リコーは生産時に有害物質が混入するのを未然に防ぐマネジメントシステムを仕入れ先とともに構築した。内外の1次仕入れ先計1700拠点で同社の推進する独自の化学物質管理システム「CMS」の認証が完了した。7月に施行された欧州の特定有害物質規制(RoHS)をはじめ、07年3月に施行予定の「中国版RoHS」などの対応に万全を期す。

 リコーは05年から1次仕入れ先の主要工場や部材を調達する商社などを対象にCMSの構築支援を展開。今回、認定した拠点数は国内1421、中国174、欧州54、米国51の計1700拠点。

 これにより仕入れ先を巻き込んだグローバルな化学物質管理システムの構築を終えた。今後はCMSに基づいた活動を継続するほか、認定を受けた主要工場以外の拠点についても構築を促す。

 また、1次仕入れ先が2次仕入れ先にも同様にCMSの構築を支援できるようにCMS審査指導員を育成する。

 こうした措置により、将来は2次仕入れ先が3次仕入れ先、3次仕入れ先が4次仕入れ先と波及していくことで、サプライチェーン全体に化学物質管理システムを浸透させる。

 CMSは同社が指定した禁止物質が生産時に混入しないようにするマネジメントシステム。仕入れ先の工場単位で認定するもので、実際には同社や関連会社のCMS審査員が取り組みをチェックし、構築を支援している。同社はモールドやプレス、切削など製品に関連する8業種でCMSの基準を策定している。(2006.8.21/日刊工業新聞)
最終更新:2006年08月21日 13:34