遊佐「……」
中島「…………」
まだ初夏にしては、ムワッとしていて暑い。
何で俺はこんな日に男二人で歩いてるんだ?。
……間違いなく間違ってる。
遊佐「……」
中島「…………あじぃ……」
遊佐「……うぜぇ」
暑いし会話が無い。いやクソ暑い中で中島と会話なんてしたくないし……。
どうせ「暑い」しか話すことがない。
何でこんな日に出歩るいてたんだっけ……。
えーっと遡ること30分前…。
『やっほう! 生きてるか!? ゲーセンに最新の台が入ったから行かね!?(゜∀゜)』
クーラーの効いた自室に籠城を決め込んでいた俺に、ムカつく顔文字が入った中島からお誘いのメールが…。
普通ならこんな日は外に出るなんてしない。
とは思ったものの数日前の事もあったしな……。一応奴には礼を感じているんだ。
でも安易に「行く」なんて返信しなきゃよかった……。
遊佐「……で、このざまか」
中島「あん?」
遊佐「なんでもねぇ……」。
目的地は近くだか、この暑さだと3倍は長く感じるな。
ましてや一緒に歩いてるのは中島だ。
杏との沈黙は慣れたものだが……。杏とならまだよかったぜ……。
中島「あぢぃ! もう休もうぜ!」
遊佐「……それ以上エネルギーを出すんじゃねえ」
キッっと杏の真似をする様にガンを飛ばす。
これ以上喋るのが面倒なんだよ。
中島「なぜ、なぜ俺はここにいる……」
お前のせいだ……お前の……。
無言の怒りほど怖いものは無いのだろう……だが!
!マークを出すエネルギーも惜しい……。
それ以上考えるのも疲れるのでやめた……。
遊佐「……ぶつぶつ」
言いたいことを言ってひたすら歩く。
きっと変な人に見えるだろう。だがこの暑さなら許容されるはずだ……。
中島「すまん……」
遊佐「……ま、いいさ……」
この前の礼も兼ねて、付き合うくらい……。
遊佐「……許す……」
遊佐「ふぃー」
歩きに歩いて10分弱やっと着いた目的地はそれはもう楽園。
アルカディア パラダイス シャングリラ ハーレム!(?)
彩り鮮やかな単語が頭を掠める。
中島「あ"~~ん、ふぃー。 何? ここはハーレムですかぁ?」
……なんつー声を出すんだコイツは、風呂に入ったおっさんか。
コイツがハーレムとか使うととてつもなく卑猥に聞こえる。
それに出てきた単語が一緒だったことがショックだ。
そろそろ落ち着いてきた。
頭が冷却されて回転が速くなってきた。
遊佐「暑いし、きつかったな」
結局暑い話。
中島「イエース。暑かったデース。休憩デース」
遊佐「…………」
心の中で同意しながら自動販売機まで歩いていく。
途中何か聞き覚えのある声が遠くで聞こえた気がした。
まさかなぁ。
振り向いても知り合いはいなかった。
それより体が水分をほしがっているからな。。
視線を戻すと、早速おっさんは自販機前の椅子でスポーツドリンクがぶ飲み中。
俺も続いてペットボトルのスポーツドリンクを買う。
がぶ飲みは危険だからな……。
ちびちびと飲みながら見える範囲だけで真新しいものを探す。
中島「アラタシイ台ハオクデスヨータブンネ」
遊佐「何? お前やったことあんの?」
中島「んー 結構でかい奴って聞いてるからね」
そこにはペットボトルをゴミ箱に放りながらもう一本買ってる中島が居た。
間違いなくあとで泣きを見るなコイツ。
中島「まぁ 何時ものコース行って探してみようぜ」
遊佐「だな」
結構きているゲーセンだから定番のゲームをやるのが当たりまえになっていた。
俺は格ゲー(中島イジメ)→アクションシューティング→シューティングと回るのがセオリー。
中島が一人で来たら初心者相手とかに無限コンボでやってそうだからな。
その無限コンボを打破する役が俺だけど。
