アットウィキロゴ
KDDIは22日、高速大容量データ通信サービス「WIN(ウィン)」を機能拡充させ、データ送信の速度を現行の12倍超に引き上げる新通信インフラを12月から導入すると発表した。世界初の商用サービスで、IPテレビ電話サービスが目玉。これまで利用者ごとに配信していた番組を一斉配信できるシステムの運用も9月から始める。NTTドコモもFOMA(フォーマ)のさらなる高速大容量化に乗り出すなど、第3世代携帯電話はより大容量のデータを扱う“3・5世代”への移行が始まった。
 KDDIが12月から導入する「EV-DO Rev・A」は、データ受信速度が現行WINの1・3倍の毎秒3・1メガビット、送信速度は12・5倍の1・8メガビットへと飛躍的に向上する。
 東名阪の主要地域からサービスを開始し、来年3月末までに全国主要都市をカバーする予定。設備投資額は約2000億円。第1弾として12月からIPテレビ電話サービスを開始。続いて、ブログ、メールなど高速データ送信機能を活用するサービスを検討している。
 テレビ電話はすでにドコモとボーダフォンが商用サービスを始めているが、データ送信速度が遅くコマ送りとなっているほか、料金も音声通話に比べて割高だ。データ送信速度が向上すればよりスムーズとなるほか、IP電話技術を活用することで料金も抑制できる。
 番組の一斉配信機能では、これまで利用者ごとに異なる無線網を通じて配信していた番組を、同じ無線網で一斉配信できるようになる。大容量の番組を配信できるほか、周波数の利用効率を高めることで運用コストも圧縮できる。
 ドコモも今月末をめどにデータ受信速度をFOMAの9倍超に高める「HSDPA」と呼ばれる通信サービスを導入。送信速度も来年度中に大幅に向上させる予定だ。
 KDDI、ドコモとも新たなサービスを利用するには新たに発売する端末が必要で、利用者が“3・5世代”に移行するには2~3年を要する。だが、韓国や欧州などではHSDPAサービスが始まっており、EV-DOも米、インドなどが導入計画を発表するなど、今年から来年にかけて“3・5世代”への移行が加速することになる。
     ◇
【用語解説】“3・5世代”携帯電話
 携帯電話の規格はITU(国際電気通信連合)によって定められており、現在は第2世代と第3世代が主流。第2世代、第3世代の改良版がそれぞれ“2・5世代”“3・5世代”と呼ばれている。第3世代では音声と動画像データが利用できるようになったが、高速大容量化が進む“3・5世代”は動画像がさらに快適に利用できるようになり、ネットパソコンの使い心地により近づく。双方向性端末としての利用が期待されている。
(2006.8.23/産経新聞)
最終更新:2006年08月23日 10:42