HDD-DVDレコーダー市場で新たな動きが出ている。最新の8月第2週(8月7日-8月13日)の「BCNランキング」では、東芝のカンタロウ「AK-G300」が、6.6%の販売台数シェアでトップ。地上アナログ放送専用モデルで大手量販店での実売価格が2万8800-9000円と「とにかく安い」(量販店店員)ことに加え、「VHSデッキの代替機として、アナログテレビ放送をデジタルで安く録画したい人が多い」(同)ことが理由のようだ。
「AK-G300」は、地上アナログ放送チューナー1基のみを内蔵。アナログBSチューナーや東芝が別のスタンダードモデル以上で搭載する「2番組同時録画」といった機能を省くことで価格を抑えたモデル。HDD容量は160GBで、最大284時間の録画ができる。
地上アナログ放送しか録画できないが、「地上デジタル放送に完全移行する5年後にデジタルチューナー内蔵モデルに買い換えることを見越して、アナログ放送専用の“使い倒し”機種として購入する人が少なくない」(同)。こうした消費者の動向を受け、「AK-G300」は、「BCNランキング」のHDD-DVDレコーダー販売台数シェアの8月第1週(7月31日-8月6日)に続いて2週連続で1位を獲得した。
●デジタル放送対応モデルのキーワードは「ダブルチューナー」
一方、店頭では「デジタル放送2番組の同時録画ができるダブルデジタルチューナー内蔵機種に人気が集まっている」(同)という声も聞かれた。
デジタル2番組同時録画できる機種はシャープや東芝、日立製作所が発売しているが、3社の中ではシャープのレコーダーが「液晶テレビ『AQUOS(アクオス)』を購入した人が同時に買っていくことが多いため、ほかのメーカーよりも売れている」(同)という。
「BCNランキング」でも地上・BS・CS110度デジタルチューナーを2基内蔵し、HDD容量が250GBの「DV-ARW22」がシェア4.8%で2位、HDD500GBタイプの「DV-ARW25」が2.9%で9位と好調だ。
「DV-ARW22」は量販店での実売価格が9万円程度。「DV-ARW25」は13万円程度。「DV-ARW25」については10万円を切って販売する店舗も出てきている。しかし、まだまだ激安ビデオデッキから気軽に乗り換えられる水準ではない。
ここしばらく1位だったのは東芝のRD-Style「RD-XD71」で、松下のDIGA「DMR-EX150-S」が7月の第5週に1週だけ1位を獲得していた。いずれも5-6万円台で地デジチューナー搭載モデルだ。しかし、ここにきて安価な「AK-G300」が1位に躍り出て、少なくとも短期的には潮目が変わった。もしかすると、これまで様子見を決め込んでいた層が重い腰を上げて、いよいよビデオから乗り換え始めたことの表れなのかもしれない。安くて徹底的にシンプルなビデオ代わりのモデルと、地デジ対応で複数チューナーを搭載する最新モデルという、人気と価格の2極化は、いっそう進むことになりそうだ。
「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。
(2006.8.22/BCN)
最終更新:2006年08月22日 15:11