で今回はアクションシューティングから。
タッグで中島組むとすげぇやり易いからあら不思議。PC相手だとどのルートも楽勝だな。
だからギャラリーとか集まってきて勿論挑戦者とかも来るわけなんだが。
遊佐「っまこんなもんか」
中島「中の下ってところかねぇ」
現在4人抜き中。
2v2だから崩れると一気に崩れる。慎重かつ大胆って簡単に言うけど結構難しいところだ。
っとそんなことを考えているところに痛手を数発撃ち込まれちまった。
遊佐「っち……いい所をついてきやがる……」
中島「はいはい 後ろががら空きですよっと」
こそこそやってて意外とちゃんとフォローしてれる中島。助かるぜ。
ぎりぎりで6人目を撃破。そろそろ疲れてきたなぁと思ってると8人目の挑戦者。
こっちと同じキャラだ。純粋に実力勝負ってわけか。
中島「かもねぎがきたZE!」
遊佐「お手柔らかに」
見えぬ挑戦者に声をかける。無言だがやる気は満々みたいだな。
中島「遊佐と俺なら最強だZE!」
怪しい流れ何だけど、まぁいいか。
数十秒後。
中島「っふ・・・アマチャンがっ!」
さらに数十秒後
中島「お……?」
数秒後
中島「ちょ、う、うわぁあぁああああぁーーー!」
でも調子に乗っていつも自爆するんだけど。
結局六人抜きで終わり。入ってからまだ三十分まぁ楽しめたからよしとしよう。
中島「悪かったな」
遊佐「きにすんな。俺のほうがミスが目立ってたしな」
中島「気取り直して当初の目的見つけに行こうぜ!」
遊佐「あぁ。奥って言うとあのクレーンゲームのところだな」
中島「そそ俺のテリトリー」
中島は意外とUFOキャッチャーとか得意だったりする。
彼女とか出来たらある意味無駄に役に立ちそうなスキルだよな。彼女……ねぇ。
っと何で早歩きなんだあいつ。
??「あー……もう少しです!」
??「粘るわね……。このチョコ……」
??「がんばってー!」
中島「おろ?」
遊佐「あれって……な?」
聞き覚えのある声が三つそちらのほうを見るとかなり見覚えのある姿が四人。
じっと観察するように見守る杏。聖を中心に背が低い二人が寄り添うようにゲームに熱中していた。
遊佐「おーい 杏ー、聖ー」
雑音に負けないよう大き目の声で呼ぶ。
四人ともこちらに気付いたようだ。
聖「遊佐……?」
杏「遊佐……っ」
えーっと、杏さんの目がやばいです。
でもちょっと耳が赤くなってるのは可愛かったかも。
流石双子……。そんなばっちりタイミングを。
クレジットを使い切ったのを確認したか杏と晶子が近づいてくる。二人は犬の件でかなり仲良くなったというわけだ。
ましろと聖はゆっくりと「残念だったね」といいながら後からついてくる。
中島「や、皆さんおそろいで」
遊佐「珍しいな4人でこんなところ来るなんて」
神契「あ……」
杏「私は別に……興味があったわけじゃない」
にやにやしながら近付くな中島。神契が少し怖がって杏の後ろに隠れているじゃねえか。
ましろ「こんにちは、遊佐君、中島君」
聖「折角の休みだし、部屋にこもってばっかりは体に悪いからな」
ましろ「うんうん」
杏は少し横によって神契さんを前に出そうとしているようだ。
中島「やぁ、神契さん」
晶子「こ、こんにちは」
二人もまたこの前の事件で多少仲良くなったようだった。
遊佐「神契さんコイツのことは空気と思って良いよ、中身が空っぽだから」
中島「そうそう。俺ってば中身が空っぽで、いやひでぇよ!」
やりとりを聞いて安心したのか晶子はましろと一緒に笑う。
杏は相変わらず一歩下がった所で少し視線を外していた。
聖「杏が晶子の所に様子を見に行くって言ったからな」
ましろ「丁度私も遊びに来ていて、あのこの事も気になってたし皆で行こうって事になったの」
杏「……」
