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インターネットで入手した電子データをもとに紙製の『貧相で格好悪いロボット』を作る。そんなジョーク交じりの商品が人気を集めている。仕掛けたのは、フジテレビジョンと、玩具ブランド「太郎商店」を運営するグッズ開発会社ザリガニワークス(東京都渋谷区)だ。
 ロボットの名は、「コレジャナイロボ〈紙グレード〉」。両社が開発・販売を共同で始めたところ、話題沸騰。購入場所へと誘導するフジテレビ運営ブログ(日記風ウェブサイト)「デジタルトイ開発ブログ」へのアクセス件数は、25万件以上に達した。
 消費者の心を突き動かしたのは、職人の息吹を感じる“奇異ないでたちのロボット”だ。
 子供のころ、父親にもらったプレゼントの箱を空けると期待はずれだった、という思い出をもつ人は多いはず。「欲しかったのはこれじゃない」という子供の悲痛の叫びを誘うようなロボットだ。
 フジテレビデジタルコンテンツ局の小池秀樹主任(38)は「バカバカしさを真剣に追求するという切り口が受けたのではないか」と話す。
 真剣さとは、一点一点に心を込めてザリガニワークス社長がロボットの顔を描く点。手作りにこだわった顔は、脱力感を感じるシンプルさだ。
 その斬新さや懐かしさが消費者をひき付けた。限定1000体の第一弾商品の受注を6月に開始以来、「予想を上回る売れ行き」で推移。順次品ぞろえも広げる計画で、9月半ばにはフジテレビのロゴマークを入れた「フジ版」の受注も開始する。
 ロボット発注の仕方はは、消費者がパソコンで開発奮闘記がつづられた「デジタルトイ開発ブログ」を経由し、指定の購入場所にアクセスして制作を発注する。
 両社は注文を受けてから、プラモデルの部品一式を描いたようなデータ「ペーパークラフトの台紙」の制作に入る。顔は“一点もの”のため、完成データを画像ファイルの形でメールで消費者に配送するまでに、1週間から10日程度かかる。
 受け取った台紙データを自宅のプリンターで印刷し、ハサミで切り抜き、のり付けするとロボットが完成する。台紙データの価格は1部500円。
 人気の理由の1つに、ブログを通じて消費者との親近感を醸成した点もある。日々の奮闘記を記して商品に対する期待感を醸成するとともに、ユーザーとの交流を図ってきた。
 「あえてテレビを使わず開発販売した。フジテレビホームページのブランド力だけでどこまでやれるのかという実験的意味合いが強い」
 eコマース(電子商取引)の可能性を探る民放の新しい試みとして、注目を集めそうだ。
(2006.8.25/フジサンケイ ビジネスアイ)
最終更新:2006年08月25日 13:29