でも、不思議と彼に引き付けられる。

【人物背景】
 映画版からの参戦。TVデビューしてブレイクした直後から。
 ナチス・ドイツの総統。アドルフ・ヒトラーその人。世界一有名なちょび髭。
 1945年の自殺後に2011年のドイツにタイムスリップしてくる。
 持ち前の知能の高さから、自分がタイムスリップした事実とドイツの戦後の歴史を理解し、再び政界復帰を目指していた。
 現代知識にも精通しており、自分が歴史上でどういった扱いなのかも理解しているが、根本的な思想は変わっていない。


【マスターとしての願い】
聖杯を獲得し、再び大衆を導く。
最終更新:2018年05月15日 12:53