• #シーン2『会話』
  • 登場キャラ『遊佐、中島、武僧、久々津』
  • BGM『高揚感のある曲』
  • 背景『グラウンド』


 やれやれ、開会式から騒がしいもんだな、この学校は。

※ここで一八人それぞれとの会話を選択肢で選べるようにしようかなーとか思案中。と言っても一八人分のテキストなんて半端ないので「できれば」ですが。

???「しょーぶやー! しょーぶやしょーぶやしょーぶやぁぁ――!!」
 どこからか女のにぎやかな声が聞えてきた。
 何事だ。
首を回すと、声の主であろう人物を見つけることができた。
遊佐「あそこで仁王立ちしてるのは……誰だ」
中島「あー、きっと三年の武僧先輩だぜ」
遊佐「ああ、なんだ。あの人はまた誰かに勝負をけしかけてんのか?」
遊佐「まったく、飽きないな武僧先輩は」
中島「まーそう言うなよ遊佐」
中島「それが無邪気でかわいいって言う奴もたくさんいるんだぜ?」
遊佐「ふーん。そんなもんかね」
中島「なーにがあったんだろな……どうせいつものことだろうけど……」
遊佐「気になるんなら直接聞いてくればいいだろ?」
中島「え? そう? やっぱ?」
中島「えへへへ。じゃあオレちょっと先輩んとこ行ってくるわ。こんなチャンスめったにないですからね」
中島「へへへ……『口先の魔道士』の異名がうなるぜ」
遊佐「ん、おお、そうか。全体的に笑い方がキモいががんばれよ」
中島「がんばれよって、お前来ないの?」
 面白そうだし、着いていくことにした。
中島「よしよし、じゃあまずどんなこと言うにもセリフかんじゃったら大変だからな……」
中島「対策としてちゃんと唇は舐めて湿らせておかないと」
中島「ああ、あとは気合を入れるために指を動かして鳴らしておかなきゃなっ」
中島はべろべろと舌で唇を舐めまわし、手をワキワキさせながら武僧先輩に歩み寄る。
中島「準備完了。待ってろよぉ、武僧さーん」
 どう見ても変態だった。
中島「武僧先輩、どうしたんスか?」
 ポン、と中島がやさしく武僧先輩の肩にふれた瞬間だった。
武僧「てやぁ!」
 ブンッ!
と空気を切るゴツい音と共に、武僧先輩のバックハンドブローが中島の顔面に叩き込まれた!
中島「なぜだああぁぁ――!」
 俺は今日最初の発射であるSAN(サヌ。地対空中島。Surface-to-Air-Nakajhima)をぼんやり見ていた。
本日は晴天なり。
時々、中島がふるでしょう。
武僧「あ、しもた。まーたやってもうたわ」
と武僧先輩はちょっと困った顔で、でも笑いながら言った。
武僧「あたしったらダメやなー」
武僧「なーんや知らんが体さわられると反射的に反撃してしまうねん」
武僧「これ、なんていうんかね……」
遊佐「……特性?」
武僧「そうや、特性や。あんさんぴったりなことば知ってまんなー」
武僧「……って、だれかと思えば遊佐くんやないか」
遊佐「ちわっす」
 俺は軽くあいさつをする。
遊佐「ていうか先輩ここで何してたんですか?」
武僧「しょーぶの申し込みや」
遊佐「? まさか、出会い頭の人に片っ端から勝負を挑んでるんですか?」
武僧「もちろんや。男は外に出たら敵が三人はいるというやろ?」
武僧「三人なんてケチくらいこと言わんと、敵だらけっちゅうほうがおもろいやん」
そりゃまぁ、勝負のしがいはあると思います。
が……いくらなんでも無茶苦茶だろう……
武僧「そういや遊佐くん。例の話考えてくれた?」
遊佐「うっ……空手部に入部せんか? って話ですか?」
武僧「そうや。遊佐くんはなかなか筋がええ」
武僧「空手なんか感覚でやったったらええねん」
遊佐「……それでいいんですか」
武僧「そうや」
武僧「ボッフーン(レタス)→ギュンギュンギュンギュンギュン(乱撃)→ドカーン!(核熱)」
武僧「……ってのが空手の真髄なんや」
んなわけがなかろう。
遊佐「ん?」
今気づいた。
武僧先輩の後ろからひょこひょこと赤い人形が見え隠れしている。
のぞき込むと、小さな女の子がいることに気付いた。
 チラッと見える顔はなぜか真っ赤だ。
遊佐「久々津さん?」
俺が声をかけると、もじもじとまた武僧先輩の陰に隠れてしまった。
 その代わり、マトン君が姿を見せる。
遊佐「おー、マトンくんも元気そうだな。最近調子はどうだい?」
マトンくん「ボチボチでんなー。しっかし自分もうらやましいなー」
マトンくん「こんな真昼間っから爆乳のおねーちゃんと会話できるなんて幸せモンやないか」
マトン君が俺の肩を叩く。
マトンくん「両手に花ってレベルやないでー!」
遊佐「相変わらずマトンくんがいるとはっちゃけるなぁ、久々津さんは」
久々津「そ、そないなことあらへんで」
久々津「マトンくんが勝手に盛り上がってるだけや」
久々津「物静かなうちはえらい迷惑かぶってるんやで……」
マトンくん「んなアホな。遊佐はんがおるから自分モジモジモジモジしとるんとちゃうんか?」
マトンくん「遊佐はんは顔だけならえろう男前やからなぁ」
久々津「ちょっとマトンくん! 何言うとるんや!」
遊佐「マウッ!」
 マトンくんの頭、もとい久々津の拳が俺の腹に叩き込まれた。
遊佐「な、なぜだ……エゥ」
久々津「マ、マトンくん!」
久々津「そないありえへん話をしたらあかんで……」
久々津「罰としてマトンくんにはお仕置きや……」
遊佐「お、俺の腹はマトンくんへの愛のムチに耐えられるほど丈夫にできてないのですが……ムゥフ」
 なぜ俺は体育祭の日にこんなところで悶絶土下座をしているんだ……
っていうかあの状況からなんでこんな展開になってんの!
ありえねえだろ、常識的に考えてさ!
???「――ぁぁぁあああああ」
 その時だ。
 俺はなぜかフェードインしてくる悲鳴を聞いた。
俺は空を見上げる。
 あれ、なんだ。俺の真上に小さく光るものが……
ドップラー効果とともに降ってくるその悲鳴は……
って、あれ、ドップラー効果? まさか、
中島「ああああ遊佐ぁぁぁぁぁオレを受け止めてくれええぇぇぇ!!
遊佐「な、中島ああああぁぁぁぁぁぁ――!!!!」
 本日は晴天なり。
時々、中島がふるでしょう。
最終更新:2007年03月02日 00:51