杏が心なしか照れているようにみえた。
遊佐「そっか。それで元気だったか?」
黙って聞いていた杏に視線を移しながら聞いてみた。
杏「……元気だったわ」
中島「え、何々? 誰が元気だって?」
ましろ「ほら、この前のわんちゃん」
中島「ああ。なるほどね」
神契「犬さんまだ家の皆に慣れていないようですけど」
神契さんが杏へ振り向く。
神契「杏さんが来るとはしゃいじゃって」
にぱっと笑顔を杏に向ける。杏は恥ずかしそうにしている。
うーん、今日の杏はずっとあんな感じでかわいい……。
中島「ほうほう」
杏はぷいっ視線を反らす。
聖「それで、様子を見てきたからみんなで遊びに行こうって話になったわけだ」
ましろ「はーい、わたしの提案でーす」
神契「ゲームセンターなんて初めて来ました~。色々あるんですね。少しうるさくて苦手ですけど……」
ましろ「時々、聖ちゃんと来るけどホント色々あるよね」
聖「ほとんどここら辺だけで遊んでるんだけどね」
さっき遊んでいたところを指差す。
ましろ「そういえば向こうになんか新しい大きなカプセルみたいなのがあったけど、あれ何かな?」
中島「お、よくぞ気がついた」
遊佐「ほう」
きっとそれだな。そんなの見たこともないし。
聖「なんだ、暑い中それだけのために来たのか遊佐達は……」
遊佐「いや、大してそっちと変わらないだろ……」
中島「まぁ、そういうわけだな」
少しは否定しろ中島!
遊佐「ま、あー何だ。この前事件の礼も兼ねて暇つぶしだな……」
我ながらなんとも情け無い言い訳。
杏「……暇つぶしだけのためにきたのね」
ぼそっと一言。
遊佐「そ、そんなことはないぞ。本当だ」
本当だとも。
遊佐「……多分ね」
……ま、元々この六人で遊べばよかったかもな。
それにしても月島連携恐るべし。
中島「とりあえず見に行ってみようぜ、確か噂では六人対戦ができたはずだから皆で行ってみな
いか? 丁度いいじゃん?」
聖「いや私達は……」
少したじろぐ聖。
遊佐「やってみたらきっと楽しいとおもうけどな」
すこし押してみる。
ましろ「いってみようよ。皆でやると楽しいかもしれないよ?」
神契「そう、ですね……。あの、杏さんも行きませんか?」
ちょっと上目遣いで杏に訪ねる。
杏「……」
杏とチラッと俺のほうを見る。
少し笑ったような気がした。
杏「そうね……姉さんがやるのなら私もいいわ」
聖「え? そ、それじゃあやってみようかな」
お、言ってみるもんだな。聖も急な事で驚いてる。
けど、何となく微笑ましかった。
もう少し、もう少しだな……。
遊佐「んじゃ 行ってみますか!」
中島「OKOK! 行こうぜ!」
ましろ「ご~ご~」
ましろが杏と聖の背中を押している。
神契「はい~」
聖「もう、仕方ないわね」
何て言いながら少しうれしそうな聖。
中島を先頭に、楽しそうなましろ。そして聖と神契さんが並んで行く。俺たちも並んでついて行く。
さて早くも目的のブツの前に着いたわけなんだが。
遊佐「うっはぁ……すげぇなこりゃ」
中島「うむうむ」
圧巻、これ一言に限る。他の四人はというと言葉も出ない。
レーシングゲームの台に機密性をちょっともたせた様なちょっと大掛かりな機会が6台店の柱を中心に並んでいた。
中身も本格的でモニターやらサブモニターやらコントローラーも本格的っぽい。
男なら一度は憧る。そう、まさに「コックピット」を連想させる。
遊佐「これ……四人に出来るのか?」
俺はびっくりしている四人を見る。
中島「ん~ぱっと見難しそうだけど開発者が女性だからな。女性も出来るようにしてあるってパンフに書いてる」
中島「案ずるより産むが安しってやつだ」
……少しずれている気もするが。
遊佐「そんな難しい言葉しってたんだな」
