@@教室
次は移動教室か……。
クラスのみんながガヤガヤと出て行くのを見送ってから、俺も重い腰を上げる。
@@ましろ発見
ましろ「あれ?」
遊佐「ん? どうかした?」
もそもそと何かを探してるましろちゃん。
ましろ「うーん。教科書が見当たらなくて」
@@ましろ困惑
遊佐「忘れたとか?」
ましろ「そうかも……」
遊佐「じゃあ俺の一緒に見ようか」
ましろ「う~ん。ごめんね」
遊佐「いやいや。ましろちゃんと一つの教科書をくっついて見れるなんて、幸せなげほぁっ!?」
ましろ「ひゃっ」
@@ましろ驚
側頭部に衝撃が走り俺は横に1メートルくらい飛ばされた。
殴って来た相手など確かめるまでもない。
遊佐「聖。いつも思うんだがもう少し手加減してくれないか?」
聖「一応手加減はしている。いつもなら気絶してるのにタフになったな」
@@聖呆れ・ましろノーマル
あきれ声でふてぶてしい事を言ってやがる。
お前そのうち警察に捕まるぞ。
遊佐「俺の身体の安全のためにもう少し手加減して欲しいのだが」
聖「そんなどうでも良いことは置いておいて。ましろ、教科書なら私が見せてやる」
@@聖ノーマル
ましろ「え? えーっと……」
@@ましろ困惑
遊佐「どうでも良い言うな」
聖「次の授業は席も生徒の自由だから問題ない。こいつの教科書なんか落書きだらけで見れたものではないに決まっているし」
ましろ「え? え?」
遊佐「スルーすんな。後失礼だぞお前」
聖「お前に構っていると日が暮れるだろうが」
遊佐「失礼な事を言うな。聖が突っかかってこなければ、俺も無駄な時間を費やさずに済むんだ」
ましろ「あの……」
聖「お前の時間の意義など知ったことではないが、お前は日常を無意味に過ごしてるダメ人間だろうが」
遊佐「どこまでも失礼なヤツだなお前は。そのうち名誉毀損で訴えられるぞ」
聖「私はお前とは違って、分別をというものをわきまえている。根拠のない誹謗中傷などはしない」
ましろ「えっと……」
遊佐「今、俺に対して行なった誹謗中傷の根拠はどこにあるってんだ」
聖「勘だ」
遊佐「うわ、言い切りやがった」
ましろ「もう、二人ともそのくらいにしとこうよ。授業に遅れちゃう」
@@ましろ怒(小)
当人だったはずなのに、蚊帳の外になっていたましろちゃんが仲裁に入った。
遊佐「あ。そろそろ行かないとまずいね」
聖「すまない。ましろ」
@@聖困惑
バチバチと火花が散っているけど、とりあえず休戦。
@@暗転→中庭など
@@ましろノーマル・聖ノーマル
ましろちゃんパワーのおかげで聖も大人しくなった。
とはいえ、少し空気は硬い。
ましろちゃんを挟んで沈黙のまま移動する光景はシュールかもしれん。
聖「あ」
@@聖発見
聖が何かを見つけてちょっと立ち止まった。
遊佐「ん?」
ましろ「どうしたの?」
@@聖ノーマル
俺とましろちゃんが聖の視線をたどろうとした瞬間、聖はましろちゃんの視線を妨害した。
ましろちゃんだけだから俺は見えたわけだが。
ましろ「なになに? 見えないよ~?」
のんきそうに聖のディフェンスをくぐろうとするましろちゃん。
でもまあ、見ないで良いかも知れない。
ネコが捕まえたスズメ食べてる光景なんて、あまり気分の良いものではないし。
自然の摂理だししょうがないとは思うけどね。
ましろ「も~! わたしにも見せてよ~!」
@@ましろ怒(小)聖困惑
む、ましろちゃんがちょっとダダをこね始めた。
聖のディフェンスが破られそうだ。
1.聖のディフェンスをサポートする
2.むしろ聖を説得する
――――――1選択のケース(好感度 ましろ-2
まあ、ああいうものをましろちゃんに見せるのは何かイヤだしな。
聖のディフェンスを突破しようとした瞬間、俺もましろちゃんの前に陣取る。
ましろ「遊佐君も見せてくれないの?」
@@ましろ悲しみ
くっ、斜め下からの上目遣いとはやるな! まっしー!
潤んだ瞳がキュートすぎる! 突破を許してしまいそうになるぜ!
遊佐「だが通すわけにはいかぬ!」
聖「遊佐。お前のディフェンスとっくに通過されてるぞ」
@@聖呆れ・ましろ発見
遊佐「へ?」
ちょっと葛藤していた隙に、ましろちゃんは俺の脇からネコを見つめていた。
――――――2選択のケース(好感度 ましろ+1
遊佐「まあまあ、別にそんな隠さないと駄目なものでもないじゃん」
聖「遊佐! 貴様寝返ったな!」
@@聖怒り・ましろ発見
いや、寝返ったとかそういうもんなのか?
聖「貴様というヤツはとことん私が気に食わないようだな!」
遊佐「いや、そんなつもりはないが……ディフェンスやめていいのか? お前」
聖「あ」
@@聖発見
さっきの前口上で、びしっと俺を指差したりするもんだから、あっさりディフェンスが崩れている。
遊佐「聖。結構うっかりさんだな」
グッジョブ! と親指を立ててみせる。
聖「フンッ、なんのつもりだそれは」
@@聖ノーマル
そんな馬鹿な掛け合いをしてる間に、ましろちゃんはじーっとネコを見つめていた。
――――――選択分岐ここまで
ネコを見つめていたましろちゃんは……なんか静かだった。
横で聖がちょっぴりいじけてるけど気にしないでおこう。
ましろ「教室いこっか」
@@ましろノーマル・聖消
くるっとこちらに振り返ったましろちゃんはいつもどおりの笑顔だった。
遊佐「あ、うん」
ましろ「も~。必死に隠すから何があるのかと思っちゃったよ」
遊佐「まあ、ちょっとしたスプラッタだし」
ましろ「みんな心配しすぎだなぁ」
みんな?
みんなって何だろ?
聖「遊佐ぁぁぁぁぁ! まてぇぇぇぇい!」
@@聖怒り
聖が後ろから全力疾走で追いかけてきた。
遊佐「ごめん。至極普通に忘れてた」
聖「ましろ! 何かされなかったか!?」
ましろ「何かって?」
聖「この極悪非道変質者にだ!」
遊佐「誰が極悪非道変質者だ」
てか地味に会話噛みあってないぞ。
遊佐「まあ、それはおいといて教科書どうしようか?」
聖「私がましろと一緒に座るに決まってるだろうが」
聖。お前には聞いてない。
@@ましろ発見
ましろ「私に良い考えがあるよ~」
遊佐「というと?」
ましろ「うん。それはね……」
@@暗転
……
…………
@@教室(移動教室の何か
聖「どういうことだこれは?」
遊佐「俺に聞くな」
次の授業は、聖の教科書をましろが借りて、俺と聖が一緒に教科書を見ることになっていた。
遊佐「喧嘩両成敗というやつか」
聖「うるさい。黙れ」
隣が聖のせいで、真面目に授業受ける事になっちまったのが一番の災難だな。
最終更新:2008年11月19日 23:51