で、食堂まできたんだけど
霞「それじゃあ私はパン買ってくるから!」
うわ、あの混乱した人ごみの中に突っ込んで行ったぞ。
遊佐「たくましいな」
中島「……」
遊佐「どうした?」
中島「あの子、なんかエロい! いい! しかもかわいい!」
遊佐「……」
中島「何で引いてるの?」
遊佐「お前の近くにいるのが嫌になったから」
中島「ばっか、お前あんな子にぶつかられて何言ってんだ!」
遊佐「お前、何気にヘタレだな」
中島「そ、それだけは言われたくなかった!」
遊佐「とりあえず俺達も食うもん買おうぜ」
中島「ヘタレ……ヘタレ……」
とりあえず中島を蹴っておいた

遊佐「やっと買えた……」
何気に込んでいるから買うのに苦労した。俺はAランチで中島はBランチ
霞「先輩ー!」
遊佐「おろ、えっと?」
霞「こっちですよー!」
こんなに人が居るのにここまで叫ばれるとこっちが恥ずかしい
遊佐「えっと、叫ばれると恥ずかしいんだけど椎府さん」
そして何? これ、一緒に食べるの? もっと恥ずかしいんじゃ……。
霞「霞で構いませんよっ」
遊佐「それじゃあ、霞……ちゃん。一緒してもいいかな?」
名前のみで呼ぶのは恥ずかしいな。ちゃん付けですら精一杯だ。
あれ?俺も何気にヘタレ?
いや気にするな。気のせいだきっと。
霞「どうぞー」
中島「あれ? 霞ちゃん弁当箱持ってたんだ」
本当だ。さっきは走っててそこまで目が行かなかった。
遊佐「パンも食べるの?」
華奢な体して意外と大食?
霞「このパンはえっとーその、おやつってやつ?」
遊佐「いや、俺に聞かれても困るんだけど」
霞「そんなことよりご飯食べよ!」
中島「そーそ、野暮ったいことは無しだぜ」
よくわからんが、まあいいか。
遊佐「んじゃ向かい、失礼するよ」
席は多いので混雑してもそれなりに余裕があった。
遊佐「いただきますー」
霞「いただきます」
中島「いただ以下略」
以下略のが長いしっ!
霞「へんふぁいひゃひふぁひょふほうふぁんふぁへー」
遊佐「……食べてから喋ろうね」
ごっくんと喉が動いたのが目に入る。う、少しドキっとしてしまう。
霞「先輩達は食堂なんだねー」
中島「普段は俺達もパンだけど、ということは知らないうちに霞ちゃんとはパンの取り合いしてたかもな」
霞「ひょふへふへー」
遊佐「……だから食べてから喋りなさいってば」
霞「でも私あのパン競争では負けないよ」
パン競争って……何か違うような違わないような
霞「あの中でパンを奪うのは得意だからねー」
遊佐「……お金払ってるの?」
霞「うん」
遊佐「他人から奪ってもダメだからね」
霞「うん」
中島「その弁当なかなかおいしそうだね。自分で作ってるの?」
霞「そだよー。食べてみる? その代わり交換」
中島「ま、まじか。手作り弁当、ハァハァ」
遊佐「ハァハァいうな!」
とりあえずはたいておく。
霞「えっと、そういえば名前」
そういえば自己紹介はしてなかったな。
遊佐「あ、俺は遊佐 洲彬。このヘタレと一緒のクラスで最近転入してきた」
霞「この時期に転入してきたんだー」
遊佐「まあね」
中島「俺の名前はっ!」
遊佐「ヘタレ」
中島「そう!! ヘタレ!」
霞「変な名前」
中島「って違うわー!」
中島が元気だ。ノリツッコミまでやるとは。
中島「真面目な話、俺の名前は中島( )っていうんだ」
遊佐「なんかさ、めがねかけてて、それでいて魚みたいな奴と仲良くしてそうな名前だよな」
霞「そうだねー」
中島「え? なんで? 何? っていうか魚みたいな奴って何?」
霞「で、どれ食べる?」
華麗にスルーをかます霞。
色とりどりのきれいな弁当だった
遊佐「んじゃ卵焼きもらう」
霞「んー、交換レートからいって、ポテトサラダで!」
遊佐「欲しいだけもってって」
霞「んじゃ、はい。卵焼き。それでポテトサラダをー」
う、何気にがばがば持っていくな。ま、いいけどさ
中島「それじゃあ俺はから揚げで!」
霞「から揚げかー、それじゃあ魚フライね」
中島「ほい」
遊佐「それじゃーぱくっと」
…………
遊佐「う、」
霞「う?」
遊佐「うまい」
霞「そうかなー?」
遊佐「いや、この味の調節具合が俺好みだ……。そのきんぴらごぼうにもチャンレジしたいのだが」
霞「これ? いいよー。それじゃ私はトマトもーらい」
…………
遊佐「合格!」
霞「へ?」
遊佐「いや、まさしくこの味は俺好み……!」
霞「あは、偶然同じような好みなのかな」
中島「ふぁらふぁふぇふぉふはひへー」
遊佐「お前も食べてから喋ろうな」
ごくんと中島が飲み込む。
遊佐「静かに飲み込め」
中島「ん?」
中島「いや、から揚げもおいしいわ。料理上手だね」
霞「そかなー。まいいや。先輩達に貰ったものもいただきますー」
遊佐「確かに上手だな」
霞って何か料理できなさそうな感じなんだけどな。
最終更新:2007年01月23日 00:07