中島「おうよ!」
馬鹿にしてることにも気付かない中島。
聖「ふぅん……どれどれ」
ましろ「あ、私も見るー」
神契「私も見せてくださいー」
とゲームする前からパンフだけで盛り上がる四人。杏は黙々とパンフを見続いていた。
その少しうつむき加減の横顔。耳がちらっと見えている。
そんな所にどきっとしてしまう。
杏「何をこっちを見ているの?」
遊佐「あ、いや。熱心に見てるなと思って」
杏「そう」
杏が再び目を落とす。
中島「さて 俺ら二人は四人ががパンフ見てる間に詳しい説明を見ようぜ」
遊佐「そうだなこの手は俺たちがリードしないとな」
ちょっと離れた所ににテーブルとそれを囲むように椅子があったのでそこで騒ぐことにした。
まぁ六人という大勢なので占拠するということになるが。
他の客といえば……見るだけで通り過ぎてゆく。見た目が難しそうなので様子見というところだろうか。
肝心のゲームの内容なのだが、要は3v3のチーム戦だな。
試合終了時に数多く倒したチーム、またはエリア内にちらばった五本のフラッグ多く集めることが勝利条件。
要は……インテリサバゲといった所だな。
操作方法がまた簡単というか複雑というか。
まずインカムをつけて情報交換しながら戦う、機体の操作は女性にも扱えるということが売りだから本当に簡単だ。
一つ違うといえば。台詞があるということ。対応する台詞を言うと特殊アクションが扱えるという。
ものそう何回も使えるものではないけど、ゲームのキーを握るのはこれだな。
遊佐「しかしこれは……台詞を言うのは少し抵抗あるかもな。恥ずかしい人になるぞ」
中島「意外と気にならないんじゃないか? 結構小さい声で言っても大丈夫そうだし。大声出しても防音されてるらしいから」
だがコイツは熱中して何を言い出すかわからないやつだからな。
だが、もしかしたら四人の意外な一面を見れるかもしれない。ちょっと楽しみだ。
ざっと目を通して飽きてきた四人は今度はゲーム機のほうに興味があるらしい。
ましろ「うわぁ~……凄いね、私できるかな」
神契「ファイトですよ!」
目の前にして少し不安げなましろを励ましている神契さんは力いっぱいガッツポーズしていた。
神契さんは参加すること忘れているのだろうか?
聖「うーん。こういうのはやってみないとわからないわね」
杏「……で、始めるの?」
一方、月島姉妹は微妙にやる気があるらしい。さっきと立場が逆転してるような。
ゲーム機に興味あるうちに一回やってしまったほうが良いな。
遊佐「中島、始めようぜ。パンフと外見だけでお腹一杯になる前にな」
中島「賛成だ」
さてと、3v3だから勿論チームわけしなきゃいけないよなぁ。
あれこれ考えるながら全員の顔を見渡す。
中島「チーム分けね。迷ってるのなら一回はやってみようぜ」
遊佐「やらないと楽しいのかつまらないのかもわからないしな」
ましろ「そうだね~」
聖「せっかくここまで来たんだしな」
杏「……」
神契「えっとぉ……わ 私もですか?」
ううむ、やっぱり。急にわたわたしだしてこれはこれで微笑ましい。
中島「大丈夫だってゲームなんだしさ皆で楽しまなきゃ損、さ」
得意のポーズをゲーム機に片手をつきながらかます中島。
中島……ナイスフォローだ。その努力が無駄にならないことを切に願っておこう。
遊佐「それじゃ、操作方法は大体読んで分かったと思うから、チーム戦にして二つつに分かれよう」
分けようって言っても……まぁ聖とましろはは一緒ってことになるだろうし後は俺と中島がどっちにつくかだな。
ゲームで意外な一面を見せそうな杏と神契の様子を見てみたいな。
けど、ましろと聖とも一緒にゲームなんかもやってみたい。どっちにしよう?
