さて、つつがなく食べ終わった。
のはいいんだけど、食事中もずっと気になってたことを一つ。
遊佐「霞ちゃん、もう少し気にしようよ」
霞「ん? 何を?」
中島「ばか! お前」
霞「ああ、これ? 先輩いつも気にしてるね」
そんな微妙なところをひらひらさせると目のやり場に困る。
ヘソが見える上にシャツの上のボタンは外れているのでブラが見えそうになっている。
遊佐「普通はきにするだろう」
中島「だがそれがいいんじゃないか。チラリズムのエロさがたまらん」
中島をはたいておく。
遊佐「本人の前で言うんじゃねえ」
霞「エロいかな?」
中島「それはもう!」
遊佐「まぁ、どっちかっていうとな」
霞「へぇー。どう? どう?」
霞が身を乗り出して胸を強調してくる。
中島「いいねぇ。霞ちゃん最高」
霞「遊佐先輩顔真っ赤ー」
笑って俺をからかってくる。
遊佐「なっ!」
中島「……お前はどこの中学生ですか」
く……年下に遊ばれるとは。
遊佐「恥ずかしくない?」
霞「んー、全然」
あっけらかんとそう言いのける。
中島「たまりませんな」
遊佐「……」
はぁ。本人がこうだと何を言っても駄目かも。
霞「それじゃー」
階段のところで別れる。
遊佐「別に走らなくてもいいのに何故走っていくんだろう」
霞は廊下を走って去っていった。
中島「習性じゃないのか」
習性ねぇ。確かにそんな感じはするんだけど。
中島「にしてもあのスパッツも良い」
遊佐「……はぁ」
走ってるとスカートがめくれるがパンツが見えるわけじゃない。霞はスパッツを履いている。
中島「パンツが見えないがスパッツってところがむしろエロいよな」
確かに背徳的な部分がある。スパッツっていわゆる見せパンってやつらしいし。
むしろ走るのに邪魔にならないように履いてるのかもしれない。
遊佐「何か、食事以外のときはいつも走ってないか」
授業中は流石に座ってるんだろうけどさ。
中島「そういえば昨日放課後見たときも走ってたな」
遊佐「ああ。用事があるから急いでたそうだ」
中島「まぁそりゃそうか」
にしてもあんなにせわしない姿を見ていると落ち着きの無いイメージが定着しそうだ。
午後の授業はずっと脳内で霞が走り回っていた。
遊佐「落ち着かない上に疲れた」
中島「は?」
遊佐「いや、なんでもない」
中島「それより今日もどっか行こうぜ!」
遊佐「部活は……いや何も言うまい」
中島「そうそう。で、どこ行く?」
遊佐「二日連続ゲーセンではつまらんしな」
俺はカバンを持ち上げる
中島「よし! それじゃあカラオケとかはどうだ」
遊佐「カラオケか……。仲のいい奴がまだ少ないしなぁ」
中島「むしろ交流だとおもって何人か誘ってみようぜ」
そうだなぁ。確かにクラスに馴染むために交流は必要だろう
遊佐「ま、人選は任せる」
丁度そのときましろと聖が通りかかる。
中島「お、柊、これから遊佐と一緒にカラオケ行くんだけど一緒にどう?」
ましろ「カラオケかぁ。私はいいよ。聖ちゃんは?」
ましろが聖に尋ねる。
聖「ましろが行くなら私も行こう」
中島がガッツポーズをする。
中島「うっし!」
ましろと聖か。まぁ二人とはましろとの関係でそこそこ話したことあるし。
ましろは何となく分かるけど聖って何歌うんだろな。興味が湧く。
遊佐「4人でいいんじゃない?」
中島「そうだな」
というわけで4人でカラオケに行くことになった。
下駄箱まで行く途中で階段を駆け下りてくる音がする。
霞「あれ、先輩達」
遊佐「よ、霞ちゃん」
中島「お、霞ちゃん。これから俺たちカラオケに行くんだけどどう?」
先輩と行くのは流石にきびしいとおもうけど。
霞「あはは。私歌はあんまり上手く無いし、それに今日も用事があるから。それじゃねー」
霞は再び駆け出して階段を下りていった。
遊佐「忙しそうだな」
ましろ「今の子どこかで見たことない? 聖ちゃん」
聖「そうね。学校内の生徒なら見たことくらいはあるだろうけど」
ましろ「学校内じゃなかった気がするんだけどなー」
ましろが首を傾げる。
遊佐「まぁ外でも会うことくらいはあるだろう。俺たちも行こうぜ」
ましろはバラード系がメイン。
中島と俺は普通に流行の曲とか。
聖も意外って言っちゃ失礼だけど案外3人と変わらない選曲だった。
なんか演歌とか歌いそうだなんて思ったけど。
中島「いやぁー歌った。久しぶりにカラオケに来た気がするぜ」
ましろ「そうだねー。今日は色々試してみたかった曲歌えてよかった」
聖「相変らずましろは上手だな」
遊佐「聖もなかなかのもんだったじゃないか」
聖「ましろには勝てないけどね」
確かにましろの歌はすごく上手かった。聞いてて心地がよいというか。
中島「飯とか食ってく?」
ましろ「うーん。家で食べるよ。食事作ってるだろうし」
聖「今日は解散したほうがいいだろう」
遊佐「そうだなぁ。中島お前はどうする?」
中島「食べて行ってもいいぜ」
遊佐「んじゃどっか二人で行こう」
中島「おう。そんじゃ二人とも、またな」
ましろ「またねー」
聖「またな」
ましろが手を振っている。聖はそのまま歩いていった。
遊佐「悪いな。夕食って用意するのがなかなか面倒なんだ」
中島「だろうな。んじゃまどっか行きますかー」
中島が歩き出す。
俺たちは適当にラーメン屋に入って食事を済ませた。
最終更新:2007年01月24日 23:04