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弓削「あっ!」
甲賀「や、ただいま」
弓削「……どこに行ってたんですか」
甲賀「遊佐君の手伝いに」
弓削「もう! 急にいなくならないでよ! 今日は……」
弓削さんが怒っていた。しかもかなりの剣幕で。
甲賀「う、でもさ」
弓削「あんまり…っ!」
……え?
弓削「心配させないでっ」
甲賀「ごめんごめんっ。泣かないで!」
……どうしたんだろう。
弓削「……うん」
甲賀「さ、さぁ、仕事しよう?」
弓削「もう……」
俺はどうすることもできず立ち尽くしていた。
遊佐「えっと……」
甲賀「あ、気にしないで。ほらこれ見て」
遊佐「ん? 何ですかこのプリント」
甲賀「これ見てあとで感想教えて」
遊佐「え?」
甲賀「ちょっと頼むね」
そういうと弓削さんを連れて先輩は出て行ってしまった。
遊佐「どうしたんだろ……」
なんかあったんだろうか?
どうすることもできないのでとりあえずイスに座ってプリントを読みだした。
遊佐「へぇ……」
そこには現会長、つまり甲賀先輩のいままでの活動内容が書かれていた。
それに加えて結果報告やら感想の類やら。
遊佐「こんなことやってきたんだな」
普通のボランティアから学校の活動まで。
遊佐「……」
俺がいなかった時の甲賀先輩はどんなだったんだろう。
遊佐「今度中島に詳しく聞いてみるか」
それにしても遅いな……。
なんとなくすることがなく部屋を見渡した。
遊佐「ん?」
かわいらしいペンが会長の机に転がっているのが目に入った。
遊佐「ウサギ……」
マンガチックなかわいらしいウサギがてっぺんについたペン。
白くて赤い目をしている。
どうやらそれは筆箱から転がったものらしい。
遊佐「へぇ」
こんなかわいいのも持ってるんだ。
ドアが開く音がする。
甲賀「ごめんね、遊佐君」
弓削「……」
遊佐「いえ、別に」
隣の弓削さんは黙りっぱなしだった。
遊佐「あ、見ましたよこれ」
甲賀「どうかな?」
遊佐「んー、結構色々やってるんだなーと」
甲賀「そうでしょう?」
遊佐「思ったより仕事してますね」
甲賀「それは酷いなぁ」
遊佐「まぁ、一応褒め言葉と受け取ってください」
見なおしたんだから。
弓削「あの、遊佐さん」
遊佐「ん?」
弓削「これもよかったらお願いします」
一枚、プリントが手渡された。
遊佐「どれどれ?」
んー、企画書?
今後の学校の問題改善?
読んでいくと学校のことがわかっていく気がした。
しかも、読むとすごく興味がわいてきた。
遊佐「なんだかすごいねこれ」
弓削「はい」
遊佐「やっぱり」
思しき人の顔を見る。
甲賀「あはは」
遊佐「やっぱり?」
弓削「はい」
遊佐「すごいですね……」
弓削「そうでしょう」
遊佐「うーん」
素人(?)である俺でも伝わってくる。
遊佐「ううん」
弓削「それで、ここの部分なんですけど」
遊佐「ん?」
指差したあたりは手書きだった。
そこだけ浮いている。周りは印刷された整った文字。
甲賀「うー」
弓削「どうでしょう?」
遊佐「これは?」
弓削「先輩の新たに出した案です」
題は"学校をおもしろくするには"。
そして方法が連なって書かれている。
遊佐「ん~」
遊佐「なんというかここだけむちゃくちゃだな」
弓削「そうでしょう?」
甲賀「うーん」
遊佐「なんであなたまで唸ってるんですか」
甲賀「ひぇっ? だって……」
遊佐「まぁ……、いいんじゃないですか?」
これが実現したら、なんだかんだいって楽しいんじゃないか。
そう思った。
甲賀「ほ、本当?」
遊佐「こんなことされたら実際うれしいでしょうね」
遊佐「でも……、かなり難しいな」
弓削「そうですよね」
甲賀「んー」
遊佐「これ配ったりするんですか?」
弓削「はい、一応会長交代の際には配ることに」
遊佐「それじゃさ、一応これも追加してアンケートみたいなのとるとか?」
弓削「うーん」
甲賀「それ、……いいかも」
弓削「次の会長が困ると思うんだけど」
遊佐「ま、アンケートで駄目だったらやめればいいんだし」
遊佐「それにこれ、全部実行するわけじゃないんだよね」
弓削「そう、ですね」
遊佐「いいんじゃない? 俺はおもしろいと思うし」
甲賀「やってみようよ」
弓削「わかりました……」
どうやら弓削さんは俺に否定して欲しかったらしい。
遊佐「ごめんね弓削さん」
弓削「いえ、先輩のおかげで踏み切れます」
遊佐「……そっか」
弓削「それじゃあ今日は帰りましょうか」
遊佐「そうだな」
甲賀「……」
遊佐「どうしたんですか? 先輩」
弓削「あ……。遊佐さんちょっと先行っててもらえます?」
何か用事かな。
遊佐「ん……わかった」
そう言って廊下に出る。
下駄箱でまつかな……。
最終更新:2008年01月26日 01:52