~分岐~
★杏&神契ペアに決めた!
☆聖&ましろペアでやってみよう!
★杏&神契ペアに決めた!
よし、杏と神契さんに決めた。
遊佐「んーじゃ杏と神契さんは俺と一緒のチームでやってみようか」
杏「……そうね」
神契「は、はい!」
っと一回三百円か意外と高いな。両替して二人に渡す。遠慮する二人だが、こういうところは男が出さないとな。
早速投入して定位置につく、なかなかのすわり心地だ。
てきぱきと準備を整えながら画面の説明に従い期待を選ぶ画面になった。
えーっと……機体の種類は18種類? 多いな……。作るの大変だっただろう。
二人が決めてから俺も決めてみることにする。
杏『遊佐、……どれにすればいい?』
神契『アドバイスお願いします~』
インカム越しに聞こえてくる二人の声。杏と聖の声が似ているのを改めて認識した。
遊佐「好きなの選ぶと良いよ。ゲームなんだしさ」
神契『……じゃ、じゃぁこの丸いふわふわしたのを連れてるこのコで』
杏『……』
遊佐『杏は何でそれなんだ?』
神契さんはなんとなくわかってた。
杏『……色よ』
遊佐『なるほど』
さて……二人が選んだのはどんな機体かな?
杏の選んだ機体は遠近攻撃重視型、一方、神契さんは特殊武器支援型か
両方ともクセのありそうな機体だから俺は万能型にしとこう。
機体を選ぶとステージがランダムに決めらる。
ぱっ画面が切り替わり画面いっぱいに赤い荒野が映し出された。荒野か……。
遊佐『よし! 楽しもうぜ!』
杏『……ん』
神契『ファイトです!』
インカム越しの声が少しだけ力強くなった気がした。
開始から数分――神契のビットでフラッグを探索しながら戦闘を続けているんだが……。
何かがおかしい。
遊佐『杏! 後ろだ!』
杏『っく……』
回避するのが無理だと分かったのだろう咄嗟に防御態勢になるが、もともと『攻撃型』装甲は意外と薄い。
盾で杏の機体を庇う。それと同時に撃ってきた方向に応戦するように弾を撃を撃つ――たぶん当たらないだろう。
杏『……やるわね』
さっきから仕掛けてるのは中島だろうな、仕掛けながら先回りする時間稼ぎでもしてるんだろう。
神契『ビットさん達の情報だとフラッグはこの先にあるみたいですけど……聖さん達も居るそうです』
遊佐『どうしたものかねー、向うは持久戦ぽいしこっちは短期戦フラッグを取るしか勝ち目はなさそうだな』
神契『フラッグは5本ですよね?……そうですね残り1本はまだ場所が分からないですけど……攻めにくいです』
杏『……遊佐。私が囮になるわ』
遊佐『それはダメだ、わざわざ死ぬようなことはさせない』
杏『遊佐に庇われてばかりなのは……癪だわ』
神契『杏さんそんなこと言っちゃダメですよ?』
杏『……そうね』
遊佐『神契さんもこういってるんだから。まだ焦る事はないさ』
杏子『……わかった』
神契さんの言う事は聞いてくれるようで助かる。
神契『あ、ビットさんが戻ってきました』
遊佐『お、見つけたのか?』
神契『はい……! 南にこの先の谷にあるそうです。聖さんたちも居ないみたいです……し、大丈夫だと思います』
時間も限られている。こいつはそれにかけるしかないか?
遊佐『……よし! 急ごう!』
神契『はい!』
杏子『わかった』
このまま何も無くフラッグ取れればいいんだが。
まっすぐ谷を目指す、まだ敵の反応が無いけど崖に囲まれてるからここで攻撃されたら……。
《ロックされました回避運動をしてください》
警告と同時に機体が少し揺れた。
く……攻撃! 何処からだ……!
