ルクス=ハーティリー

 言わずと知れた主人公。一人称は僕。一応の礼儀は知っている。
 魔力があって当たり前。持っていないのは異常とまで言われる程の魔法重視の「魔術学校」に、何の因果か通学している。昔からそのことでいじめやいやがらせを受けていた。お陰で、今の今まで友人らしい友人はいない。そういった幼少時代からの環境もあってか、自分に関しての自己評価は恐ろしく低い。また、時折ひどく自虐的になる。自身については、誰よりも価値を感じていないため、自分の身を鑑みない行動を取ることにもためらいがない。「子供の頃からずっと、あいつは普通じゃない、魔力がないなんておかしいとか言われてたら、こうにもなるよ」とは本人の言。
 座学、体術においては非常に優秀だが、魔術実技は壊滅的なため、結果として平々凡々な成績順位になっている。実技試験の時は、魔素を吸収、蓄積、放出することが出来る「魔力晶」を使用している。それ自体に蓄積出来る魔素の量は微々たるものだが、完璧とも言える魔力運用技術とアイデアでなんとか乗り切っている。

<能力>
 一度でも見た物、聞いた物を瞬時に記憶する「瞬間記憶能力」を持っている。これは「無魔力体質」によって得た「サヴァン症候群」[1]による物だと推測される。
 この類稀な能力によって、ルクスは幼少の頃から読んできた膨大な書物の知識を正確に保存している。「頭の中に図書室があって、取り出した本のページを捲れば、そこに答えは書いてある」とはルクスの言。しかし、比例して思い出したくもない出来事や、忘れたいことすら忘れることは出来ず、その苦しみがなくなることはない。相手の言葉ひとつが、ルクスには一生付いて回ることになってしまう。



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最終更新:2008年06月05日 04:59