【内容】 ハイパーレスキュー茜
【場面】 放課後校舎裏
【状況】 茜が一人で木を見上げてるところを、主人公が見かける。
【二人の関係】単なるクラスメイト
遊佐
「うっしゃ、焼却炉に放り込んだしこれで証拠隠滅完了。
中島、感謝しろよ、あんなやばい中島極秘手帳なんか落としやがって。
あんなの他の奴に拾われたら殺されるぞ。
あとは・・あれ?あそこにいるのはスーパー転校生茜さん。
木なんか見あげて何してるんだ?」
茜さんが見ているのは、古そうな桜の木だな、太さは大人2人で手を繋げば
一周できるくらいか。もう夏だからすっかり葉が茂ってる。
低い所に枝もあるし、登るには丁度良さそうだ。
遊佐
「ふふーん、ちょっと見物しとくか。
ここらの茂みにしゃがんでれば、向こうからは見えんだろ」
ざっと、ここから茜さんのとこまで50mってとこか。
ん?見上げながら木の周りを歩き出したぞ。
んん?結構上の方に、白くて小さくて何かもこもこしているものが?あれは子猫か?
はははーん、さてはあの子猫を助けようとしているのか。
茜さん家の今夜の夕飯は猫汁だな。助けておきながら、猫汁とは酷いやつだ。
お、辺りをきょろきょろ見回してる。誰もいないことを確認しているのか?
いよいよ木の瘤に足を掛けて登り始めた。
さすがスーパー転校生。ちなみ茜さんはスカートです、ムフ。
げっ、もう猫のところまで登りやがった。なんちゅう身軽さだ。
チャラララッチャチャーン、茜は子猫を手に入れた!
おー、嬉しそうに抱き上げてら。
茜さんは、木の枝にちょこんと腰かけて足なんかブラブラさせている。
でも、ここからが問題だな、両手で猫を抱えてどう降りるのか?
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選択肢:1.仕方ない助けてあげよー
2.面白そうだから観察
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【選択:1】
仕方ない、助けに行くか。
遊佐
「どっこいしょっと。
おーい、ちょっとそこで待ってろ!倉庫から梯子を持ってるくる!」
茜
「あ、あなたは。
わたしなら平気です!」
いまだ木の上に腰かけ猫を抱きかかえたままだっていうのに、
あんなんじゃ、ちょっとバランス崩せば真っ逆さまで地面に激突だ。
遊佐
「両手塞がってるのにどうやって降りるんだ!ちっとも平気じゃないだろ?
いいから、待ってろ!」
茜
「もー、こっち見ないでください!」
遊佐
「?、なにをこの状況で訳け分らないことを」
茜
「とにかく、こっちみないで!後ろ向いてて!」
何をいってんだあの馬鹿?
とりあえず暴れて落ちられてもしたら寝覚めが悪い。
ここは言うこと聞いておくか。
遊佐
「??、向いたぞ!これでいいのか?」
って、様子を見ようと背中越しに振り向いた瞬間、茜さんの木から飛び降りる姿が・・・。
なにか一瞬とてつもなく嬉しいものが見えたような。
茜
「・・・」
遊佐
「・・・」
子猫を地面に離した後、黙ってこっちに来る姿が無性に怖いんですが・・・。
茜
「・・・」
遊佐
「・・・き、奇遇だね」
茜
「・・・はぁ~~~ぁ」
何か、思いっきりため息をつかれてしたまった。そんなにショックだったのだろうか?
茜さんは、片手で顔を覆っていらっしゃいます。
茜
「とりあえず、助けてくれようとした事には感謝します。
でも、なんであのまま後ろを向いててくれなかったんです?」
覆っていた手を下げると、上目遣いに若干拗ねたように、文句を言ってくる。
遊佐
「いや、だってほらやっぱ心配だったし。
それに飛び降りて平気だったの?校舎2階位の高さだったぜ」
茜
「あの位の高さなら膝をうまく使えば、問題ありません。
それより、今見たことはきれいさっぱり忘れてください。いいですね!」
遊佐
「見たことって・・・」
や、やばい、思い返したら顔が火照る。
よく見たら茜さんも顔が真っ赤だ。あれは怒りの為だけじゃないろうなー。
遊佐
「わ、わかった忘れます。綺麗さっぱり忘れますです、ハイ」
茜
「ホントにもう・・・はぁ~~~ぁ」
また思いっきりため息をつかれてしたまった・・・
でも、正直あれは忘れられないよな~
*
*
*
【選択:2】
面白そうだからもう少し観察しておくか。
まさか、そこまでは考えてなかったってことはないだろ?
もし、そうだとすると哀れな子猫が2匹ということで、すかさず俺様カッコよく登場、
ピンチを救って○○君好きよ落ちか!ムフフ。
それもいいかもって・・・おぉっっっっっ!?
なにか一瞬とてつもなく嬉しいものが見えたような。
そんでもって飛び降りやがったあの高さから。校舎2階くらいの高さだぞ!
あいつは忍者か?そうすればスーパーなのも納得いくが。
繰り返しますが茜さんはスカートです、ムフ。
さて、いいもの見れたし帰るとするか。
遊佐
「よっこいしょっと、ぐへっ!?」
あ、頭になにかもの物凄い衝撃が。口の中もなんかじゃりっとしたものが。
あれ?俺倒れてるのかな?
茜
「木の上から見えていましたよ、このスケベ!
最っ低っっ!」
ふ、不覚。後ろからとは卑怯なり~。
あー、段々意識が遠のいて・・・。
茜さんのまだまだ終わりそうにない罵声を浴びながら、
俺の意識は闇の中へ旅立っていくのでした。
【画面暗転】
後日、彼女に聞いたら、俺の頭にぶつけたのは丁度
落ちていた金属バットだったそうな。
使ったものはちゃんと片付けましょう・・・
最終更新:2007年01月21日 13:11