んん~!朝は基本的に憂鬱だけど、こんなに気持ちいいのは久しぶりだな。
遊佐「毎日がこんな朝なら俺は大歓迎だ」
何時もより早い時間の登校、今日は良い事あるかもな。是非ともあってほしい。
弓削「会長、いい加減登校時間慣れてください!」
???「うぅ……いくら生徒の代表とは言え、なんで早く登校しなきゃなんないの……」
あれは~、確か昨日の弓削?隣に居るのは生徒会長の甲賀先輩だな。
遊佐「朝から元気だな」
珍しいから挨拶くらいはしていこう。
弓削「生徒会長だからですよ! 何言ってるんですか!?」
甲賀「いや、生徒会長だからこそ優雅にまったりと登校すべきだ」
弓削「それ、どんな偏見なんですか!」
甲賀「それに肌が荒れたら……生徒会長は生徒の代表! それが肌が荒れててどうするの!?」
弓削「その生徒の代表が遅刻ギリギリでどうするんですか!」
甲賀「嗚呼、華の十代がこんなことで良いのかしら」
会話になってるのかあれ?甲賀先輩が凄い受け流してるんだが。
弓削「もぅ、しっかりして……ぁ」
お~、やっと気づいてくれましたか。挨拶ぐらいは出来そう。
遊佐「おはようっす」
弓削「お、おはようございます。先日はありがとうございました」
ペコリと頭を下げた、ツインテールがつられて揺れる。
甲賀「きみかー、おはー」
弓削「あの後どうでした?」
遊佐「え? あぁそれは……」
弓削「って会長すみませんすっかり言い忘れてました……」
甲賀「ん?」
弓削「この前オカルト研からの陳情、遊佐先輩に手伝ってもらったんです」
甲賀「ほぉ、君もなかなか隅に置けないねぇ」
なんのことやら……。
弓削「で、何事も無かったですか?」
遊佐「ん」
ん~……どうしよう?本当のことを言おうか。少し見栄を張ってもばれそうには無いけど。

選択肢

 

●ありのままを話す。
○ちょっとだけ見栄を張ってみる。


●ありのままを話す。

 

やっぱ嘘はよくないよな嘘は。
遊佐「なんか女の子がいたんだけど、俺が眼中に無いって感じでさ」
弓削「女の子……ですか」
遊佐「そそ、あんまり急だったんで追いかけようとしたら居なかったんだよ」
甲賀「ほほぅ」

甲賀先輩うなずいてるけど何に納得してるんだろう?
弓削「でもあんな林に女の子一人なんて…………危ないですよね」
遊佐「だなぁ、でも慣れてる感じだった」
弓削「まさか……家出ってことじゃ!?」
甲賀「それは無いんじゃないかなぁ、他に誰か気づくだろうし」
遊佐「家出にしちゃ感じがおかしかったな。どっちかというと遊んでるって感じだった」
遊佐「あ、あと『おねーちゃん』って言ってたし、時間も決まってた見たいだぞ」
甲賀「秘密の遊び場!って感じかな」
腰に左手を当てて『ッピ』と右手の人差し指を立ててる。
なんか雰囲気が、賑やかなお姉さんって感じだよなぁ甲賀先輩って。
さきいってる生徒も皆挨拶していくし。人気者だよなぁ。
弓削「おねーちゃん……時間……」
弓削も目を閉じて真剣に考えなくても、まぁ真面目なんだろう。


○ちょっとだけ見栄を張ってみる。

 

ちょこっとだけ……ちょこっとだけね。
遊佐「なんか女の子が泥遊びしててさ。注意しても全然聞いてくれなくて」
甲賀「ふぅ~ん」
弓削「あんなところにですか!?」
弓削は驚いてるのに甲賀先輩はなんか反応が薄いな。
遊佐「あんなところに女の子が泥遊びしに来るわけ無いよなぁ」
弓削「迷って入ってきちゃったとか」
甲賀「それは無いだろう塀があるんだぞ~?」
弓削「ですよね……」
甲賀「で遊佐はそのあとどうしたのかな?」
遊佐「なんか『お姉ちゃん』とか『時間が』っていって走っていった」
甲賀「ほぅほぅ」
遊佐「追いかけたんだけど、なんか行き慣れてるって感じで見失っちまった」
甲賀「林の中は足場がわるいからねぇ」
弓削「ますますわからないですね」
遊佐「わけ有りってことじゃなさそうだし謎だよな」
弓削「んん~……?」

 

―合流―

 

甲賀「んー考えるのは良いけどさ」
遊佐「?」
弓削「どうしたんですか?」
女性生徒「かいちょー!おはよ!」
甲賀「おはよー」
なんか賑やかになってきたな。
男子生徒「よ、お早う今日は珍しく後輩とのんびり登校か?」
甲賀「おはよ、可愛い後輩は大切にしないとねぇ」
のんびりってわけじゃなさそうだけどな……って待て。
遊佐「やっべ時間!」
弓削「え?わゎ」
甲賀「あははは、このままだとちょっと危ないかな?」
弓削「気づいてるのなら先にいってください!」
遊佐「んなこといってる場合か!走れ走れ!」
弓削「は、はいぃぃ」
甲賀「だから生徒会長は優雅にまったりと……」
弓削「 会 長 」
甲賀「……走ればいいんでしょ。走れば、朝から走るなんて……」
余裕あるなこの二人……というか甲賀先輩早っ!?!俺が全力で離されてるぞ。おい
遊佐「人の事気にしてる場合じゃねー!」
弓削「遅刻はいやです~」
あぁ……時計の針が……止まってくれ!
ピタッととまった。
甲賀先輩が。
甲賀「あぁそうだ、遊佐放課後に生徒会室に来るように」
あれか話の続きを聞かせろって事か。とにかく今は走る!
遊佐「ひー、わかりましたー」
弓削「遅刻はいやですぅぅぅ」
とまってたはずの甲賀先輩が一気に追い抜いてゆく。あの人何なんだ・・・・
甲賀「弓削もくるようにね~~~~~~~~~~~~」
大声で校舎の中に突っ込んでゆくと同時に悲しく予鈴のチャイムが鳴り響いた。
1、3年は間に合うだろうケド2年は……無理。
途中まで弓削と一緒に廊下を走る。
今日は朝からいい日じゃなかったなチクショウ。

 

最終更新:2007年04月13日 13:44