中島「それじゃまた明日な」
遊佐「おう」
今日は結構楽しめたな……。慣れない生活に意外と疲れてたのかも。
中島が仲良くしてくれるおかげで学校生活が苦じゃないのはありがたい。
遊佐「けど、あいつをいじってしまうんだよな」
一応感謝しておこうか。俺の遊び相手として。
……………………。
遊佐「まじかよ……」
お天道様! いきなりこの仕打ちですか!?
遊佐「困った。お金が無い」
サイフの中身がからっぽに近い。銀行の預金だってもう殆ど無い。
使いすぎた……。ゲーセンに食堂にカラオケ等など。
マイ、ペアレンツはぁ!
遊佐「生活費が無くなりそうだ……」
かといってここで親に頼むのも……悔しい。
遊佐「うーん」
金といえば稼ぐのが当たり前であるのは言うまでもない。
遊佐「ん? まてよ」
そういえばましろがうちの学校はバイトしていいとか言ってたな。
生徒手帳で確かめてみるか。
遊佐「えーっと、何々」
第四十二項・アルバイトについて
我校においては社会生活においての…………
…………よってアルバイトを許可するものである。
但し学校側の許可を申請すること。
遊佐「申請すればいいのか……」
まずバイトを見つけるのか申請が先なのか……。
遊佐「中島かましろにでも聞いてみるかな」
多分申請が先だろうけど。
遊佐「バイト、するしかないだろうな」
案ずるより産むがやすし。なんとかなる
遊佐「はず……」
というわけでお休みなさーい。
遊佐「ん……」
目は開いているが体が動かない……。これは金縛り!?く……息をしているのかしていないのかもわからない。く、苦しい。
落ち着け。これは脳が起きていても体を動かす部分が起きていないということらしい。
まずは体を動かすことに集中するんだ。
指先を動かす。
遊佐「ぐ……」
ぬぐぐ……
遊佐「ぷはぁ!」
急に体が解放される。
遊佐「……朝からめっちゃ疲れた」
これ時々なるんだよな……。
ましろ「おはよー」
遊佐「おはよ……」
聖「朝から疲れているな」
聖が俺が疲れているのを見抜いて尋ねてくる。
遊佐「朝から金縛りにあってな」
ましろ「えー、金縛り?」
遊佐「時々眠いときになるんだよ。起きないといけないけど眠いときとか」
ましろ「ならないよー」
遊佐「俺だけなのかな……」
今まで誰も同意してくれた人がいないのでちょっとさみしい。
遊佐「あ、そういえば聞きたい事あるんだけど」
ましろ「何?」
遊佐「生活費が底をつきそうなのでバイトしようと思うんだけど」
ましろ「バイトするの? 生活費って……どうしたの?」
心配そうに見つめてくる。
遊佐「それはいいとして……申請ってどうやるの?」
ましろ「私、申請したことないからわかんない」
聖「それは担任に聞いてみればいいだろう」
遊佐「それはそうなんだけどおぉ!?」
話している途中に後ろから何かがぶつかってきた
前によろめいてしまう。後ろを振り向くと
遊佐「また霞ちゃんか……」
霞「あはは、ちょっと驚かそうと思って」
体当たりまでしなくていいだろう。
ましろ「あ、昨日の子」
聖「ああ、階段での」
二人とも気付いた様子だ。
霞「おはようございます先輩」
遊佐「何で俺にはタメ口で二人には敬語なんだ?」
霞「わかんない」
この娘はまったく……。
聖「霞といったか」
霞「はい?」
聖「前を直した方がいい」
霞「あっちゃー。さっきぶつかった時かな」
聖が霞に注意する。うん、多分これが正しいよな?
霞が服を直している。
遊佐「やっぱ担任に相談するかな。中島はあてになりそうにないし」
霞「何を?」
遊佐「ああ、バイトしようと思ってさ。申請の方法わかんなくって」
霞「あー、それなら私覚えるよ」
遊佐「覚えてる?」
ましろ「新入生は説明されたんじゃない? 私達もされたけど覚えてないよ」
なるほど。新入生ならまだ覚えているのも納得できる。
霞「確か担任に用紙をもらって、ちょこちょこっと書いて担任に出せば大丈夫」
遊佐「なるほど。結局は担任に話さなきゃ駄目か」
転入してすぐというのもなんか嫌なんだけどさ。
ましろ「バイト出来る所見つけたの?」
遊佐「まだ何も探してない」
霞が何かを思いついたように迫ってくる。
霞「そうそう! 確か駅前の喫茶店でアルバイト募集って張ってあった気がするよ!」
まるで今にも走り出しそうにうれしそうにする霞。
遊佐「き、喫茶店か……」
喫茶店ね…… 。
遊佐「それってどんなとこ?」
ましろ「私知ってる。喫茶店っていっても軽く食事が出来るような所だよね」
聖「このまえ一緒に行った所か」
聖とましろが喫茶店について教えてくれる。
霞「そうですそうです!」
遊佐「ふむ。申請ってどのくらいかかるのかな?」
霞「二日くらいで受理されるはずだよ」
二日くらいか……。うーん。早くしないとまずいしな。
遊佐「とにかく今は行動するかな」
最終更新:2007年08月03日 03:48