片山先生「はい、それじゃ、帰りの会(?!)はこれで終わりねー」
中島「先生!遊佐君が授業中に消しゴムカスでねり消し作ってました!」
片山先生「じゃーまた明日ー」
先生……自分でネタふっといて乗った中島をスルー……
……恐ろしい。
中島「寂しいよ遊佐……だからゲーセンよって帰ろうぜ!」
遊佐「さて生徒会室へいきますかね」
中島「What!? 鹿とですか?!」
遊佐「じゃなー」
強くなれよ中島……背中で語りながら教室を後にする。
え~っと……生徒会室って同じ階の一番奥だよな。HRが長引いたから二人とも居るだろ。
表紙を見つけてノックしてみる。
???「はいっていいよー」
???「どうぞ」
遊佐「失礼します」
甲賀「いらっしゃーい」
弓削「何処でも座ってください」
あれ? 生徒会ってこんなに人が居ないのか?
けど結構、椅子が置いてるしそんなことはないと思うけど……。
甲賀「これでそろったわけだけど。まぁ、くつろいでよ」
遊佐「はーい」
甲賀「これ、ちょちょいと終わらせてから用件言うから」
にっこりと笑う甲賀先輩。人気があるわけだよなぁ。
弓削「遊佐先輩コーヒーですか?お茶のほうが良いです?」
甲賀「お茶にすると良いよ、結構いいの使ってるんだ」
遊佐「あ、ならお茶で」
弓削「分かりました、ちょっと待っててくださいね」
甲賀「ついでに私にもね~」
弓削「はい」
朝のやり取りが珍しいほうだったのか?何かいたって普通なんだが。
遊佐「生徒会ってこんなに人が居ないんですか?」
甲賀「ん~?」
弓削「他に居ますけど、会長がいっっつも書類貯めるから今日は私と会長だけです。」
……真面目かと思った俺が馬鹿だったよ。
よく見たら脇に書類の山があるじゃないか。
甲賀「あはは、陳情を処理してるとどうも書類がたまっちゃってね」
弓削「笑い事じゃないですよ、会長。処理は私達がしますから会長にしか出来ない事をやってください」
甲賀「いやー、事件は生徒会室で起きてるわけじゃないからね。現場回ってた方が性に合ってるのさ~」
弓削「後であわてるのは会長なんですよ?」
甲賀「こう部屋に篭ってるのはちょっとね」
弓削「あわてるのは嫌なんです」
甲賀「分かってるって、ありがと」
弓削「はい、遊佐先輩も」
遊佐「ありがと、サンキュー」
甲賀「烏飲雫笥って茶屋が扱ってる山奥の里しか取れない茶葉だよ」
ふむ……お茶は詳しくないが、飲みやすいな。
……
…………
甲賀「しゅうりょー!」
弓削「はい、今週はそれで全部です。お疲れ様です」
甲賀「いやー生徒会って意外と地味だね、もうちょっと派手なものかと思ったけど」
遊佐「そうなんすか」
甲賀「そ、そこで君に頼みがある」
まさか……
甲賀「君の行動力を見込んで生徒会にヘッドハンティング!」
……まじでした。
弓削「え……それは急じゃないんですか?」
甲賀「思い立ったら吉日というじゃないか!さぁ、どうする!」
いや身を乗り出して笑われても・・・。
甲賀「弓削も何にも考えなしに、陳情の件を任せたわけじゃないわけだろう?」
弓削「あの時は……その……」
あー、これは一応助け舟を出しとくか。
遊佐「あー、あの時はですね」
甲賀「なんだい?」
遊佐「なんか俺も林の中でごそごそう動くものが見えたんですよ。だから、気になってたからついでに」
甲賀「思ってたより行動力はあるね~、ますます欲しくなってきたよ!」
そんな事言われても、承諾する理由もないしな……。
甲賀「今日の遅刻は『生徒会の奉仕活動に参加していた』って私が言えば何とかなるんだけどなー?」
あった!大いにあった!
弓削「会長!それは職権乱用ですよ!」
甲賀「特権といいなさい!」
弓削「ダメですからね!」
甲賀「遊佐それがダメでも、ここにはクーラーがついてる昼休みもついてるぞ~?弓削も涼みに来てるし」
弓削「う……」
甲賀「それは文句が言えないよね~?」
小悪魔の笑みと誘惑、こ……これは、良いかもしれない。
ん~……
●やっぱり……
○よし決めた!
よし決めた。
遊佐「分かりました、俺に出来ることなら手伝いますよ」
甲賀「うんうん」
弓削「良いんですか?」
遊佐「意外と楽しめそうだし」
甲賀「んじゃ、遊佐クンは弓削と陳情を対処するのを中心に活動してもらうよ。勿論、参加できる時でいい」
打倒だな、弓削が陳情処理係なんだから他も手一杯なんだろう。
遊佐「わっかりました」
弓削「よ、よろしくお願いします」
甲賀「それじゃ、今日は用件が全部終わったし、これで解散」
弓削「陳情処理はいいんですか?」
甲賀「ん、それはまた後日。昨日の件は後日、遊佐クンが、直接オカ研に報告すること。以上!」
っま……そうだろうな
弓削「いいんです?遊佐先輩」
遊佐「かまわないさ」
甲賀「ほらほらー鍵しめるよー?」
弓削「あ、待ってください」
遊佐「閉めるな閉めるな」
赤い色が濃くなり影が伸びだしていた。