あれから2年がたった。
まだ杏の記憶は完全にはもどらないけど、それでも俺たちは幸せだった。
杏「いつになったら思い出せるかな」
遊佐「焦ることないさ」
杏「うん」
杏が右手首の傷を触る。
杏「きっと、辛いことがあった私の過去をね。思い出したいの」
杏「だってその過去も私だから」
遊佐「うん」
杏「あなたが傍に居てくれるなら、私は立ち向かえるの」
杏「それにね、あなたが私にしてくれたことも思い出したいの」
遊佐「杏……」
俺は杏背中に手を回して、口付けをする。
杏「ん……」
遊佐「俺も思い出してくれるとうれしい」
遊佐「そしてこれからも思い出、積み重ねていこう」
もう片手で右手の傷に触れる。
遊佐「この傷も一緒に俺がお前も助けてやるから」
遊佐「大好きだ」
杏が強く両手で抱きしめてくる。
杏「私も……大好き」
二人なら、大丈夫だから。
最終更新:2007年02月10日 18:08