3年生の日常~試験前~


3年生
忍、都、龍子、奏、真名

【時期】主人公転校前
【設定】中間試験直前
【場所】3年生教室(都、龍子の教室)
【登場人物】忍、都、龍子


●3年生教室内

試験開始10分前の教室。各々最後の悪あがきをしている、いつもの光景が広がっている。
武僧都もまたその一人だ。

【みやこ】「ぬぅ…、試験範囲がわからへん。」
問題外な事を除いては。

【龍ちゃん】「お前が授業中起きてるところなど、見たことがないからな。当然だ。」
武僧の席に長いポニーテールを揺らし歩み寄ってきた女生徒は、
武僧の席に椅子を寄せると涼しい顔をみせ余裕の笑みを浮かべる。
武僧のクラスメイトの村崎龍子だ。
陸上部棒高跳びのインターハイ出場選手で、成績もなかなか優秀。
気品を漂わせ、傍から見れば完璧な女性だった。
しかし、実際は影でたゆまぬ努力を積み重ねていることを皆は知らない。

【みやこ】「にゃー…、龍ちゃん助けてぇー。」
【龍ちゃん】「お前はいつもそうだな。だいたい、いつもしっかり授業をうけていれば…。」
小言を言いながらも、持ってきたノートを武僧に見せている。
ぎっしりと書かれた内容は努力のあとが伺えた。
それを見ながら、頭を抱えもだえている武僧を見て村崎は優越感に浸る。
【龍ちゃん】(ふっ、今回も私の勝ちだ。)

【忍】「悪あがき。無駄な努力はやめちゃいなよ。」
【みやこ】「ふえぇ、人がせっかく努力してるのに、なんでそんなこと言うん~?」
教室の扉からそういいながら近寄ってきたのは、甲賀忍。
生徒会長で学問優秀、スポーツ万能、容姿端麗、ありとあらゆる事を平然とやってのける神のような存在。
に武僧の目には映っている。

【龍ちゃん】「そうだ、そんなことは言うもんじゃない。
       我々はお前と違って天才では無いんだ。たゆまぬ努力こそが…云々」

【忍】「へー、凄いノート。先生の言ったことを一語一句残さず書いてる。」
【みやこ】「せやけど、このノート読みにくいねん…」
【龍ちゃん】「人の話を聞け、貴様ら!それと、ノート見せてもらっている分際で我が儘言うな!」

【忍】「龍子、気品気品。」
【龍ちゃん】「ぬっ…、忌々しい…。」
村崎の握りこぶしにギュっと力がこめられる。

【忍】「この分なら、今回の試験順位もいつもどおりだね。」
甲賀は余裕の表情を浮かべ「まあ、がんばりな。」と言葉を残して教室を後にした。

【龍ちゃん】「嫌味なやつめ…。」
【みやこ】「なんでこんな問題、皆解けるん~…?」
【龍ちゃん】「丸太を素手で粉砕するお前に言われたくない。
       無駄口叩いてないで、頭に詰め込め。部活のときの集中力を発揮する。」

そうして時間は過ぎて行き、試験が始まった。
頭を抱え込み悩む者、涼しい顔で淡々と答えていく者、何がなんだか分かっていない者、
いつもの試験風景に変わった。


●試験順位発表

  1位 黒井真名
  2位 甲賀忍
   ・
   ・
   ・
  8位 音羽奏
   ・
 10位 村崎龍子
   ・
   ・
 44位 武僧都
最終更新:2007年01月17日 16:52