アットウィキロゴ
 
中島「遊佐! 遊びに行こうぜ」
放課後のいつもの慣れたやり取り。
遊佐「わざとやってんのか?」
中島「いや、これは癖だ」
遊佐「今日からバイトだっつーの」
中島「はいはい、いってらっしゃい」
微妙にうざい。
中島「あ、柊と聖ー。一緒に帰ろうぜ」
中島が教室を出ていこうとする二人を見つけ声をかける。
ましろ「うん。いいよー」
聖「やれやれ」
遊佐「んじゃ、俺は急ぐからまたな」
聖「ん? 今日は一緒じゃないのか?」
聖が尋ねてくる。
遊佐「ああ。今日バイト決まったからな。初日から遅刻はいやだからな」
これは前科持ちになりかけたからな。絶対回避したいところだ。
ましろ「あ、バイト決まったんだー。ポロゴ?」
遊佐「ああ、昨日行ったらあっさり決まってしまったんだ」
ましろ「おめでとう。がんばってね」
うれしそうにましろが言う。
遊佐「おうよ」
ましろ「そういえば私達も時々いくから遊佐君が働いてるところ見れそうだなー」
……はっ! そういえば知り合いが来る可能性もあるのか!
遊佐「ははは……。んじゃ行ってくる」
ましろ「ばいばいー」
俺は三人に軽く手を振って教室を後にした。

俺はポロゴに向かって一人で歩いて行った。
遊佐「学校から大体徒歩5分ってとこか……」
普通にしてれば間に合う距離だな。そんなにあせることはないかぁ。
遊佐「普通に正面から入ればいいのかな……?」
俺は昨日も開けたドアを開ける。
コーヒーの匂いがする。
店長「やあ、来たね」
店長が俺を見つけて声をかけてくる。
遊佐「よろしくお願いします」
店長「こちらこそ。それじゃあ部屋で着替えてもらえるかな? 服は出してあるから」
店長が昨日の部屋を指差す。
店長「着方がわからなかったら聞いてくれればいいから」
遊佐「あ、はい。わかりました」
俺は部屋のドアを開けた。
遊佐「…………………………えーっと、すいません」
静かにドアを閉める。
店長「ん? どうかしたかね」
遊佐「いえ、あの」
ちょっと幻覚が見えた気がする。
遊佐「見ちゃいけないものを見たというか……」
店長「あー、そうか。忘れてたよ」
店長がドアの前に行ってノックする。
店長「ほらほら、新人さんが着替えるから早くね」
??「はーい」
中から返事が返ってくる。
店長「ま、もう少し待ってれば出てくると思うから」
そういうと店長さんは仕事に戻っていった。
遊佐「は、はあ」
俺はドアの前で待機している。
??「おまたせー」
ドアノブが回り中に居た人が出てくる。
霞「えへへ、先輩。こんちはー」
遊佐「……こんにちは」
出てきたのは昨日あの部屋でみたメイド服を着た霞だった。
霞「驚いた?」
俺の顔を覗き込んでくる。
首から胸の上くらいまでが見える服で、肌の白さが目に入る。
遊佐「かなり驚きました」
ええ、驚きましたとも。
にやりとする霞。
遊佐「……それでこの店をプッシュしたんだな」
霞「うん。驚かせようとおもって黙ってたんだ」
霞「それにね、遊佐君が来てくれるとわたし階級が上がって……」
遊佐「え? 何だって」
霞「え、いや、なんでもないよ。あはは」
遊佐「ぐおぉおー騙された……」
霞「だ、だましてなんかないよ。採用されたんだからいいじゃん」
そりゃそうなんだが……
霞「それに私うれしいんだよ。先輩が一緒に働いてくれるなんて」
遊佐「それなららい所から教えてくれればよかったじゃないか」
霞「えー、驚かしたかったんだもん」
だろうね……。
遊佐「……このやろう」
俺はむっとなって霞の頬を引っ張る。
霞「んむぅー、いひゃいーいひゃいー」
はっ! 俺は何を。
遊佐「はぁ、わかったわかった。それじゃあ俺は着替えてくるから」
さっさと着替えないといけないし手を離す。
霞「はー痛かった。先輩!」
急に大声になる。
遊佐「何?」
霞「ここではわたしが上なんだからね。こんなことしたら怒るよ」
顔がにやにやしててあんまり怒ってなさそうだけどね。
遊佐「後輩で先輩……ややこしいな」
霞「ふっふっふ、仕事を教えるのもわたしの役目だからね」
遊佐「な、霞ちゃんに習うのか?」
それはちょっと嫌だ。
霞「とーぜん」
遊佐「……よろしくね」
俺は着替えるために部屋に入っていった。
遊佐「幸先が不安になった」
仕事がじゃなくて、人間関係が。
遊佐「いい意味で……」
最終更新:2007年02月16日 19:57