【内容】 夕日に向かって走れ!
【場面】 茜と主人公の下校途中、人通りが閑散な住宅街
【状況】 帰りがてら茜のことについて聞きたがる主人公
【二人の関係】互いに居心地がいい相手
最近は二人で待ち合わせをして一緒に帰ることが多くなった。
今日も茜の他人に手伝いが終わるのを待って、いつもの道を
他愛も無いこと話しながら帰っていく。
この時間が、一日で一番落ち着く。
遊佐
「茜ってこっち来る前って、どこいたのさ?
ちっとも教えないし、ホント、謎だね~。
実際そこんとこどうなのよ?」
茜
「秘密です」
遊佐
「いいじゃん、減るもんじゃないし」
茜
「んー、減ります。
・・・あなたの命が」
遊佐
「・・・へ?」
茜
「しっ!黙って
・・・尾行されてます」
ハイ?
遊佐
「マジで?」
茜
「あ、振り返らないで、気づかれます。
いいですか?尾行を振り切ます。次のかどを右に曲がって、
そうしたらすぐ全力で走ってください。
振り返ってはだめですよ?わかりました?」
遊佐
「お、OK」
って、本気なのですか?この人。
曲がりかどまで30m
おおおぉー、だんだんが近づいて来た。心臓がバクバクしてるぞ。
茜
「そこを曲がって下さい。今です!走って!」
遊佐
「オリャァァァァァ!」
遊佐
「って、ハァーハァー、大分ハァーハァー、
走ったハァーハァー、けどハァーハァー、
どこまでハァーハァー、走ればハァーハァー、いいのかな?」
あれ?
隣にいないって?あれ?後ろ?
!?ってなんであんな遥か後ろにいるのですかあなたは!
曲がり角から一歩も動いてねぇーじゃねぇーか!
だ、騙された・・・。
茜
「じゃーー、遊佐さーーーん!
まーーたーーあーーーしーーたーー!」
遊佐
「畜生~~~~~!
明日、学校でおぼえてろ~~~!」
あー、曲がらないでまっすぐ行きやがった。
今すぐ戻って殴りたいとこだけど、もう一歩も動けません。
明日、こりゃ完全
筋肉痛だな。俺なんかしたか?
もっと素直で可愛い子と思ったのに、あれ以来すっかり遊ばれてる。
お父さんは悲しーぞー!
最終更新:2007年01月21日 13:12