???「怯えろ! 竦めぇ! 機体の性能を生かせぬまま死んで行け!」
この声は……中島!
というかまんま大声出してるぞ!
中島『ふははははは、策にはまったのが最後よ!』
……分かった! こいつこのゲーム結構やりこんでやがる!
遊佐『てめぇ このゲームやりこんでるな!』
中島『やったことはいってないずぇ!』
ちっ卑怯な野郎なだけに敵に回すと厄介だ!
この位置だと流石に避けれないな……。潔くやられて体制を整えたほうが得策か……。
遊佐『悪い、二人とも俺が復帰するまで耐えてくれ』
少しゲーム本体がゆれてメインモニターと周りが暗くなった。
……少しの間復帰時間が必要だ。インカム越しに聞こえる声だけが頼りだな。
何とか逃げながら戦っているようだが不利には変わりなさそうだ。
後十五秒……! あせっても仕方ないが早くしてくれ!
神契『ビットさんごめんなさい、行って!』
神契さんのビットが敵の注意をひきつけながら逃げているらしい。
真剣にしては杏がなぜか静かなのがちょっと気にかかる。
遊佐「あ~あ、一回撃墜かぁ、杏スマ……ん?」
杏「……」
神契「杏さん?」
杏「……」
遊佐「??」
何が起きてるのかさっぱり分からない。ただ杏が何か苛立っているのが分かる。
杏「……遊佐」
遊佐「え? どうした?」
杏「……敵はとるわ」
遊佐「あの……、杏? これゲームだからな?」
杏「やってやるわ……」
サブスクリーンを見る。
あちゃ、あの目はマジだ。
おっと、画面が回復したか。一体どういう状況だ?
遊佐「お?」
杏の攻撃で中島はよけるのに必死だ。杏の特殊アクションが発動したみたいだな。
一方中島は何とかその一撃を岩を盾にしてよけた? やべぇ、反撃されるぞ!
遊佐『立て続けにやられるのはやばい! 杏、逃げろ!』
神契『よけてください!』
杏『くっ、動けっ』
神契『まにあって!』
神契の機体から射出されたビットが一気に光りだした。
一瞬、聖達の機体が止まる。
お……チャンス!? このタイミングを逃したら次は無い!
遊佐『一気に片付けるぞ!』
杏『いいわ、動ける』
神契『はい! いきます!』
意外と二人とも燃えてる、俺もたぶん凄い笑顔なんだろう。
こんな一面を知れたことと、何よりすごいうれしいじゃねえか!
遊佐『ふはははは! 中島よ! 少しオイタがすぎたな!!』
俺も思いっきり熱くなってやる!
杏『姉さん……!』
神契『ビットさん達二人の援護をお願い!』
先行しすぎていた中島を瞬殺する。
中島『ば、ばかなぁ!』
装甲が薄かったみたいだし何より神契さんの援護もある!
今度はこちらから攻めるぞ!
杏「……ふぅ」
神契「やりましたね! 私達の勝ちですよ!」
遊佐「だな、なかなか楽しかったんじゃないか?」
神契「はいー。 ちょっと疲れますけど今度またやりたいですね!」
ましろ「よくわからなかったけど楽しかったね~」
聖「折角なら勝ちたかったけど、仕方ないな」
聖のチームご登場、負けた理由は中島だろうに。
何も言わないってことがやっぱり二人らしい。
結局あれから聖チームは総崩れ、その要因は―――
ま……、中島が腹痛を起こして天国(トイレ)に召されたわけで。
それでもほとんど神契さんのおかげで勝てたわけだ。
後で知ったことだけど、神契さんのはゲーム中一回しか使えない奴を使ったらしい
遊佐「しっかし二人ともなんか入り込んでたな」
杏「……ふん」
神契「あははっ」
聖「?」
遊佐「また今度やろうぜ」
杏「……好きにすれば」
最終更新:2007年03月09日 14:02